今期屈指の秀作『お兄ちゃんはおしまい!』は海外で人気も厳しい検閲…日本限定の無修正版に羨む声

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間もなく2023年冬クールのアニメ作品が続々と最終回ラッシュを迎える中、今期アニメファンを虜にした話題作『お兄ちゃんはおしまい!』関する情報を紹介する。

本作は「引きこもりのダメニートの主人公・緒山まひろが、飛び級で大学に入学した妹・緒山みはりに薬を盛られ女の子になってしまう」というストーリーから始まる、いわゆるTSアニメに分類される作品。

日本では2023年1月より放送を開始しており、現在Twitterのフォロワー数は10万人に迫り、「TS×百合」というニッチなジャンルにも関わらず高い作画クオリティとコメディストーリーで毎話トレンドに挙がるほど人気を博している。

その人気は日本にとどまらず、欧州圏において特にドイツを中心に「ONIMAI: Ab sofort Schwester!」というタイトルのもと話題になっており、Kindleランキングにおいて原作マンガが一時独占する事態にまで発展していたという。また、中華圏においても同じく話題になっており、ビリビリ動画の漫画ランキングで1位を維持し続けていた。

しかし『お兄ちゃんはおしまい!』のアニメが日本国内で放送された直後、放送開始前からファンの間で噂させれてた通り、海外向けはすべて過激表現に検閲が加わった「修正版」であることが台湾やドイツのアニメVODサービスが発表。後日配信された第一話から早速女の子になった主人公”まひろ”の描写に規制がかけられた。

この検閲を巡っては海外のアニメファンの間で「厳しすぎないか」と度々議論になっており、2月末にはRedditのコミュニティで修正版と無修正版を比較するショート動画が投稿されていた。動画は第6話「まひろと二度目の中学生」の女子更衣室で”まひろ”のクラスメート達が着替えるワンシーンが比較されており、友達の”室崎みよ”の着替えシーンが修正版では非表示に。なぜ非表示なのかは是非作品を見ていただければ「あ…なるほど…」とわかるだろう。

日本では特に規制の入っていない「無修正版」がABEMAといったストリーミングサービスでも見ることができるが、ABEMA等は海外からは閲覧できないようになっており、同じく中華圏のアニメファンからは「VPNを使って日本のIPに接続してでも見たい」と無修正版を切望する声が見られた。

有料会員でも視聴不可能@台湾

海外における日本アニメの表現規制については、海外輸出版では暴力的な表現や性的な表現に関する規制が非常に強いことがあるが一般的で、アダルトや暴力表現規制が世界基準機比べ緩い日本作品について「犯罪を助長する」といった意見も依然として多い。加えてカテゴリによっては各国ごとの価値観や文化、信仰、風習などに大きく関わるため一概に表現規制への批判は避けるべきとの声もあるが、「日本のオリジナルが見たい」というファンも一定数いるようだ。

ちなみに、ドイツや中国で反響を呼んでいる本作だが、実はインドネシアではアニメ化以前から圧倒的な人気を誇っているようだ。原作者のねことうふさんは2019年に自身の作品のLINEスタンプの受信回数において、インドネシアが58万回と、2位の台湾、3位の日本を圧倒する人気を誇っていたとツイートしており、世界的な人気になっていることがわかる。

©ねことうふ・一迅社/「おにまい」製作委員会