100%まで5分未満?脅威の“300W”スマホ充電技術、急成長の振興メーカーが展開を示唆
2018年に設立された新興スマホブランドのRealmeが、300Wクラスの急速充電技術の開発を進めていることが分かった。海外レビュワーのYouTuber「The Tech Chap」が先日公開したRealmeへのインタビュー動画内で担当責任者が同機能のテストを行っていると明かした。
Realmeは中国の大手メーカー「OPPO」のサブブランドという位置づけで2018年に初のスマホを発表した振興ブランド。現時点で日本市場には参入していない(周辺機器は参入済)ことから、国内での知名度は皆無な一方、南アジア、東南アジア、ヨーロッパを含む20カ国へ参入しているほか、インドやその他新興国において急速にシェアを伸ばしていた。
Realmeが投入するすらマホは新興国向けのローエンドモデルから、コストパフォーマンスに富んだ低価格な高性能機まで多岐にわたるが、直近では充電技術の向上を図っていた。2021年、同社は65W充電に対応した新製品「Realme GT Master Edition」を展開し、33分で4300mAhバッテリーを満充電することが可能に。
翌年に発売した「Realme GT Neo 3」では150W充電技術を、さらにその翌年には後継機「Realme GT Neo 5」にてより高速な240W充電技術をそれぞれ初めて採用。結果としてバッテリーの満充電にかかる時間が10分以内という急速な性能向上を果たしていた。
競合他社で加熱する充電速度、安全性も考慮が必要
また、同年には競合他社であるXiaomiが電子見本市「MWC0223」にてこれを上回る300Wの充電技術を開発していることを発表。「バッテリーを50%充電するまでにたったの3分、満充電に5分未満」という驚異的な性能を示したと製品デモを通じて主張した。
そしてこの度、Realmeもこれに続いて300W充電の技術開発が進行しているとし、商用化に向けたテストを行っていることを明らかにした。(we’re also testing fast chargings at 300W…)
インタビューではどの製品にて、どの時期に商用化されるのか、そもそも製品に採用されるのかなどの詳しい内容については明かされていないほか、汎用的な環境での実現可能性や、安全性についても示されていなかった。
ちなみに、日本国内でキャリア販売されているスマホの中で現状最も高速なのはソフトバンク「神ジューデン」ブランドのXiaomiスマホの120Wであり、満充電までの所要時間はたったの19分。朝起きて「充電するの忘れてた!」という時でも、身支度の間で100%になるという非常に大きな魅力がある一方、急速充電を常用するとなると、バッテリー寿命や発熱といったマイナスな側面が気にかかる。
そもそもこれ以上充電時間が短くなったところで…と思いつつも、成長を続ける技術であることに変わりなく、引き続き注視していきたい。