「ホロライブ」運営のカバー、年間予想営業利益を1.6倍の34億円に大幅上方修正。「hololive SUPER EXPO2023」の配信や物販の好調が功を奏す
大手VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバー株式会社は27日、投資家関係者向けに「通期業績予想の修正に関するお知らせ」という文書を公表し、同社の2023年3月期通期業績予想の修正を通達した。
同文書によると、2023年3月期における売上高を204億円(前回予想+23.5億円)、営業利益を34億円(前回予想+14.31億円)、最終利益を25億円(前回予想+10.73億円)とし、いずれの数値も上方修正することとなった。
特に営業利益については前回予測の1.6倍以上を上回る大幅な修正がおこなわれ、今回の上方修正ついては同社が3月末に実施した大規模イベント「hololive SUPER EXPO2023Supported By Bushiroad」「hololive4th fes. Our Bright Parade Supported By Bushiroad」における配信チケット販売やライセンス商品の販売等が事前の需要予測を大きく超えて好調であったことが起因しているという。(配信チケットについては売上の増加に伴う追加費用が軽微なものであったことから)
〈会見&質疑〉「ホロライブ」運営会社のカバー上場―熱量あるファンコミュニティによる競争優位性をアピール
同社は「ホロライブ」や「ホロスターズ」「ホロライブEN」といった複数のVTuberプロダクションを運営。所属するタレントは配信活動にとどまらずライブ配信やグッズ販売、音楽活動など活動の幅を広げており、ライセンシング事業やコマース事業を中心にVTuberブームの拡大に伴い業績は好調に推移している。大規模ライブイベントを開催した3月末、当社は東京証券取引所グローブ市場への上場を果たしている。
同社の財務担当者は前述の上場時に行われた記者会見にて「VTuberファン数の国内外の急拡大により集客数が増加したことに伴い、2022年はコマース事業の展開に注力した。一時期に落ち込みがあるものの、直近では利益率が回復しており、コマース展開の拡大が成長性・収益性ともに牽引している。」と述べており、5月中旬に発表予定の通期決算への期待が寄せられる。