モバイルバッテリーの事故多発、エレコムの「ナトリウムイオン」製品に注目集まる 高い安全性、充電回数は通常の10倍

近年国外の航空機で頻発し、先日山手線車内でも発生したモバイルバッテリー製品の発火事故。リコール製品が影響している場合が多く、全体の安全性への懸念が高まるなか、エレコム株式会社が今年発売した世界初となる「ナトリウムイオンモバイルバッテリー」に注目が集まっている。
2025年3月より販売を開始したこの新製品は、現在モバイルバッテリーで主流のリチウムイオン電池に代わり、次世代電池として注目されるナトリウムイオン電池を採用したことが最大の特長となっている。直販やAmazonで販売されており、価格は約7,000円。
エレコム モバイルバッテリー 9000mAh 45W 【世界初】ナトリウムイオン電池 USB PD対応 2ポート Type-C USB...
同社によると、ナトリウムイオン電池は電池セルが損傷した際の発熱があっても熱暴走が発生しにくく、発火の危険性が低いとされており、これにより「より安全にお使いいただけます」としている。
性能面では、マイナス35度の極寒から50度の猛暑まで、幅広い温度環境下での使用に対応。すでに40度にも達した地域のある日本の夏シーズンでも比較的高い安全性があるという。
さらに、長期間の使用にも長けているといい、一般的なリチウムイオン電池の約10倍にあたる約5000回の充電サイクルをサポートしている。
一方で、まだ商用化の事例が少ないことからデメリットも存在する。バッテリー容量は9,000mAhであるものの、重量は約350グラムであり、寸法もリチウムイオンバッテリーに比べて大きい(幅約87mm×奥行約31mm×高さ約106mm)。そのため、「軽量性(容量あたり重量)」や「携帯性」には改善の余地がある。
エレコム モバイルバッテリー 9000mAh 45W 【世界初】ナトリウムイオン電池 USB PD対応 2ポート Type-C USB...
処分方法については「一度弊社にご相談いただく形となります」とのこと。同社は同じく安全性の高いバッテリー製品としてより大容量の「リン酸鉄リチウムイオンモバイルバッテリー」も展開している。