春アニメの海賊版グッズ、放送1カ月で既に2200万円分も確認 10個に一個は非正規品

カスタマーサクセス支援などを展開するアディッシュは27日、2025年春アニメ5作品を対象とした「海賊版相応商品の出品傾向パトロール調査」の結果を発表。放送1〜2カ月までに確認された海賊版商品の総販売価格は2220万円に及んだことが明らかになった。
この調査では、2025年4月から6月期に放映されたテレビアニメのうち、各種ランキングで放送前の期待度の高い5作品を基準で選定。3つの海外発ECサイトを巡回し、作品の公式画像などを無断利用しているとみられる商品を「海賊版相応商品」として調査対象とした。
調査ではアニメ関連の総確認件数9148件のうち、海賊版相応商品は841件確認され、全体の9.2%に相当した。サイト別では「サイトX」で569件と最多となった。具体的なサービス名は未開示となっているが、補足的に「日本での利用が多い海外発ECモール」とのことで、規模を鑑みるとAmazon.co.jp相当とみられる。
次いで「サイトY」では256件と上記に比べて件数は少ないものの、確認件数に対する海賊版相応商品の割合は13.0%に達し、サイトXの8.1%を上回った。サイトXは正規品の二次流通や正規販売店による出品が多数を占めた一方、サイトYは正規品数が少なかった。
このサイトYは「近年日本人の利用が増えている海外発ECモール」と紹介されており、TemuやSHEIN、Qoo10などに類される海外系サービスと推定される。
作品別の分析では、こちらも具体的は避けられているが、各作品ともに100件から200件台だった。作品によって大きな差が見られ、特に「作品B」「作品C」「作品E」は過去に放映したアニメの続編であることからより多い傾向にあったという。(放送クールを鑑みると『薬屋のひとりごと』『炎炎ノ消防隊』などが該当する)
作品別の販売総額で最も高かったのが作品Eの962万円だった一方、作品Aや作品Dでは一部サイトで該当商品が0件となるケースもあった。
これについて、調査元は「アニメ放映開始から海外の海賊版商品製造業者に注目されるまでには一定のタイムラグがあり、4月放映開始の5月時点ではまだ海外業者に充分に認知されていない、もしくは認知されていたとしても流通にまで至っていないのではないかと予想される」と分析。数か月後に同様の調査を実施した場合、作品A、作品Dでも海賊版相応商品が多数確認される可能性があるとしている。
同社では、日々多数出品される中で新着商品全てを巡回した場合、実際の総額は更に高くなると想定している。