高校情報科目の教材に「メタバースの定義」が取り上げられる。”メタバース先住民”が提案する「7つの要素」とは
2023年4月より利用がはじまった高校「情報」科目の副教材『情報 最新トピック集2023 高校版(日本文教出版)』にて、近年話題を呼んでいる仮想世界「メタバース」に関する記述が取り上げられている。
同教材ではVTuber(バーチャルYouTuber)/作家としてマルチに活動の幅を広げている「バーチャル美少女ねむ」さんの著書『メタバース進化論(技術評論社)』から、「メタバースの定義」を全文にて掲載。「メタバース先住民」として知名度のある同氏が考察した「メタバース」を構成する以下の7つの要素が紹介されている。
- 空間性:三次元の空間の広がりのある世界
- 自己同一性:自分のアイデンティティを投影した唯一無二の自由なアバターの姿で存在できる世界
- 大規模同時接続性:大量のユーザーがリアルタイムに同じ場所に集まることのできる世界
- 創造性:プラットフォームによりコンテンツが提供されるだけでなく、ユーザー自身が自由にコンテンツを持ち込んだり創造できる世界
- 経済性:ユーザー同士でコンテンツやサービスやお金を交換でき、現実と同じように経済活動をして暮らしていける世界
- アクセス性:スマートフォンやPCやAR/VRなど、目的に応じて最適なアクセス手段を選ぶ事ができ、物理現実と仮想現実が垣根なく繋がる世界
- 没入性:アクセス手段の一つとしてAR/VRなどの没入手段が用意されており、まるで実際にその世界にいるかのような没入感のある充実した体験ができる世界
上記は、「バーチャル美少女ねむ」氏による提案であり、未だ明確な結論が見出だせていない「メタバース」の定義がどのように定まっていくのか注目したい。
なお、同氏は同じく高校「情報」科目のDVD映像教材『デジタル・シティズンシップ ~情報モラルのその先へ~(実教出版)』にもアバターの姿で出演しており、メタバースでの生活風景を紹介しており、VTuberやメタバースが学校の授業で取り扱われる新たな時代の到来を感じさせる出来事となっている。
バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論』は、第一章「メタバースとは何か」を無償で公開中 バーチャル美少女ねむ著『メタバース進化論(技術評論社)』の第一章「メタバースとは何か」では、メタバースとは何なのか? その革新性とは一体どこにあるのか? VR学会における歴史的な定義の再考察やSFにおける文脈・最新の技術トレンドなど、様々な観点から「メタバースの定義」について多角的に論じており、この章は各種ウェブメディアにて無償で読むことができる。
リアルサウンド:メタバースとは何か? SF文脈とバーチャルリアリティ学から読み解く「メタバースの定義」 https://realsound.jp/tech/2022/04/post-1018905.html
ダイヤモンド・オンライン:バーチャル美少女ねむ氏が予言「メタバースが経済を大拡張する」納得の理由 https://diamond.jp/articles/-/319985