初音ミクが歌う『国葬反対の歌』は政治利用か? 権利元「NG」
ある初音ミクオリジナル曲がコンテンツ利用に関して話題になっている。そのオリジナル曲とは8月中旬に動画共有サイトYouTubeにて投稿された「国葬反対の歌」。これは9月27日に開催される安倍晋三氏の国葬に反対することを広める目的で作られたとみられる曲。
歌詞自体について国葬の反対意志を示すものとして問題ないものの、第三者が権利を保有するキャラクターコンテンツである初音ミクを用いた二次利用のガイドライン違反にあたるのでないかという声が上がっている。
VOCALOIDを中心に展開されているクリプトンフューチャーメディア(以降「CFM」)のキャラクター初音ミクは鏡音リン・レンなどとともに、二次創作プラットフォーム「Piapro(ピアプロ)」の公式キャラ「ピアプロキャラクターズ」の一員として大人気のバーチャルシンガー。
それらのキャラクターの二次利用は権利元であるCFMが定めた二次利用ガイドライン「ピアプロ・キャラクター・ライセンス」を遵守する必要がある。今回の件で該当の動画がその「ガイドラインに反するのではないか」という指摘が今回挙がっていたのだ。
これらの一連の問題に関してボカロ曲投稿者の木立楓(直流電源P)さんが疑問の声を上げていた。の木立楓さんは該当の動画が「個人または法人格のない団体による、非営利であるが趣味または学校教育の範囲を超える規模の利用」というCFMが許諾していない二次利用を行っているのではないかとツイートで主張している。
権利元「NG」
また、木立楓さんはこれらの利用が本当にガイドライン違反なのかをCFMへ確認しており、その方が公開したメールのスクリーンショットが以下だ。
この度は当社キャラクターに関するお問い合わせをお寄せいただき、誠にありがとうございます。お問い合わせの件に関しましてお知らせいただきました作品はキャラクター利用のガイドライン「D.当社が許諾していない利用について」内の規約に外とするため禁止となっております。何卒宜しくお願い致します。
要約すると「利用方法としては適切ではなくガイドラインに違反する」との回答が来たという。この件に関して、動画を投稿した投稿主は「政治利用するなとの記載はない」と自身のコメント欄にて述べているが、公式見解はNGだそうだ。
初音ミクといったバーチャルシンガーの政治利用に関してはおよそ12年前の2010年に「民主党議員が選挙戦のアピールに使おうとした」として一度問題になっており、その際もCFMは政治利用しないでほしいという回答を示していた。
▶クリプトン・フューチャー・メディアが定めるキャラクター利用のガイドライン
CMFは二次創作に対して比較的寛容な姿勢を示しておりn次創作文化の発展に大きく貢献してきた。これらの「二次利用ガイドライン」を守ることは今後のコンテンツの発展にも大きく影響するので注意しておきたい。