Unity、”インストール課金”の新料金制度について陳謝 新たな適用基準を説明 Made with Unity表示義務も撤廃


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ゲーム制作向けIDE(統合開発環境)やゲームエンジンの開発・提供を行うUnity Technologiesは9月中旬に発表した「Unity Runtime Fee」を巡る混乱について釈明し、制度変更の旨を通達した。

「Unity Runtime Fee」とはUnity社が提供するゲームエンジンの利用において、インストール数を基準に料金の支払い行う新たな制度のことを指す。2024年1月1日より1回の端末インストールに対し、0.01USD(≒1.47円)〜0.2USD(≒29.48円)をUnity社へ支払う責務が一部のプランに適用されることになるというもの。

これに対し、世界中のゲームデベロッパーやパブリッシャーからは「インストール数の検知が不明瞭」「予算の把握が難しい」「カジュアルゲーム等のユーザー単価の低いカテゴリが破綻する」などと反発の声が多く見受けられ、”脱Unity”の運動が始まるほどの問題に発展。

これに対し、翌週以降にUnity社は制度についての釈明を実施。日本法人のPR担当は「先の Unity Runtime Fee のアナウンスに関して、皆様に混乱を招いてしまい、深くお詫び申し上げます。」とのコメントに続き、「皆様からいただいたフィードバックに基づき、Unity Runtime Fee のポリシーを変更いたしました。」と制度変更を行うことを発表。

Unity Runtime Feeの適用対象となる条件を「Unity Pro または Unity Enterprise プランで制作されたゲーム」「(2024年以降にリリース予定の)Unity LTS バージョンで制作されたゲーム」「過去12ヶ月間の総売上高と資金調達額が100万米ドル以上かつ、新規ユーザー数が100万人以上のゲーム」に変更となり、大幅な緩和が行われることが明らかに。

加えて、Runtime Feeの支払い上限額については、発生収益の最大2.5%までになるほか、インストール数の報告は自己申告制をとるとしており、開発者の不安を払拭する狙いも見受けられた。

さらに、個人や小規模プロジェクトに対して提供されている無料プラン「Unity Personal」に関しては、インストールに伴うRuntime Feeを請求することは無いとした上で、利用可能な収益上限を20万米ドルに引き上げ、Made with Unityスプラッシュ画面の使用義務を撤廃するなど、こちらも制限が大幅緩和に。

一連の問題を巡り、開発者からの反発は見受けられるもの、大規模開発にも耐えうるIDEを無料プランにも提供するなどUnity社の企業努力に対する評価は一定数存在する。しかしながら、近年のUnityは”売上は伸びるのに赤字は拡大”という厳しい財務状況にあることから、ニューヨーク証券取引所の上場企業である以上、投資家からの収益性確保の要望も大きい。開発者へのエコシステムの貢献とのバランスに苦慮している状況であることがうかがえ、ゲーム業界関係者からは労る声も見られている。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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