楽天、ふるさと納税ポイント付与禁止の反対署名295万件を提出 民間原資の否定に「大きく矛盾」と主張

楽天グループは18日、昨年6月の「ふるさと納税へのポイント付与」を禁止する総務省の告示に対する反対署名を石破茂内閣総理大臣に提出したと発表した。書名は特設サイトなどから募っていたもので、その総数は295万2,819件に達した。
この署名活動は、本年10月から適用となる、総務省の「ふるさと納税の寄付に伴いポイント等の付与を行う事業者を通じた募集を禁止する旨の告示」の撤回を求める目的で行われたもの。楽天は、自社が運営する「楽天ふるさと納税」において、ユーザーが自治体への寄付をより身近に感じられるよう、同社の負担で「楽天ポイント」を進呈しており、本告示ではこの楽天ポイントが「ポイント等の付与」の対象となる。
声明中にて楽天は本告示について「地方自治体と民間企業の協力・連携体制を否定し、地方自治体の自立的努力を無力化するもので、地方活性化という政府の方針にも大きく矛盾している」と主張。また、同日の代表・三木谷浩史氏の投稿では「ポイント施策は総理が推進する地方創生に極めて重要な施策であり、多くの国民が継続を望んでいると説明させて頂き、受け止めて頂きました」と言及している。
楽天会員なら“ワンクリック”で書名完了…利用者の共感狙っていた
この活動は告示直後から始まっており、反対する旨を「代表取締役会長兼社長 三木谷浩史」の名義で表明していた。当時の声明文には地域振興や地域の自律的成長を支援するために「地方自治体に負担を求めない=民間原資」でのポイント等のプロモーションなどを通じて、ふるさと納税を推進してきたと、各社ショッピングサイトでの取り組みを説明。
同時に特設サイト上で書名受付も開始。楽天IDに登録する会員であれば、サービスに登録している利用者情報の名義を自動的に使用することで「ワンクリック」で書名が完了するという仕組みを導入し、「楽天カード」「楽天市場」等関連サービスにも依頼文を掲示していた。
ふるさと納税は近年アニメ、ゲーム等コンテンツとコラボした返礼品を用意するなど、コンテンツ産業の関係者にも注目される動きとなっている。同社は今後も、署名を通じて寄せられた声をもとに撤回を求める活動を続けるとともに、制度のさらなる活性化に向けた政府との対話を深めていく考えを示した。