【アニメ×高校地理B】「アニメゆるゆり」の背景描写から「富山県の教育水準の高さ」を分析&考察!【オタク小話#13】


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こんにちは。高校の頃地理Bで評定5以外とったことのないオタクです。(地理以外はカス)

そこで「高校地理×アニメ」でいろいろ論理的に考えていこうって話です。今回はゆるゆりを題材にします。

アニメの背景を見てみる

まずはアニメゆるゆりのカットを見ていただきましょう。

アニメゆるゆりとは…

旧・茶道部の部室を不法占拠して勝手に「ごらく部」の活動(といっても特に明確な活動内容はなし)を続ける4人組。それに目をつけ、ちょっかい(?)を出し続ける「生徒会」。愛が溢れまくりで明日から元気に生きていけること請け合いのまったりストーリー。(C)なもり/一迅社・七森中ごらく部

アニメ・ゆるゆり 第5話のカットです。

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続いてアニメ・ゆるゆり さん☆ハイ(第3期)の2話のカットです。

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最後にアニメ・ゆるゆり さん☆ハイ(第3期)の11話のカットです。唯ちゃんの親戚の家のシーンです。

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大きい家が描写してあるカットを切り出してきました。
アニメ2期でもあるんですがいちいちDVD読み込むのが面倒だったので諦めました。

ここから高校地理Bとコラボレーションしていきます。

キーワードは「散村」。

さっきのカット全てに共通することが「家が広い・大規模」なんですねぇ。比較的。

ゆるゆりのモデルとなった場所は富山県高岡市トップYouTuberのはじめしゃちょーの出身地でもあります。

↑追記:はじめさんは砺波市出身らしいです。

そんな高岡市や富山県を含む北陸地方には独特な「散村」が多く点在します。特に富山県の砺波平野の散村は「散居村」と呼ばれています。

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(村の形態として他に屯田兵村・塊村などが有名ですね)

散居村(さんきょそん)は、広大な耕地の中に民家(孤立荘宅)が散らばって点在する集落形態。一般的には散村(さんそん)と呼ばれる。集村と対比して語られることが多く、一般には集村が普遍的で散村は比較的少ないと考えられているが、実際には世界的に広く見られる集落形態である。

日本においては島根県の出雲平野、香川県の讃岐平野、静岡県の大井川扇状地、長崎県の壱岐島、北海道の十勝平野、岩手県の胆沢扇状地、秋田県の横手盆地北部(仙北平野)、富山県の砺波平野や黒部川扇状地などがその典型例である。なかでも日本国内最大とされる砺波平野では現在、およそ220平方キロメートルに7,000戸程度が散在している。

出典:Wikipedia『散村』

とりあえずGoogleマップで見てみてください。散村とはこんなところです。

さっきの説明の通り各民家、一定期間距離をおいて立地しているという特徴がありますよね。次になぜ散村が出来たのか解説します。

北陸地方ならではの「地理」に起因

北陸地方には

以下の画像は冬の北西季節風による北陸地方と関東地方の気候の関係を明示しています。

モノタロウさんから引用

夏の場合は↑の画像と逆の関係になります。夏には小笠原気団の活発に伴い南東の季節風が太平洋で雨を降らせる湿った風・日本海側では乾燥した風がそれぞれ吹きます。

そんなこともあり日照時間も全国的に長めでコメがよく育つ有数の米の生産地であります。

ですが乾燥傾向+大規模農場が故にとても火災の危険が高まります。

ですので少しでも火災の蔓延による家屋の消失を抑えるため等間隔に区切って距離を起き家屋の密集を避けたり、屋敷を杉で取り囲んだりしたりといった特徴があります。

各種統計データを分析。

それでは数値的な観点から北陸地方の家が広いっていうことを確認しましょう。

富山県の土地統計調査結果の資料を引用してみました。PDFファイルは自分で検索してください。リンクどっかいった。

富山県の1住宅地あたりの延床面積・畳数は2年連続1位!

単純に田舎という理由だけではなく散村の名残があり多くの家がそれぞれ大きくなってしまったというわけですね~

多世代住宅が多い!

平成29年の富山県の統計を見ていきましょう。

こちらが世帯区分の内訳です。ここで赤い帯の部分に注目してください。

富山県は三世代世帯住宅の割合が全国1位という結果が出ています。三世代住宅とは子供・親・祖父祖母のように3世代の人間が一緒に住む世帯のことです。

先程の散村の名残も多世代住宅が多い理由にの一つであると言われています。分散して居住することにより同じ家族は固まって生活する家が多くなり、結果として2世帯住宅や多世代住宅へと移り変わっていったのではないでしょうか。

多世代住宅が生む教育水準の高さ

では最後に富山県の教育水準の高さを統計から見てみましょう。

富山県は小学生の全国学力学習状況で第4位と非常に高い順位です。

順位 都道府県名 正答率
1 秋田県 69.33%
1 石川県 69.33%
3 福井県 68.92%
4 富山県 67.25%
5 東京都 66.25%

出典:https://education-career.jp/magazine/data-report/2019/ranking-achievement-test-2018/

しかもラインナップを見てみてください。上位4位はすべて日本海側の東北・北陸地方ですよね。

これは先ほど説明した多世代住宅の多さにあるのではないかと考えられています。

3世代住宅だとすると、たとえもし共働きだとしてもこどもが家に帰ると常におじいちゃん・おばあちゃんが家にいるという環境が出来ます。

そうすると自然と赤ちゃんの頃から常に親族に見守られているためいろいろ覚えてしまうんです。そして小学生になっても祖父母がいる家庭になるとそれなりの学習監督がいることになり、少なくとも宿題を必ずやれるといったある一定の教育水準が担保できることになります。

ですが最近もいろいろライフスタイルの変遷に伴ってそういった関係性も薄れてきているのも統計を見たら明らかですし時代に応じて柔軟に対応してくべきですね!

まとめ:ゆるゆりはちゃんとした教育番組です

こんなふうに自分の好きなコンテンツから関係性などを導いて学習へとコミットさせていくととても楽しく理解ができると思います。

統計と考察をうまく用いてみていろいろ考えてみてください。

というわけでゆるゆりは教育番組です、、、と。しっかり覚えておくように。

ここらへんで終わります。結構真面目に書いちゃいました。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。