アニオリのバランスが絶妙…『鬼滅の刃「柱稽古編」』第5話、甘露寺蜜璃との稽古は天国?地獄?


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アニメオリジナル(アニオリ)演出に注目が集まっている毎週日曜放送のTVアニメ『鬼滅の刃「柱稽古編」』。前回第4話では原作の内容を大きく膨らませ、時透無一郎との稽古を緩急をつけながらまるっと1話分に仕上げて見せた。それぞれの柱にじっくりスポットを当てるかのように思えた「柱稽古編」だが、最新第5話は原作に忠実な内容となった。しかし、少ないながら間に入るアニオリが光る。

※以下、アニメ第5話に関する内容が含まれます。ご注意ください。

甘露寺の柔軟稽古に炭治郎が悲鳴

第5話では、炭治郎と明るく元気いっぱいな甘露寺蜜璃の再会からスタート。エプロンをつけた甘露寺は、巣蜜をとろっと乗せたおいしそうなパンケーキと紅茶を炭治郎に振る舞う。食べ方が分からない炭治郎に対してパンケーキを切り分け、「炭治郎くん、あーんして」といって食べさせる甘露寺。あまりのおいしさにほっぺたが落ちそうになる炭治郎は、まるで天国にいるかのような幸せそうな表情だ。甘露寺と炭治郎のほほえましいシーンに癒される。

だが、和やかなティータイムが終わり稽古が始まると、炭治郎は地獄を見ることになる。ピンク色の格好に着替えた炭治郎と隊士たちは、音楽に合わせて手を伸ばしたり思いっきり飛んだりして踊る。そして、甘露寺は柔軟する隊士の足を無理やり広げたのだ。その開脚は限界を超えており、隊士の体が心配になるほど。炭治郎も甘露寺によって柔軟をうけ、悲鳴が響き渡った。幸せなお茶会から一転、地獄の柔軟稽古となった。

やきもちを焼く伊黒と不死川兄弟のやりすぎな喧嘩

続いて、伊黒小芭内による稽古が始まる。だが、最初から伊黒は炭治郎を嫌っている様子。実は伊黒は甘露寺と文通しており、炭治郎と一緒にお茶をして楽しんでいたことを知っていたのだ。甘露寺と伊黒は恋仲であり、明らかに炭治郎にやきもちを焼いている伊黒がかわいらしい。

殺意で満ちている伊黒との太刀筋矯正稽古は、縛られた隊士の間をかいくぐって木刀で戦うというもの。「くくられている人たちはなにか罪を犯しましたか……?」とおそるおそる尋ねる炭治郎に、「弱い罪、覚えない罪、手間をとらせる罪、イラつかせる罪……というところだ」と答える伊黒は、鬼軍曹そのものだ。

「当てないで……!」と祈る隊士に当てないように伊黒と戦う炭治郎は、思うように力を出せず苦戦。その反面、伊黒の太刀筋はヘビのように曲がり確実に炭治郎を捉える。伊黒の強さが垣間見えると共に、炭治郎の仲間を思いやる気持ちが強く出る稽古だといえるだろう。

稽古の後、炭治郎と隊士がお風呂に入るアニオリ演出が。ボロボロになった炭次郎たちは、稽古で散々体を痛めつけられている様子。ただ、このシーンから炭治郎だけではなく隊士も懸命に稽古に励んでいることが伝わり、傷がお湯にしみるという青臭くてどこか青春感の漂うアニオリとなった。

訓練終了まで嫌われたままで「馴れ馴れしく甘露寺と喋るな」と言い渡された炭治郎は、不死川との打ち込み稽古に進む。しかし、稽古は失神するまでが一区切りでそれまで休憩なしという過酷さ。さらに炭治郎は、不死川兄弟の喧嘩に巻き込まれる。目つぶしを使うなど激しすぎる兄弟喧嘩に炭治郎は必死に抗い、ぐちゃぐちゃの乱戦となった。その結果、稽古は中止となり、炭治郎は不死川との接近禁止が命じられたのだった。

「柱稽古編」は第4話のように1話ごとにアニオリを多く含んだ内容になるかと思いきや、エピソードによって原作に忠実な回もあるようだ。次回の第6話ではどのようなアニオリの配分になるのだろうか。(文:まわる まがり)

まわる まがり

著者 まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムや映画の作品評、マンガのレビューを手がける。