日本は「ポケポケ」の課金大国――DL数で世界4位ながらも“全体収益の1/3占める”重要市場…成功の背景は
2024年10月にリリースされたスマートフォン向けゲーム『Pokémon TCG Pocket』(ポケポケ)が、世界的に驚異的な成長を遂げている。業界調査会社Sensor Towerの取りまとめによると、リリースから約2ヶ月間で全世界ダウンロード数は3,300万を超え、収益は2億ドル(約310億円)に達するとの試算が明らかになった。
注目されるのがダウンロード数とアプリ収益額(課金額)の市場別シェアで、ダウンロード数ではアメリカが18%でトップシェアを占めるものの、収益面では23%ほど。ダウンロード数はその後ブラジル、フランスと続き、第4位に日本(7%)がありながら、日本はアプリ収益額のトップ(40%)を占める、圧倒的なシェアを誇っているという。
一人あたり収益で圧倒的な数字に…ヒットの背景は
日本市場におけるユーザー課金が大きくアプリを下支えしているようで、日本国内ユーザーによるダウンロードあたりの平均収益(RPD)は23ドル(約3,600円)と、2位の香港の約2倍を記録している。
本作は1996年に誕生した「ポケモンカードゲーム」をモバイル向けにアレンジした作品。リリース時より89の国と地域で同時展開されており、昨年末にも開発元のDeNAのゲーム事業全体課金額が200億円→850億円へと激増するなど、一大ムーブメントとなっているが、収益面をとってみれば日本国内の根強い課金意欲が非常に重要であることが示唆される。
こうした人気の背景について、調査元はポケモンのIP(知的財産)や「ポケモンカードゲーム」の人気に加え「対戦相手をオンラインで探すことができる、カードのデジタル演出やプレイ時の効果音」といった、カードゲームとデジタルを融合させたモバイルゲームならではの魅力を盛り込んでいることがあると指摘。
加えて、1回の対戦時間も短く設定し「ポケモンカードゲーム」よりもシンプルな構成にすることで、本作で初めてポケモンカードゲームに触れる方への敷居を低くする試みや、毎日2パック無料で拡張パックを開封できる点も「毎日プレイしたくなる要素の1つ」だという。
なお、本タイトルの配信元であるThe Pokémon Company、いわゆる株式会社ポケモンのパブリッシャー内シェアにおいても「ポケポケ」が世界・日本ともに60%以上の収益シェアを占め、「Pokemon GO」や「Pokemon Sleep」をはじめとする過去作に引けを取らない人気を誇っているようだ。
2024年の「Google 検索ランキング」ゲームカテゴリーでも首位を獲得した本作、今年も定期的なコンテンツ導入などを通じてさらなる成長を図るものとみられる。(通貨レートはドル=158円程度を想定)