講談社、ロシア企業の著作権侵害訴訟で勝訴 『進撃の巨人』など無許諾使用で約690万円の賠償命令

講談社は9日、ロシア国内で提起していた著作権侵害訴訟について、6月24日に判決が確定し訴訟が終結したと発表した。現地の州裁判所が講談社の請求を概ね認容し、被告のロシア企業IQ Art Management LLCに対して375万ルーブル(約690万円)の賠償金支払いを命じた。
訴訟の発端は2023年7月上旬、IQ社が講談社の許諾を得ることなく『進撃の巨人』など18作品を展示物として使用した有償イベントをサンクトペテルブルクで開催していることが判明したことにある。イベントは2023年4月から10月にかけて実施されていた。
講談社は「この事態を重く受け止め」2024年7月4日にIQ社を相手取って著作権侵害を理由とする訴訟を同裁判所に提起。裁判所は請求対象のうち15作品について著作権侵害を認定した。
判決では賠償金375万ルーブルに加えて訴訟手数料2万6000ルーブルの支払いも命じられた。双方とも控訴期限までに控訴しなかったため、6月24日に判決が確定した。
講談社は今回の判決について「意図的に著作権を侵害し、無許諾イベントによって収益を得る行為が許されるものではないことを明確に示すものであり、国際的な著作権保護の観点からも極めて意義深いものと受け止めております」とコメント。また、今後も「著作権侵害による被害の拡大と蔓延を防ぎ、著作者の権利と読者の皆様の利益を守るため、国内外を問わず、無許諾イベントをはじめとしたあらゆる態様の侵害行為に対して厳正に対処してまいります」と表明している。