6月公開『大室家』劇場版、優等生役演じる東山奈央「時を超えて『ゆるゆり』の出演が叶った」と感激振り返り【インタビュー】


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「百合姫」」原作の劇場中編アニメーション『大室家』2部作品について、後編作『大室家 dear friends』が6月21日(金)に劇場公開されるを前に、本作にてキャストを務める東山奈央さんのインタビューが到着した。

東山奈央さんは『大室家』2作品にてメインキャラクター・大室撫子の同級生、三輪藍役を担当。本作に出演が決まった際の思いや、自身が演じた三輪藍や同級生たちについて、そして、未だ明かされていない“撫子の恋人”にまつわる予想にも語られている。

劇場版出演への思いとキャラクターの印象は

――『大室家』に出演が決まった時の思いからお聞かせください。

私の世代の女性声優は『ゆるゆり』のオーディションを受けている子が多かったのですが、私は受けていなくて、当時「いいなぁ、私も受けたかったな」って思っていたんです。今回『大室家』のオーディションを受けさせていただき、藍ちゃんの役をいただけました。時を超えて『ゆるゆり』の出演が叶ったような気持ちで、こんなことってあるんだなと感激しましたね。

――三輪藍というキャラクターをどのように捉えて演じましたか?

撫子、めぐみ、藍、美穂の4人は個性がバラバラ。その関係性がリアルで面白いんですよね。何がきっかけで仲良くなったのかが気になりますけど、自分の学生時代を振り返ると、似た者同士が集まるパターンもあれば、凸凹なメンバーが集まって楽しいっていう場合もありました。友だちってそんなものだし、この4人も空気感が似ていますよね。その中で藍はおっとりした優等生な感じ。場の空気をふんわりと回していくタイプなので、癒しの雰囲気を大切にしながら演じていました。ふんわりと、ナチュラルに演じることを心がけました。

――『大室家 dear friends』のアフレコを終えての感想もお願いします。

今回特に感じたのは、しゃべり始めるのは藍が多いこと。元気でいじられキャラのめぐみもムードメーカーだと思うのですが、藍は会話を生み出すキーパーソンなのかも。楽しいことを見つけるのが得意な子ですし、周りをよく見ているようにも感じました。

――この中に撫子の恋人がいるかもしれないんですよね。

恋人が誰なのかは私たちにもずっと隠されているので、ちょっとした目線の動きや一瞬入るワンカットなどが気になって、つい深読みしちゃいますよね。前作『大室家 dear sisters』では、藍が「ここ行ってみない?撫子と見つけたお店なんだけど」と話を切り出すシーンがあって、撫子と2人で話していたんだなと印象に残っています。でもその後、撫子はめぐみのことをいじり始めるし、かと思えば美穂が「撫子はむしろいじりがいがあるタイプ」とちょっと踏み込んだ発言をする。よくある普通の会話なのに、全部が疑わしく聞こえてくる(笑)。撫子の電話はしっぽりとした大人っぽい空気なので、それを引き出せるのは美穂か藍かなって勝手に予想しています。

――そんな撫子のことを東山さんはどう見ていますか。

普段はクールなのに電話口では声が甘いので、恋する乙女なんだなって感じてキュンキュンしました!学校ではちゃんと隠しているのもすごいけど、それだけこの4人の関係性が壊れないように慎重になっているんでしょうね。恋人との関係だけじゃなく、4人の友達関係も大事にしている。姉妹たちに対してもそうですけど、とても愛情深い女の子だなって思います。

収録の感想、撫子と櫻子への思い

――藍以外に気になるキャラクターはいますか?

何を言い出すのか予想がつかない、びっくり箱みたいな櫻子が大好きです。『dear sisters』で櫻子好きだなって思ったのが、花子が熱を出しているのに、「じゃ、向日葵んとこ行ってくるね!」って家を出ちゃうところ。一瞬、薄情に思えるシーンですけど、実は向日葵にたまご粥のレシピを聞きに行っていたんですよね。ドヤ顔もするけど、妹のためにサッと動いたことはお姉ちゃんとしてかっこいいなと思いました。撫子のお友達が部屋に来ているとき、花子が「いい人そうだったし」「美人だった」とか言っているのに、唐突に唇を伸ばすところも好き(笑)。小学生男子がやりそうなことをやる櫻子ってすごい、こんなことを思いつくなもり先生もすごいって思いました。

――エンディングテーマ「パッチワーク・エトセトラ!」は、高校生組4人に歌っていただきました。

本当に4人が会話しているみたいな、耳に残る中毒性のある楽曲です。個性バラバラな4人が、楽しく会話をしているようだけど、ちょっと話題がずれているという、女の子のあるあるな会話をパッチワークに例えているんですね。テンポも良くてコロコロとしていて可愛い楽曲になっているので、映画の最後にまたキュンとしちゃうと思います。

――『大室家』2作を通してどんな魅力を感じましたか。

ちょっと見栄を張ったり不器用だったりするところも含め、女の子たちの可愛さがいっぱい詰まっているところが魅力だと思います。誰もがお互いを思い合って、気持ちを言葉にしていますよね。前作では撫子がうたた寝している妹たちに毛布をかけて、じーっとそれを見守っていたり。櫻子が「ぎゅーしよ」って言うところも、まっすぐな愛情が伝わってきて心が温かくなりました。櫻子のためにカレーを作る花子が、櫻子の好みに合わせて隠し味に蜂蜜を入れてあげるところもよかったな。日常の中で見られる愛情や思いやりに心が癒されますよね。

――『大室家 dear friends』を楽しみにしてくれているみなさんにメッセージをお願いします!

『dear friends』というタイトルだけあって、撫子の仲良し4人組のシーンがたくさん出てきますし、撫子の恋人の考察もよりはかどると思いますね。前作同様、短い時間ながらもギュギュッとエピソードが詰まっています。『ゆるゆり』シリーズや『大室家』を愛してくださっているみなさんにいっぱい楽しんでいただけたら嬉しいです!

劇場版『大室家』シリーズ作品情報

中学1年生の大室櫻子は、学校でも家でも元気いっぱい。三姉妹の中心として姉の撫子、妹の花子に呆れられながらも楽しい毎日を過ごしている。今日は学校で向日葵に宿題を手伝ってもらい意気揚々と帰宅した櫻子。
しかし家は静まり返っており誰もいない様子。実は先に帰っていた花子はソファの影で息をひそめている。花子には絶対に櫻子に見つかりたくない理由があったが、あっさり櫻子に見つかってしまい、大笑いされてしまう。花子の顔はマジックペンがついておりヒゲのようになっていたのだ。
遠慮なく笑う櫻子にイラッとする花子だったが、さらに怒り顔なのが姉の撫子。食べるのを楽しみに取っておいたアイスがなくなっているという。アイスを食べた犯人として撫子と花子に疑われ、一気に形勢不利になった櫻子。三姉妹は2対1になりがちだ。

【配信媒体】劇場中編アニメーション(各約40分予定)
【メインキャスト】大室櫻子:加藤英美里/大室撫子:斎藤千和/大室花子:日高里菜/小川こころ:倉知玲鳳/相馬未来:伊藤彩沙/高崎みさき:古賀葵/古谷向日葵:三森すずこ
【原作】なもり(コミック百合姫/一迅社刊)
【アニメーション制作】パッショーネ×スタジオリングス

©なもり・一迅社/「大室家」製作委員会

著者 編集部アニメ情報班