新興国でも人気の「ハイカジゲーム」最大手はDL数が3年連続日本企業トップ 広告市況に左右されない運用が成長のカギ


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ゲーム開発や地域事業を手掛ける面白法人カヤックは15日、2023年12月期の通期決算を投資家向けに公表し、同日公開した各種資料にて「ハイパーカジュアル」ジャンルのゲーム事業に関する業績を報告した。

「ハイパーカジュアルゲーム(以降「ハイカジゲーム」)」とは簡単で直感的なルールや操作性を持ち、短時間で遊べるゲームの総称。通勤や移動中といった空き時間で手短にプレイすることができる点、比較的少ない言語知識でもプレイヤーがゲームの目的を理解できるため、言語障壁を生まない点などが特徴とされており、新興国地域で多くダウンロードされている。

そんなハイカジゲームの国内最大手とされているのがカヤックで、同社が公表した最新の通期決算にて2023年に「年間13本」の新規タイトルをリリースし、当初の年間計画だった年8本を大きく上回ったことが明らかに。結果、当四半期における合計ダウンロード数は9,240万件にのぼり、売上高は業績予測を概ね上回る105.6億円となった。

同社はハイカジゲームの開発体制をリリース直後の「新作」タイトル、売上を牽引する「一軍」タイトル、成長が鈍化している「二軍」タイトルの3つに分類してそれぞれに適応した運用を行っている。事業全体の動向としては「広告市況の影響を受けやすいビジネスモデルであるため、一昨年から昨年前半にあったような広告市況の悪化を注視しながら、事業推進したい」との考えを示していた。

同社のハイカジゲームを巡っては、モバイルデータ分析会社のdata.aiが集計した、2023年の世界アプリダウンロード数において累計9億回を突破したこと、日本企業として3年連続の1位を獲得したことが発表されていた。これについて柳澤大輔CEOは「近年、競合が増え市場が飽和してきたと言われるハイパーカジュアルゲームですが、カヤックは開発からマーケティングまで自社内で一気通貫で完結できることを強みに、着実にヒット作を生み出し続けることができています。」と現況を説明。

続けて「今後はハイブリッドカジュアルゲームへの投資を強化しながら、世界で遊んでいただける面白いゲームをつくり出していきたいと思います。」と今後の方針を述べた。

今後はハイカジゲームに加え、関連市場であるソーシャルゲームと融合した「ハイブリッドカジュアルゲーム」領域への投資も積極的に行う予定も立てており、これについて質疑応答では〈開発コストは(ハイパーカジュアルゲームと比較して)3~4倍くらいかかると想定している一方、広告収益+アプリ内課金という収益モデルとなるためより高い収益性が期待できる〉と見込んている。(※15:42更新…誤記修正)

オタク総研編集部

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