夏アニメ主題歌、人気楽曲から見えてくるトレンドとは?カラオケで最も歌われたのは『推しの子』オープニング【ランキング】
株式会社エクシングが発表した2024年夏アニメ主題歌のカラオケランキングにおいて、TVアニメ『【推しの子】』第2期のオープニング主題歌「ファタール」が首位を獲得した。同作品は定額制動画配信サービスの視聴者数ランキングでも首位を記録しており、作品と楽曲の双方で高い注目を集める結果となった。
「ファタール」は中島健人とキタニタツヤによる異色ユニット「GEMN」が手掛けた楽曲で、TVアニメ『【推しの子】』では前作第1期のYOASOBI「アイドル」に続くオープニング主題歌となった。また、同作品のエンディング主題歌「Burning」(羊文学)も10位にランクインを果たし、夏アニメシーンを盛り上げた。
そして2位には『僕のヒーローアカデミア』のオープニング曲「カーテンコール」(優里)が入り、3位には『しかのこのこのここしたんたん』の「シカ色デイズ」が続いた。特に「シカ色デイズ」は、SNSでの中毒性の高い歌詞と振付が話題を呼び、アニメファン以外にも人気が広がった点が特徴的な出来事となった。
夏アニメで2作品の主題歌を担当したミュージシャン「ぼっちぼろまる」の楽曲が6位と8位にランクインした。特に『逃げ上手の若君』のエンディングテーマ「鎌倉STYLE」は、原作ファンであるぼっちぼろまるが書き下ろした楽曲として話題を呼んだ。
また、エクシングは本公表にあわせて、アニメ業界や事業に精通するニッポン放送アナウンサー・吉田尚記さんと女優・唯さんとの感想対談も公開。近年のアニメ主題歌における特徴として、作品に密着した「当て書き」の傾向が強まっているとコメントしたほか、SNSでの展開を意識した中毒性の高さも、カラオケでの人気を後押しする要因となっていると盛り上がった。(記事下部参照)
なお、アニメの視聴者数ランキングとカラオケランキングを比較すると、『〈物語〉シリーズ』のように、視聴者数と比較してカラオケでの人気が乖離するも存在。こちらは視聴者ランキングでTOP20圏外だった一方で、YOASOBIによる主題歌「UNDEAD」はカラオケ5位を獲得しており、コアなファン層の熱量の高さや、主題歌アーティストの知名度が影響していることが大きいものとみられる。
アニメソングのヒットついての特別対談
吉田アナ:僕、アニソン DJ をやっているので、オープニング・エンディング全部一通り聴いているんですけど、聴いて「いいな」と思ったのが全部上位にありますね。
結さん: 分かります。私がこの夏に多く再生した曲がそのままトップ5です。
吉田アナ:そんな感じです。じゃあ、「シカ色デイズ」も聴いてました?
結さん:すごい聴いてましたよ!「ファタール」と「シカ色デイズ」は振りがあるじゃないですか。それがYouTubeとかTikTokのショートとかでダンス動画として盛り上がっていましたね。特に「ファタール」の振りがとても難しいんですけど、ダンス動画で繰り返し観て、ちょっとチャレンジしてみようかなって思う人もいるのかなと。動画サイトで聴きなじみがある曲ってカラオケでも歌いたくなりますし、最近のヒット曲はTikTokの影響が大きいと感じます。
吉田アナ:確かに、切っても切り離せない関係にあると思います。あと、個人的に、ぼっちぼろまるさんの曲が2曲入っているのに納得!2曲とも意図がはっきりしているのがすごく印象的で。エンディングとしては『【推しの子】』の羊文学さんの「Burning」を抑えて「鎌倉STYLE」がトップですからね。あとは、水曜日のカンパネラさんの『ラーメン赤猫』の主題歌「赤猫」が、ストレートにアニメ主題歌だったのが意外!「シカ色デイズ」は別格として。
結さん:(笑)
吉田アナ:もしかしたら、揺り戻しが来ているのかもしれないですね。アーティストが自分たちのラインナップとして自然で、アニメとのリンクも感じられるクオリティの高い曲が当たり前の時代になっていましたが、水曜日のカンパネラさんの歌は、ゴリゴリに『ラーメン赤猫』の曲だったじゃないですか。ぼっちぼろまるさんの「鎌倉STYLE」はどう聞いても、『逃げ上手の若君』のための曲でしかあり得ない。
結さん:当て書きですよね。
吉田アナ:そう。主題歌も、当て書きでアニメに寄せるのが、トレンドになってきているような気がしてきました。
結さん:そうですよね。まさに、タイトルにそのアニメの要素がガッツリ入るとか、サビにガッツリ物語の展開が入るみたいな、私たちが子どもの頃に聴いていたような「アニソン」のイメージが逆に強くなってきた感じしますよね。
吉田アナ:だから(2024年秋アニメの)『きのこいぬ』の主題歌をHYさんが歌うわけですよね。
結さん:そのまんまタイトル名を歌うって(笑)。これは来期上位に来そうな気がします!
吉田アナ:アニメファンとしても、そういうのを聴きたいんじゃないのかなって気もします。さりげなくリンクさせるより、むしろど真ん中を攻めた方がかっこいいのかもしれない。
結さん:『しかのこのこのここしたんたん』も「しかのこ のこのこ こしたんたん」から始まってずっとリピートしてますからね。昔ながらのロボアニメでタイトル叫ぶじゃないけど、その手法に則っている気がします。ここまでブームが来ているって凄いですよね。
吉田アナ:もう一つ。 最近は一度聴くと耳から離れないような中毒性の高さもヒットの要素と言えそうです。