ソニー新作「Concord」発売2週間でサービス終了の衝撃…財務担当は“自社IP不足”を英紙で言及、先行きに注目集まる


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ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)と開発元のFirewalk Studiosは今月4日、先日発売したばかりの新作ゲーム「Concord」のサービスを終了すると発表した。PS5とPC向けに発売されてからわずか2週間での異例の決定となり、すでに6日に提供を終了している。

「Concord(コンコード)」は前SIEトップが推進し、SIEが2023年4月に買収したゲームスタジオ・米Firewalk Studiosが手がけたFPSゲームタイトル。開発には長期間を要したともされていた一方、昨年の発表からの反応は芳しくなかったようで、「5対5シューターゲーム」という基本プレイ無料が複数存在するジャンルにおいて、有料での展開がどう影響するか、と様々な意味で注目されていた。

この状況を受け、SIEは北米時間の9月6日(金)をもってゲームのオンラインサービスを停止するという異例の対応を決定。プレイステーションブログの発表によれば、ゲームディレクターは「多くの体験がプレイヤーの心に響くものであった一方で、ゲームの他の側面や初期のローンチが意図した通りにいかなかったことも認識している」と述べている。

FirewalkはConcordを無期限でオフラインにし、「最善の道を見出す」として、即時の販売停止を決定、PS5とPCで購入した全ユーザーに全額返金が行われるという。

そんなConcordの命運が早くも決まった矢先、ソニーグループの最高財務責任者(CFO)を務める十時裕樹氏が英国・フィナンシャル・タイムズ紙への取材に応え、自社オリジナルIPの不足を認める発言をしたことが話題になっている。

IP不足について言及、新作は継続展開の動きも

FT紙に応じた十時氏は、「我々はIP(知的財産)の初期段階で不足しており、それが課題となっている」と述べた。これはグループ全体における認識であることが文脈から解る一方で、今回のオリジナルゲームタイトルの開発も含まれる「ゲーム&ネットワークサービス部門」にも該当する言及であることが示唆されている。

SIEをめぐっては、本年2月に伝えられた構造改革による大幅な人員削減が記憶に新しい。一部の開発段階にあるプロジェクトについて「前進を止めることを決定」したほか、一部の海外スタジオの閉鎖なども表明しており、オリジナルタイトルを含む自社IP開発への先行きに不透明感がもたらされていた。

しかし、直近9月6日にはオリジナルタイトルの一つとしてシリーズ前作で人気を博した「ASTRO BOT」の最新作が発売。「アストロ」をはじめ、多くのPlayStationのキャラクターが登場する新作アクションゲームであり、オリジナルタイトルの展開については今後も一定の継続を行うことが見込まれている。

著者 編集部 経済・社会担当
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