劇場版『カードキャプターさくら』25周年で再上映 キャスト陣が“絵が全然昔っぽくない”色褪せなさに感激、香港トークも加熱
1999年8月21日に公開された『劇場版カードキャプターさくら』が劇場公開から25周年目になることを記念して、8月9日(金)より期間限定での劇場再上映が実施中。このたび、本上映を記念した舞台挨拶イベントが8月10日(土)に開催され、丹下桜(木之本桜役)、久川綾(ケルベロス(ケロちゃん)役)が登壇し、公開への感慨などを語った。〈オフィシャル〉
25年前の公開時と同様に、短編作品『CLOVER』も併映された本上映、満席の会場を見渡し、手を振りながら笑顔で登場した丹下と久川は「観終わった直後、主題歌の『遠いこの街で』を聴いた後だから、余韻に浸っていらっしゃるのかな?」と丹下が問いかけると、観客は鑑賞の満足度を表すかのように大きな拍手を送る。丹下からの「夏休みの方―?」との呼びかけに多くの人が手を挙げるなど、会場は和やかなムードとなった。
「25年後にも舞台挨拶をするとは夢にも」「全然昔っぽくない」再上映への心境語る
そして久川が「こにゃにゃちわ〜!!」とケロちゃんの声で挨拶すると、会場からも「こにゃにゃちわ〜!!」の声が。「いいな、って毎回思う」とうらやましがる丹下に「お約束があるっていいよね?」と微笑む久川。すると、丹下も負けじとさくらの声で「はにゃ〜ん」と叫び、観客は大喜び。今回、初めて劇場版に触れた観客がいると知り、トークのために椅子に座ったばかりにもかかわらず、すっくと立ち上がって驚き、公開から25年が経っても『劇場版カードキャプターさくら』の輪が広がっていることを喜んでいた。
25周年を迎えた心境について丹下は、「25年前には、まさか25年後にも舞台挨拶をするとは夢にも思わなかった」としみじみ。「かわいらしさ、やさしさ、あたたかさ、夢と魔法とひたむきさが色褪せない。いいな、大事だな、ステキだなと思うことが詰まっているいい作品だと改めて感じています」と本作の魅力を語った丹下に、昨日久しぶりに本作を観たという久川は「セル画ですよね。あの水しぶきにすごい枚数がかかったことは、浅香(守生)監督から聞いていて。昨日観たけれど、全然昔っぽくない!」と25年前の作品とは思えない映像だと感想を伝えた。
続けて「ブラウン管のテレビが出てくるけれど、携帯、スマホも出てこない。(知世が持つ)ビデオカメラもテープで撮るやつだったりして」と本作で感じた“当時らしさ”にも触れられると、丹下もビデオカメラが気になったようで、「TV局の人が持っているくらいの大きさ!」とカメラを担ぐ仕草をすると、会場からクスクスと笑い声が聞こえていた。
「ちょっとしたところに時代は感じるけれど、さくらの気持ちとか人の心は普遍的なものを描いているから」と本作が色褪せない理由を語った久川は「35年前とは思えない画のクオリティ!」と感心しきり。「同感です!」と力を込めた丹下は「ケロちゃんも機種は変わったけどずっとゲーマーだもんね(笑)」と変わらぬポイントを指摘。「(空港での)検閲のとき、ひっかからなかったの?とは思ったけれど(笑)。荷物検査でひっかかりそうだよね」と話した久川に丹下は「古き良き、おっとりした時代だったのかも!」と現在との荷物検査での厳しさの違いにも触れていた。
当時の香港振り返りながらお気に入りシーンをピックアップ
久川のお気に入りシーンは「これが…?香港!?」というケロちゃんの顔面どアップ。「目がてんてん、黄色でドーン。セル画は楽だよね(笑)」とニヤリとした久川が「あのシーンはずっと忘れられない」と話すと、丹下も「誰が観てもうれしいシーン。私もうれしい!ケロちゃんで(画面が)いっぱいになる!」と共感。久川が「お兄ちゃんにバレないように器の下に隠れていて、いないなと思ったら、セイロの下に張りついていて。『ミッション:インポッシブル』みたいな(笑)」と桜、知世、桃矢、雪兎らが食事をする際のケロちゃんのかわいいシーンを挙げると、丹下も「私も好きなシーンのひとつ!」と身を乗り出す。
そんな丹下のお気に入りは香港でピークトラムが映るシーン。「当時の香港を忠実に再現している。ピークトラムは日本でいうケーブルカーみたいなもの。日本だと山の中にあることが多いので、景色も山。でも、香港では高層ビル群や街並みを見ながら観光ができる。ケーブルカーとかリフトとか山の乗り物全般が好き!」とケーブルカー好きを告白。しかし、高いところは苦手なため、足元は見ずに、景色のみを楽しむとも明かしていた。
さらに、ピークトラムで登った先に小狼の実家があることに触れ、丹下が「当時は“李くん”呼び!」と前のめりになり、「(さくらと小狼の)その後を知っているだけに、呼び方が新鮮!」とニヤニヤ。「当時はクロウカードをめぐり競い合う仲。まだライバルだった」と懐かしむ丹下。久川が「あの頃、まださくらの想いは緒方恵美に行ってたからね」と雪兎役の緒方の名前を挙げると、さくらの声で「気持ちはそっち。そっちに“はにゃ〜ん”」と照れる丹下の姿に、客席からは「かわいい」の声も漏れ聞こえていた。
丹下は「(劇場版で)李くんのお母さんに会えたのは、あのタイミングだったから。だから、スッといけたんだと思う。サブタイトルを入れるなら、“ドキドキ!ご実家訪問ではにゃーん”だった!」とお茶目に話し、その後の小狼との関係性ではないからこそ、気軽に母親と対面できたと解説していた。劇場版には小狼の姉たちも登場する。「お姉様たち、凄まじかったよね…」とアフレコを振り返った久川は「収録の時も、賑やかすぎてすごかった」と大笑い。丹下も「わちゃわちゃで、とてもステキでした」と美しい姉たちに思いを馳せ、うっとりしていた。
イベント後半には浅香守生監督からのメッセージをMCが代読。香港でのロケハンが思い出に残っているとの浅香監督の言葉に、「私たちも行きたかったー!」と悔しがる丹下だが、。久川によれば「でも、相当ハードだったらしい。資料としてたくさん写真を撮ったらしくて。何千枚みたいな単位で撮ってたみたい」と、忠実な景色の再現の裏には、浅香監督ら制作スタッフの苦労が詰まっていると説明した。
これからも応援したってなー。再上映でファンに挨拶
続けて「井戸も実際にあるような場所で。古井戸とか、路地のちょっとしたところに入りたい!」と香港で行きたい場所を久川が次々に挙げるも、「古井戸は怖い!」とツッコミを入れる丹下。「さくらちゃんの見ていた夢は意外とホラー。古井戸とか廃墟とか、わーーーってなった!」と震える丹下に、久川は「私は好き。東京でも井戸を見かけると、そこでずっと見ていたくなる」とまさかの“井戸好き”であることが判明。丹下は「綾さんは平気なんだ…」と怖がりながらも「綾さんの後からついていきます!」と宣言。二人はすっかり香港に行く前提で“訪れたい場所”トークを楽しく繰り広げていた。
最後の挨拶で久川は「25年経っても色褪せない映画。Blu-rayやDVDとかもお家にあるのに、わざわざ劇場まで足を運んでくださってありがとございます」と感謝。続けて「丹下とはちょこちょこ会っているけれど、『カードキャプターさくら』でファンのみなさんと一緒に同じ空間で過ごせるのはうれしいです」と特別感に笑顔を見せ、ケロちゃんの声で「会場のみんなー、えらいおおきになー。これからも応援したってなー。ほななー!」と挨拶すると、この日一番の拍手が湧き起こった。
丹下は「ずっと応援してくださってありがとうございます。何か、さくらで言わなくちゃ…。ケロちゃんどうしたらいいかな?」と久川に助けを求めると、「こういうときはなー、“はにゃ〜ん”とか“ほえええ!!”とか言ったらええねん!」とフォロー。しばらくあれこれセリフを考えた後、「決めた!」と微笑んだ丹下は「汝のあるべき姿に戻れ、クロウカード!」とカッコよく決め、和気あいあいとしたイベントを締めくくった。
劇場上映 作品情報
■『劇場版カードキャプターさくら』
さくらはある日、家の近くの商店街の福引きで、なんと特賞の香港旅行を当ててしまった!さくらにとっては初めての海外旅行。もちろんケロちゃんも一緒に行けるとおおはしゃぎ。ちょうどその時期は出張で行けないお父さんに変わって、兄の桃矢がさくらの保護者として同行することになった。さらに親友の知世、あこがれの雪兎も参加して、楽しい香港旅行に出発。さくらたち一行を迎えたのは、華やかな香港の町並み。次々と目に入る初めての光景にはしゃぎまわるさくらであったが、しかしそのそばには必ず不思議な小鳥が…。 そして夜、さくらは不思議な夢を見た。水がたたえられた空間に静かにたなびく白い布。その先には不思議な魔導士の姿が…。この旅行は仕組まれたものなのか? 古より続く魔都・香港を舞台に、カードキャプターさくら最大のピンチが訪れる!!
■『CLOVER』
稀有な宿命を背負った少女スウと、その運命に絡みあう和彦。
二人の切なくて美しいストーリーを、華麗な映像と優美な音楽でつづる、ミュージックムービー。
※上映時間7分
© CLAMP・ST・講談社/バンダイビジュアル・マッドハウス