アニメ『英雄教室』Blu-ray収録のOVAは「良い意味でテキトーな80年代アニメっぽいもの」狙いを監督ら語る 上映イベント開催
昨年10月に放送を終えた学園バトルファンタジーアニメ『英雄教室』について、本年1月よりBlu-rayシリーズの発売がスタート。これを記念して去る2月10日(土)に本作のキャスト登壇のトークショー付き上映会が開催された。
上映会では全3巻のBlu-rayに収録予定の新作OVA全3話に加えて人気の高い本編第10話の豪華4本が放映。後のトークショーには監督の川口敬一郎さん、ブレイド役の川島零士さん、アーネスト役の山田美鈴さん、ソフィ役の東山奈央さん、クーフーリン役の木野日菜さんが登壇し、OVAの感想や作品の思い出について語らった。
まず、今回初となる劇場上映について、川島さんは「声優として劇場で自分の声を聞いてみたいという想いがありまして、すごく楽しみにしていました」と興奮気味に語り、川口監督が「OVAは感想が聞けないので、上映イベントをやりたいなと音響作業の現場で話して」と急遽今回の企画が決まった背景が届けられ、ゲストの声優陣もビックリ。
このためだけに「5.1ch再編」腕なる音響スタッフ陣の気持ち
東山さんが「大人の本気の悪ふざけ」と表現する今回のOVA、川口監督も「曲もきただに(ひろし)さんが作ってくれたので、どういうつもりでやってくれたのかなって(笑)」とOVAに登場する歌手のきただにひろしさんに言及し、場内から大きな笑いが起こった。
なお、本上映会ではこのためだけ「5.1chサラウンド」での音声制作が行われるというこだわりがみられ、これは昨年12月に実施したイベントに参加した音響監督の山口さんが「5.1chで作るわ!」と漢気発言をしてくれたことがきっかけであることも明かし、川口監督は「ノーギャラだとまずいので焼き肉をおごり(笑)」と語った。そんな同イベントに参加したという山田さんは「最前列との距離が近くて。飲み会の様子を皆さんが見てくださるようなアットホームな雰囲気で」と感想を述べ、内容の濃い『英雄教室』のイベントを振り返った。
キャスト、スタッフ双方のOVAへの思い
続いて上映されたばかりのOVAについては「昔の卒業アルバムを見ているような気持ちで、ブレイドたち良かったねと思いました」と川島さんが切り込むと、東山さんは「本編のアフレコは分散収録なことが多かったんですけど、ほぼ全員が集合して録った第1回目があのテルマエの回で!これが初回でいいのという気持ちもあって(笑)」と本心を暴露。
川口監督は「良い意味で何もないテキトーな80年代アニメっぽいもの」とOVAの狙いを明かし、「あの感じをアクタスならできる。あれでも結構止められています(笑)」と語り、キャストとファンを驚かせた。アクタスがある三鷹を舞台にしたとある有名な美術館が出てくる回では、「モザイクが綺麗にかかりすぎていて、もっと雑な感じにしてほしい」とこだわりを川口監督が詳細に語るも、登壇者全員が言葉選びに迷う変な空気が流れたり…
そして、今回が『英雄教室』で最後のイベントということで、一番の思い出を聞かれた木野さんは「アニメ化を発表したのがAnimeJapan 2023だったので、ステージに上がる前に4人で鼓舞し合ったり、出て行く時にポーズを決めたり、思い出深いですね」と振り返る。山田さんは「川島さんにカレーを食べてもらう企画(※Blu-ray第2巻特典収録)で、内田(修一)さんの行動が面白くて、収録も長時間に及んで」と楽しそうに語った。
大きく盛り上がったイベントもそろそろ終わりの時。最後は、トモダチ(ファン)へメッセージを一人ずつ届けられた。
川口監督「自由にやらせて頂いて、まだこういうアニメを作れる土壌があることをお見せできたかなと。アクタス以外では作れないので、これからもアクタスをよろしくお願いします」
木野「私は第3話から参加しましたが、皆が家族のように温かく迎えてくださいました。これから何度も作品を楽しんで頂ければと思います」
東山「私は女子高だったので、共学ってこんな感じだったのかなと。みんなギャグにも真剣で、爪痕を残してやろうと全員で高め合っていて。ソフィは遊びしろがないように見えますけど、結構いろいろ試しました。止めてくださいと言われましたけど(笑)。原作も含め、繰り返し楽しんで頂けたら嬉しいです」
山田「上映イベントは初めてで、一緒にクスクス笑いながら観ました。OVAの最後の皆のメッセージは、キャラクターを無視していいと言われたのが思い起こされます。原作はまだ続いているので、長く長く愛して頂けたら嬉しいです」
川島「昨年のAnimeJapan 2023から始まり、色々なイベントを経て来て、今は少し寂しいですね。お家でOVAを観る時に今日のことをまた思い出すでしょう。ねぇ、だから皆さんも楽しくやっていきましょう」
そして最後は「皆、トモダチになってくれてありがとな〜!」と川島さんが叫んで、全員が「オ〜ッ!」と返し!拍手喝采のなかイベントは幕を閉じた。
TVアニメ『英雄教室』Blu-ray発売記念 監督&キャストトーク付き 5.1ch OVA全話&本編第10話 特別上映会
開催日時:2月10日(土)20:00~
会場:kino cinéma新宿
登壇者:川口敬一郎(監督)、川島零士(ブレイド役)、山田美鈴(アーネスト役)、東山奈央(ソフィ役)、木野日菜(クーフーリン役)
OVA第3話 場面カット+あらすじ公開
第3巻OVA「ソフィさんちのごくあたりまえの食卓」
ローズウッド学園にあるVR装置を使い、現代ニホンを再現した街を散策していたブレイドら学園生徒御一行。だが、彼らはただ街をブラブラしているわけではなかった。VRの仮象世界から戻って来られなくなったソフィの行方を探すやめにやってきたのだ。ミタカやキチジョウジなど、アニメ関係者がそこら中にいそうな街のあちこちで、ブレイドたちはソフィらしき少女の姿を発見。だが、声をかけてみると少し様子が異なり……。
監督:川口敬一郎/脚本:ハヤシナオキ/絵コンテ・演出:中野英明/総作画監督:川村幸祐
『英雄教室』作品情報
世界を苦しめる強大な魔王と互角の戦いを繰り広げ、 痛み分けによって人類を救った勇者がいた――その名はブレイド。 幼い頃から勇者としての素質を認められ、誰もが憧れる存在であった。 だが、ブレイドは魔王との戦いのあと、 ダメージによってパワーが減退していく中で、こうも思っていたのである。 “ようやくこれで、一般人になれる!”と。 そしてブレイドは、知り合いを頼って「ローズウッド学園」に入学。“フツー”の学生としてトモダチを作り、華やかで楽しいスクールライフを謳歌しようとする。 だが、個性豊かなクラスメイトたちや様々なトラブル、 そして英雄を養成
するエリート学校であるローズウッド学園が“フツー”のはずがなく…!?
シリーズ累計160万部の超人気ライトノベル『英雄教室』が、満を持してTVアニメ化!英雄の座を降りた元勇者ブレイドが、“フツー”を求めて奮闘
するバトルファンタジー!
目指せ、普通。満喫したい、青春。でも、フツーの青春って一体なんだ!?
【原作】新木 伸『英雄教室』(集英社ダッシュエックス文庫刊)
【アニメーション制作】アクタス
©新木伸・森沢晴行/集英社・英雄教室製作委員会