「円が弱い」「発売4年でこの価格は…」PS5が“1万円超え”の大幅値上げ、外的要因が影響も様々な意見


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ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は27日、同社が展開する「PS5」の本体と関連周辺機器の価格改定を実施すると発表。値上げ幅が非常に大きくなっていたこともあり、発表直後より話題を集めており、その背景には複雑な要因が絡み合っているとの見方が出ている。

価格改定の詳細としては、ディスクドライブ搭載モデル本体は66,980円から79,980円へ、デジタル・エディション本体は59,980円から72,980円へと、いずれも1万円を超える値上げとなった。周辺機器も例外ではなく、DualSenseコントローラーは9,480円から11,480円と一万円を突破、PS5専用のVRデバイスPSVR2は74,980円から89,980円へと価格が引き上げられる。

SIE側はこの決定について「昨今の世界的な経済情勢の変動などの厳しい外部環境を受け、当社ビジネスへの影響を踏まえ、このたびの決断にいたりました」とコメント。一連の値上げは近年の急速な円安相場を反映したものと見られる。

事実、この上げ幅の価格改定は日本市場のみであり、PS5が初めて登場した2020年と比べ、ドル円は100円台前半から140円〜160円と急激な円安を記録した。現在の価格では為替差による不利を被るものと見られ、SIE側としては「やむなし」との判断と想定される。

過度な円安進行という外的要因ではあるものの、およそ8万円に迫る改定後価格のインパクトは大きく、ネット上では「割高感が否めない」「今(発売4年)の時期に8万円で売るのは…」といった声も多い。加えて、改定後価格の実質的なレートは160円/ドル程度となっており、140円台を推移する直近一ヶ月での円高傾向が反映されていないことも指摘されていた。

他方、この価格改定の背景に戦略的な意図を読み取る見方もある。SIEをめぐっては、長らくPS5の高性能モデル「PS5 Pro」を近日に発表する可能性が示唆されており、今回の価格改定であらかじめ標準モデルを値上げしておくことで、高価格帯になることが見込まれるPS5 Proの割高感を低減する効果も期待できる。

また、ゲームプレイヤーからの意見として、やはり「コントローラ1万円超え」もインパクトが大きかったようで、製品の品質を指摘するものもあった。そして、ゲームハードの話題になれば、やはり任天堂が展開を明言している「Switch後継機」の動向も今後のPlayStationの展開において無視できない要素として挙げていた。

著者 編集部 経済・社会担当
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