ドラゴンボールヒーローズ、突然の“サ終”発表に驚きの声「喪失感が」インフレ末期状態による苦渋の選択か


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デジタルアーケードカードゲーム『スーパードラゴンボールヒーローズ』(以下、SDBH)のサービス終了が9日に突如発表となり、ファンの間で激震が走っている。

『SDBH』は、前身の『ドラゴンボールヒーローズ』から合わせると、実に13年以上もの間、サービスが続き、長きにわたって愛されてきた大人気アーケードゲーム。サービス終了が発表される直前までも人気の衰えは全く感じれないほどに好調であったが、このたび突然終了がアナウンスされた。

「マシン・カード・ゲームルールを全て一新」と銘打ち一新

サービス終了に至った理由については、後続として現在開発中だという新作『ドラゴンボールスーパーダイバーズ』のスタートが発表されたことによるものとしている。5月9日に情報が解禁されたこちらのゲームは、“没入感&臨場感がハンパない!”をキャッチフレーズに、全く新しいデジタルカードゲームになるという。

そして『スーパーダイバーズ』の稼働がスタートするとともに、入れ替わりの様なかたちで『SDBH』の稼働が終了する予定だ。なお、『スーパーダイバーズ』に実装予定の“スーパードラゴンボールヒーローズモード”を選択すれば、今まで通り、ゲーム機で『SDBH』のカードを使用して遊ぶことができるようだが、新しいミッションの更新予定はないとしている。

つまり、多少の猶予期間はあるものの、今まで集めていた『SDBH』のカードはいきなり機能を失うことになる。『SDBH』のカード人気はすさまじく、プレミア価格がついているものも多く、トレーディングカードショップでは遊戯王やポケモンカードなどと並んで売り場を占有していた。

だが、今回の終了を受けて、各地のショップでは『SDBH』の買い取りを停止するなどの措置が取られ、当然ながらカードの価値は暴落。SNSなどでは〈流石にプレイヤー大泣き案件すぎてやばいな〉〈なんか喪失感がすごいです〉〈今まで頑張ってアバター育ててきた息子が泣いてます〉といった嘆きの声が寄せられていた。

ただ、13年もの間続いていたゲームとあって、『SDBH』に限界が来ていたと指摘する声も少なくない。理由は筐体の耐用など様々とされているが、なかでも“インフレ”に注目する意見も見られている。

“一新”踏み切る背景は…

『SDBH』ではどんどん強いカードを出すべく、ドラゴンボールのお馴染みキャラクターたちが、原作漫画やテレビアニメでは見たことがない形態にまで進化。ベジットやブロリー、孫悟飯のスーパーサイヤ人4などが作られ、さらにはクウラの進化形態・ゴールデンクウラや、ジャネンバとベビーが合体したジャネンバベビーといった、ファンの二次創作キャラと形容できそうなものまで登場。

そのため、作品ファンの間でも『SDBH』は認めないと主張する層まで出てくるほどに、原作からはかけ離れた存在になっていたとの意見もあった。今回、全く新しいデジタルカードゲームを作り出したのは、そんなインフレ末期状態を、一度リセットしたいという思いもあったのだろう。

奇しくも、2024年秋から放送予定の新作アニメ『ドラゴンボールDAIMA』(フジテレビ系)も、主人公の悟空たちが小さくなるところからスタートするようで、強くなり過ぎた彼らをいったん、弱体化する措置が取られている。

『SDBH』を集めていた人のショックは計り知れないが、ドラゴンボールがこの先も続いていくためには、この運営の決断を受け入れなければならないのかもしれない…。(文:神山)

■ドラゴンボールスーパーダイバーズ
ジャンル :デジタルカードゲーム
マシンサイズ:(幅)1150mm×(奥行)915mm×(高さ)1935mm/(重さ)約210kg

©バードスタジオ/集英社・東映アニメーション ©BANDAI

著者 神山勝丸
ドラゴンボールとドラクエ、鳥山明を愛する30代。好きなアニメはサザエさん。