Switchソフトにも塗布される“超苦い”アレをボタン電池に応用 パナソニック、誤飲防止の新製品


Switchソフトにも塗布される“超苦い”アレをボタン電池に応用 パナソニック、誤飲防止の新製品

パナソニック エナジーは29日、乳幼児の誤飲事故リスク低減を目的として、電池本体の負極面に苦み成分である「安息香酸デナトニウム」を塗布したコイン形リチウム電池を開発したと発表した。

国内メーカーとして初めて電池本体に苦み成分を塗布する取り組みで、CR2032E、CR2025E、CR2016Eの3品種4品番を10月10日から発売する。メーカー希望小売価格は1個363円、2個入り726円。

製品に塗布される「安息香酸デナトニウム」はギネス世界記録に「最も苦い物質」として登録されたこともあるほどの強力な苦みを持っている素材。有名な活用事例としては、ゲーム機「Nintendo Switch」のゲームカードの読み取り部分が挙げられ、発売当時は「超苦い」としてあえて舐めてみるユーザーも現れていた。

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開発背景として、スマートデバイスの需要拡大や機器の小型化により家庭内でのコイン形リチウム電池使用頻度が増加していることを挙げた。東京消防庁によると、同庁管内で2020年から2024年までの5年間に5歳以下の子ども5285人が窒息や誤飲などで医療機関に救急搬送され、そのうち約200件は電池が関連していたという。

コイン形リチウム電池やボタン電池の誤飲は体内で化学反応を起こし、食道などの内臓に深刻な損傷を与える可能性があり、命に関わる重大な事故につながるおそれがあるという。

製品開発にあたり、同社は乳幼児を対象とした検証を通じて、誤飲を抑制するために効果的とされる苦み成分の適切な塗布量を確認した上で製品設計を行ったという。

松下記念病院小児科医の磯田賢一氏は「コイン形リチウム電池は身近な製品ですが、小さなお子さんの誤飲による事故が後を絶ちません。わずかな時間で深刻な損傷につながるケースもあり、苦み成分を塗布した新しい電池は事故を防ぐ手段として期待されます。このような製品開発は、誤飲の危険性を広く伝え、家庭での予防意識を高める一歩になるでしょう」とコメントしている。

著者 経済/社会担当
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