「SPY×FAMILY」など制作のIGポート、半期最終利益は43%増 制作費損失上回る人気IPの版権収入


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アニメーション作品の企画・制作などを手がけるIGポートは12日、2024年5月期の半期決算を公表し、第2四半期(23年6~11月)における連結最終利益が前年同期比43%増の7億4千万円であることがわかった。版権事業が好調なほか、投資事業組合運用益も寄与した。

同社グループは映像制作事業を中心に、出版事業、版権事業などを展開しており、大手アニメーション制作会社「WITスタジオ」などを有する映像制作事業では同半期中にTVアニメ「SPY×FAMILY Season 2」を放送。配信作品は「THE ONE PIECE」「君に届け 3RD SEASON」「ムーンライズ」「ターミネーター」等、劇場用アニメーションは「劇場版 SPY × FAMILY CODE: White」「ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」等を同半期に納品している。

うち一部の作品では制作費が高騰したことで受注損失引当金を計上。セグメント売上高は11.5%減の28億円、1.2億円の影響損失となり、前年同期比で赤字に転じた。一方で、これらの作品の二次利用による印税・収益分配金が版権事業に計上されており、人気作品の「SPY × FAMILY」「進撃の巨人」「ハイキュー!!」などが引き続き好調で、売上高は23%増の10億円、営業利益は197.4%増の5億円と大幅に増収増益となった。

また、出版事業では月刊誌「コミックガーデン」を発行する同社子会社のマッグガーデンを中心に事業展開を行っており、同半期に「魔導具師ダリヤはうつむかない」等の電子書籍の売上が伸長したものの売上高は14.6%減の12億円、営業利益は5.6%減の2.9億円と減収減益に着地した。同事業では同社人気IPだった「魔法使いの嫁」のブシロードワークス譲渡も行われており、ニュース等で注目を集めていた。