PS5、年末商戦で過去最高の販売実績を記録していた ソニーも「予想以上」と手応え…セールや上位機投入が寄与
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ソニーが2月に公開した第3四半期(2024年12月31日)までの9ヶ月間の決算によると、PlayStationブランドが属するゲーム&ネットワークサービス部門が大幅な成長を遂げた。特に年末商戦期でハードウェアも好調に推移し、PS5は四半期ベースで過去最高の販売台数を達成しできることが分かった。
今回発表された第3四半期は10月から12月が対象で米国のブラックフライデー、中国の独身の日、クリスマスなど世界的に年末商戦が相次ぎ小売が伸びるが、ソニーも例外でない。当四半期におけるPS5の出荷台数は950万台を記録し、第1四半期の240万台、第2四半期の380万台を大きく上回った。
そして前年に過去最多販売を記録した820万台の記録も大きく離して更新した。これは年末商戦期において、昨年夏に実施した値上げ前に迫る水準までのセール価格で大々的に販売していたこと、また、昨年11月に発売されたPlayStatio 5 Proの販売も集計に含まれていることが挙げられ、2024年通年では2,020万台を出荷した。
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なお、PS5が発売されてから現在までの累計販売期間と、前世代のPS4の同じ販売期間を比べた際、ベース価格の値上げが行われたにもかかわらず、両者の出荷台数はほぼ同水準であることも明かした。
今回ハードウェアが好調であったことについて、株主より理由を問われたソニーの十時社長は「3Qはシーズナリティ(季節性)もありMAUが伸びる時期ではあるが、このタイミングでコンソールが我々の予想よりもモメンタム(勢い)があった」との認識を示し、「良質なサードパーティタイトルが出た相乗効果」もあったとし、「4Qでは落ちると思いますがオーバーオールでは上がるのが理想的」と言及した。
アクティブユーザー数も過去最多、新規層も取り込み成長
そしてユーザー基盤も着実に拡大しており、月間アクティブユーザー数は1億2900万人に到達。PS4世代と比較して約1.4倍に増加しているほか、内訳ではPS5購入者の4割強が新規ユーザーとなっており、プレイステーション史上最多を記録した。総プレイ時間も前年同期比2%増と、7四半期連続で前年実績を上回っている。
収益面では、ソニーの「ゲーム&ネットワークサービス分野」が第3四半期累計において売上高が前年同期比16%増の1兆6,823億円、営業利益は37%増の1,181億円となり、第3四半期として過去最高益を達成。PlayStation Plusの売上も料金改定の影響によりドルベースでの売上は20%増加している。
第3四半期のゲームソフト販売本数は9,590万本で、うち自社製タイトルが1,160万本を占めた。全体の販売本数は前年同期の8,970万本から増加したものの、自社製タイトルは前年の1,620万本から減少。ソニーは2025年内に「Ghost of Yōtei」と「Death Stranding 2: On the Beach」の発売を控えており、さらなる収益拡大を見込む。
なお、この好調な業績を受け、ソニーは2024年度通期のゲーム&ネットワークサービス分野の業績見通しを上方修正している。