【現地レポ】「台北国際アニメフェスティバル2023」に45万人のアニメ&マンガファンが集結!


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1月27日から1月31日の5日間、台湾・台北市の南港展覧館にて「台北国際アニメーションフェスティバル2023(台北國際動漫節・TiCA)」が開催されていた。本記事では会場の模様を現地取材でお届けする。

毎日10万人以上が参加!日本企業多数

TiCAとは毎年1月〜2月に台湾にて開催される、日本や海外のアニメ・マンガ・ラノベ作品が一堂に会する国際イベント。会場ではKADOKWAやブシロードといった日本でもお馴染みの企業を中心に、520もの限定グッズや展示スペースを展開するブースが用意された。

日本のAnimeJapanやコミケのようなイベントに比べ会場のキャパシティは小さいものの、開催期間中の台湾は旧正月休みの人もいることから、台北だけでなく台中・台南といった台湾全体から多くのアニメ・マンガファンが足を運ぶという。第11回目となる2023年は5日間の会期でなんと45万5千人が来場。

現地のイベント担当者に話を伺ってみると、「今日(最終日)は撤収も始まっているので1/3ほどの来場者数だった」といい、公式データによると初日と土日は各日約10万人が参加したという。さらに「1日待っても入ることができない人も見られた」との話も聞きつけ、日本のイベンにも負けない一大イベントとなっているそうだ。

この日は撤収も始まり、土日の半分以下の来場だった

多くのブースでは主に物販がメインで展開されており、「台湾角川(KADOKAWA)」などでは繁体中国語圏向けにローカライズされた翻訳版のマンガ・ラノベ本が特別価格で販売されていた。

 

 

日本の企業だけでなく、「青文出版社」や「尖端出版」といった台北に本拠地を置く、日本のマンガや雑誌の翻訳も手掛ける企業も出展しており、現在放送中のTVアニメの告知や割引価格での書籍の販売が行われた。本の価格はコミック単行本1冊200NT$(≒860円)ほどだった。

フィギュアを主とするホビー業界からも「グッドスマイルカンパニー」といったお馴染みの日本企業から「楽玩多」などのあまり日本では聞き慣れない企業まで20社ほど出展しており、最新フィギュアの展示・お得な福袋セットの販売を行っていた。

TCG対戦ブースやVTuber企業も

バーチャルYouTuber業界からは「hololive(ホロライブ)」が出展。同ブースではパネルと撮影できたり、関連商品の展示、1,000NT$購入ごとにお祝いメッセージカードが貰えるキャンペーンや、アバターを使ってファンと交流するVTuberならではの取り組みが見られた。さらに日本の自治体も複数出展しており、茨城県は公認VTuberのパネルや展示で認知向上を図っていた。

取材時にはアニメグッズの越境販売を行う「メディアリンク」のブースが非常に好評で、『呪術廻戦』などのグッズを求めて会場の隅まで長い待機列が形成された。

劇場版『ポケモン』や昨年放送された『SPY×FAMILY』などを手掛けたアニメ制作スタジオ「WIT STUDIO」の出展ブースも賑わっており、『SPY×FAMILY』の大型パネルや複製原画の展示が行われていた。ほかにも「KONAMI」から遊戯王デュエルモンスターズが出店するなどTCGブースも複数見受けられ、「ブシロード」ブースでは対戦エリアも設けられていた。

出展していた企業はこれまで紹介したコンテンツメーカーだけでなく電子機器メーカーも出展しており、ペンタブレットでおなじみの「Wacom」では自社のブース内にてタッチ&トライイベントを実施していた。会場隅にはガシャポンコーナーも。

大人気コスプレイヤーからアニメ制作陣も多数登壇

また、昨年10月に新型コロナウイルスによる台湾入境の規制が事実上撤廃され、現在陰性証明書やワクチン接種証明なしでの渡航が可能になっていることもあり、多くの日本のアーティストが現地へ出向いていた。ホロライブブースの初日は、日本を代表するコスプレイヤーとして伊織もえさんと宮本彩希さんが登場し、「シルバー ノエル」と「ときのそら」の衣装を身に纏いファンの撮影に応じていたほか、現地メディアでも報じられた。

会場横には2つのステージも用意されており、初日には大人気アニメ『SPY×FAMILY』から制作陣が登壇したほか、3日目は昨年空前の大ヒットを記録したアニメ『リコリス・リコイル』から声優の安住知佳さんと若山詩音さんが出演した。また、各ブースにて50名を超える漫画家や作家によるサイン会も随時実施されていた。

取材班が訪れた最終日午後のBステージでは『ウマ娘』の「うまぴょい伝説」や巡音ルカの「ルカルカ☆ナイトフィーバー」を歌ったり、バンド演奏したりとバリエーションに富んだパフォーマンスが繰り広げられていた。ステージや会場のようすは別途動画で撮影したので、後日公開します。【オタク総研Twitter】

ステージ横の寄せ書きコーナー

以上、「台北國際動漫節」の様子を現地レポートでお届けした。本イベントは終わったばかりだが、早速4月1日からは台中市にて「台中國際動漫節」が開催されるほか、本年後半にも高雄市でも同様のイベントが開かれる予定。さらに、アニメ関連ではないものの日本繋がりでは「台北ゲームショウ2023」が2月6日まで開催中だ。

 

  • 会場:台北市南港區經貿二路1號 (MRT板南線南港展覧館駅)
  • 2023年1月27日(金)~2023年1月31日(火) 10時ー18時
  • チケット:120NT$(≒520円)
  • 来場者数速報:1日目95,000人・2日目130,000人・3日目115,000人・4日目65,000人・5日目50,000人(公式情報)

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。