モバイルゲーム開発のgumi、1年超ぶりに黒字転換 サ終響くも暗号資産益が寄与、希望退職も80名集まる


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モバイルゲーム開発・運営などを手掛ける株式会社gumiは10日、2025年4月期第1四半期(5月〜7月)決算を発表。売上高は前年同期比5.9%増の28億4875万円、営業利益は6535万円(前年同期は6億4293万円の損失)と増収増益となり、5四半期ぶりの黒字転換を果たした。

同社は前期の通期業績において59.34億円の純損失を出す苦戦を強いられていた。損失要因としては、同社の主力タイトルである「アスタータタリクス」の売上が予想から大きく未達であったことなどがあり、同タイトルの黒字運営を目指していたが、実現可能性などを加味してサービスを終了する方針に切り替えていた。

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同時にリスクの高いオリジナルタイトル開発の一時的な停止、自社ゲームエンジンと有力IPを活かした収益性の高いタイトルの配信、開発受託の拡大などを通じて、業績回復に務めたい考えを示していた。こうした中で、当四半期のモバイルオンラインゲーム事業の売上高は前年同期比10.7%減となった一方、ブロックチェーン等事業は同318.0%増の5億6799万円と大幅な成長を遂げたことで、増収に寄与した。

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ブロックチェーン等事業では、同社が推進する推し活プラットフォーム「OSHI3」の第1弾プロジェクト立ち上げや、資産運営によるトークン保有からの安定収益創出などが寄与。また、持分法適用関連会社を通じた暗号資産投資からの利益3億9266万円も計上されたことが貢献した。

なお同社は6月、2024年4月期本決算のなかで、80名規模の希望退職者の募集を実施することを発表していたが、この度続報を公表。募集人数に準ずる80名の退職希望があったとして、退職金や各種手当などに充てる8,800万円を特別損失に計上したことも明かしている。

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今後は「ジョジョの奇妙な冒険」を題材とする新作ゲームを発表予定のほか、同社の筆頭株主となった、2.5次元エンタメ・アイドルユニット「すとぷり」などを運営するSTPRグループの新設会社「SUPER STATE HOLDINGS」と協力してゲーム化を推進するなど、他社IPタイトルを主軸に据えている。

著者 編集部 経済・社会担当
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