TVを待つのは勿体ない?『ガンダム』ジークアクス、先行上映で興収20億円突破「このまま放送されない」特別感も後押し


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1月17日に公開されたシリーズ最新作の劇場先行上映『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(ジークアクス)が、公開3週間あまりで観客動員138万人、興収22億円を突破するヒットを記録したことが分かっている。2月第2週の週末興行成績でも11万人動員を記録、好調に積み上げている。(※興行通信社調べ)

本作は、昨年秋に明らかにされたTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の劇場先行版として公開。「エヴァンゲリオン」シリーズで知られるスタジオカラーとガンダムの制作元であるサンライズスタジオとの初のシリーズ共同制作作品として注目を集めた。脚本には榎戸洋司氏や庵野秀明氏が参画しているほか、監督は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の鶴巻和哉氏が務める。

今回、同作が劇場版映画ではなく、あくまで先行上映と位置づけられている中で、シリーズの好スタートを切った背景には複数の要因が指摘されている。カラー制作という世間からの注目はもちろん、「Beginning」と題し前日譚のように前半パートを描いたこと、厳格なネタバレ規制から徐々に情報を解禁するプロモーション、さらに第2週目の豪華入場者特典の配布などが、集客を後押しした。

なお、一般的に先行上映作品は、熱狂的なファンがいち早く観ようとする動きが大きい反面、ライト層を中心に「後にテレビで放送されるから」などの理由で鑑賞が敬遠されがち。しかしその点についても本作の場合「先行上映でしか見られない演出がある」として前述のポイントとともに、数を伸ばした要因と指摘されている。

この点についてはスタッフからも明言があり、公開後に行われた舞台挨拶で鶴巻監督は「TVシリーズになるとこのままの形では放送されません。映画でしか見られないつなぎ方、シーンが多くあります」とコメントしており、プレミア感をもたらしている。

それでも既に視聴した観客からはテレビ放送への期待も高まっており、一部では「4月始まりではないか」との予想が挙がっている。今後2月22日からの公開6週目ではラージフォーマット「MX4D・4DX」版の上映も控えており、鑑賞を迷っている方はぜひ足を運んでほしい。

ちなみに、X上では先日、この情報が取り上げられた際、2022年公開の『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』との興収比較が話題に。ファーストガンダムの一部エピソードのリメイクとして最終興収11億円を記録したが、『ジークアクス』はすでにその2倍の興収を達成しており、ファンからは両作品の凄さが注目されていた。

©創通・サンライズ

著者 山本晃平