〈検証〉物理ファン搭載の最高峰ゲーミングスマホの実力は如何に ベンチマーク&温度測定(REDMAGIC 8 Pro)


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ゲーミングスマホ「REDMAGIC 8 Pro」シリーズが2月15日に日本上陸を果たした。そこで今回は”性能”にスポットを当てて”ゲーミング全振り変態スマホ”の魅力を紹介する。【レビュー1/n】

REDMAGICシリーズは、ZTE傘下のスマホブランドNubiaが手掛けるゲームに特化したスマートフォンで、ゲーマー向けの最新技術をふんだんに盛り込まれている。高画質・高フレームレートのゲームプレイを快適に行う工夫がいくつも施されており、安定して最高性能を引き出せるように「冷却ファン」を搭載する徹底ぶりでコアファンから親しまれている。

そんなREDMAGICシリーズからこの度最新モデルの「REDMAGIC 8 Pro」が発売された。今回は背面外観がことなる2モデルが投入され、「Matt」「Void」が日本国内で購入可能となっている。今回は前者の「Matt」モデルを用いてベンチマーク測定や温度測定、ゲームプレイを行なってみた。


※MattはRAM12GBとVoidと比べ4GBほど容量が小さいため性能は一律ではない可能性があります

 

これぞ最強。脅威のAntutuスコア130万

まずは3Dゲームプレイを快適に行えるかを測定するために、お馴染み「Antutu Benchmark」を実施。結果から言うと、全3回の検証のうち、すべてのスコアが125万点を超え、130万に到達することもある驚異の性能を垣間見えた。(Xiaomi 13と同等の性能)

REDMAGIC 8 Proはクアルコム社高性能端末向けSoCであるSnapdragon 8シリーズの最新チップ「Snapdragon 8 Gen 2」を採用しており、前モデルに搭載されていた「Snapdragon 8 Gen1」と比べ中間/パフォーマンスのコアが一つ増えたことにより性能向上が見込まれるという。

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実際、編集部内で実施したベンチマークでもその性能向上は顕著に現れており、海外コミュニティが提示した予測値1,280,000点を概ね上回る「1,293,876点」と安定的な動作が確認できた。これはスマートフォンの中でもトップクラスの性能を持つことを意味しており、最新の3Dゲームなどを快適にプレイできることは間違いない。

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温度測定!物理ファンの実力

スマートフォン向けSoCは毎年のように性能向上を果たしている一方で「排熱問題」もより一層懸念されるように。特にSnapdragon 8シリーズのは熱は顕著で、SNSでは寒い冬にちょうどいい「カイロ」と揶揄されることも。クアルコムによると電力効率は前モデルと比較して40%向上しているとアピールしているものの、排熱機構が不十分だと最高性能を引き出すのは難しい。

そんな現状に対してNubiaは「じゃあ物理ファンで冷やせばええやん」というコンセプトで作られたのがこのREDMAGICシリーズ。(最初に断っておくがREDMAGIC 8のファンは外付けではなく内部に20000RMPの高速冷却ファンが組み込まれている)

さきほどのベンチマーク中にAntutuが計測していたCPUの温度グラフを見てみると、物理ファンが稼働している状態で最大表面温度は34°Cであったことから、やはり物理ファンの効果は絶大であることが分かる。なお、ファンは「急速冷却」モードと温度によって自動調整するモードが存在し、ユーザーがマニュアルで調整することができるようになっている。そのため、ファンの音が気になる場合や普段の使用ではファンを停止させるか、低速モードにすることをおすすめしたい。

一応ではあるが、温度検証としているのでチップ内部の温度だけでなく実際のスマホ表面の温度も放射温度計で計測したところ、こちらも最大温度は33℃近辺と40℃を下回るほどだった。

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比較対象として昨年発売されたコスパに優れたゲーミングスマートフォン「POCO F4 GT(12GBモデル)」では47℃〜50℃に達することもあったため、やはり物理ファンの威力を感じさせた結果となった。なおCPU処理性能についてGeekbenchも行ったところ、以下画像の通りシングルコアが1103、マルチコアが5589という結果になった。

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”原神快適プレイ”は当たり前。ながらプレイやHDMI出力も

REDMAGIC 8 Proはこれまで紹介した高性能と冷却性能をご覧いただけたら分かる通り、2020年にリリースされた”激重ゲー”として名高い最新作のオープンワールドアクションRPG「原神」の快適プレイは言うまでもない。すべて最高のグラフィック設定でも全くカクつくことなく動作する。



ちなみにREDMAGICシリーズスマートフォンはAndroidベースの独自OS「REDMAGIC OS」を搭載しており、”ゲーム全振り”を体現する様々なユニークな機能を垣間見ることができる。勿論ゲームモードも搭載されており、本体右側面のトリガをONにするとゲーム専用モードに切り替わり、パフォーマンス最適化も行ってくれる。

ちなみに背面光ります

原神をプレイしている間の温度についても、約10分間モンドの周りを歩いて(アカウントが消えたので)チュートリアルを進めた後に測定すると、画面表面の温度は概ね35°C前後で推移していることがわかった。冷却ファンが大いに貢献していることがわかる。

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そして、その”安定して最高性能を出す”ポテンシャルは各種計測中によく伝わってきたのがバックグラウンド機能。REDMAGIC 8 Proでは例えば「ゲームをバックグラウンドで動かしながら、別のゲームをフォアグラウンドで動かす」といった機能が利用可能となっており「Twitterしながら原神」ではなく「原神しながらTwitter」という意味不明な使い方も出来た。さらにはHDMIやUSB-Cを用いることで外部出力も可能。

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基本的にスマホはファンレスという制約がある以上、ゲーミング性能を売りにするモデルの多くは冷却性能の確保のためアルミ等の熱伝導性の高い素材を筐体に用いる傾向にある。そのため、とにかくプレイして「熱い」ことが気になっていた。本製品は「別に超高性能は追求しない」と考える方でも「熱い」のが嫌なという方には非常におすすめであると感じた。

>購入&詳細はこちら:REDMAGIC 8 Pro公式サイト

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。