ガンダム新作が「バラエティと合体」放送枠に波紋 背景にCM料金が影響との指摘…局の都合か


ガンダム新作が「バラエティと合体」放送枠に波紋 背景にCM料金が影響との指摘…局の都合か

4月8日(火)深夜より放送が始まった「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」。火曜日24時29分からと遅い時間にも関わらず、初回はXトレンドを独占するほどの注目を集めた本作だが、放送前には日本テレビ系での放送枠が「バラエティ番組と合体」する異例の形式として、視聴者やファンの間で波紋を呼んている。

次週のオンエアも変則的な編成に

「ジークアクス」はスタジオカラーとサンライズがタッグを組んだシリーズ最新作として1月17日に劇場先行版が公開されると、興行収入は30億円超、シリーズ歴代2位を記録するなど既に高い注目を集めていた。そんな本作は先行上映前から「日本テレビ系」での放送予定が明かされており、TVシリーズとしては「初の日テレ系」として注目を集めていた。

しかし放送1週間前、初回放送の番組情報が公開されると、4月8日23時59分から「上田と女DEEP【ワンオペ育児】&機動戦士Gundam GQuuuuuuX」との表記になっており、バラエティと合体した構成になっていることが明らかに。この対応は初回のみである可能性もあったが、4月15日オンエアの次回第2話も「上田と女DEEP【自律神経の乱れ】/機動戦士(以下略)」との記載になっており、通常対応と見受けられる。

この変則的な編成にファンや視聴者からは疑問や「意図が見えない」との声が寄せられたほか、「録画する方は気をつけて!」といった注意喚起がSNSで広く共有された。

バラエティ視聴者にとっても不可解な合体、指摘される理由は

ではなぜこのような形になったのか?公式や局からの説明は行われていないため、さまざまな指摘がなされているが「より幅広い視聴者を集める」という点が挙がった。しかし、両番組とも内容はおろかジャンルが異なるため、安直な合体はバラエティ番組の視聴者や初見勢からしても「全く別ジャンルの作品が突然始まる」と首をかしげる状況にもなりうる。

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https://www.ntv.co.jp/program/

一方で、この対応は局側の都合、特に広告料金に関連するとの指摘が一部から挙がっていた。日本テレビ系は23時59分から「プラチナイト」枠にドラマや『月曜から夜ふかし』などのバラエティをオンエアしており、前番組「上田と女DEEP」もその一つ。

この24時ギリギリに始まる背景にはフライングスタートで視聴者を集めやすいことに加え、23時間帯は「特Bタイム」とも呼ばれ、24時(0時)以降の「Bタイム」「Cタイム」よりも高いCM料金が設定されている。この料金体系に基づくと、23時59分までに始まるこの番組枠にやや強引にでも人気作のアニメを入れることで、広告収入を最大化できるという見方がある。

つまり、バラエティ番組の終わりに接続する形で編成することで、23時台の高価格CM枠を確保するという局側の戦略とも考えうる。ただ、この編成は両番組のファン層にとっても中途半端な視聴体験とも捉えられかねず、実際に視聴者ファーストではないとの意見も多い。

なお、現在はシリーズ初期とは異なりテレビ以外にも様々な媒体で視聴できる。特に本作はテレビ放送終了直後、火曜午前1時からAmazonプライムビデオで国内最速配信が行われており、タイムラグは比較的少ない。

そしてテレビ放送は日テレだけでなくBS11にて4月12日から放送される。毎週土曜日19時とより視聴しやすい時間帯(初回のみ21時〜)となっていることに加え、単独枠でもあるので時間が取れない方や録画用途ならこちらのほうが勝手がよさそうだ。

著者 山口 雅史