Disney+も夏から…動画サービス各社が“パスワード共有”対策に本腰 Netflixは会員増加に寄与


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動画配信サービスのDisney+(ディズニープラス)とHulu(フールー)において、パスワード共有による不正利用対策を本年夏頃をめどに本格化することが明らかになった。米・CNBCが4日付けで公開したボブ・アイガー氏(ウォルト・ディズニー・カンパニー CEO)へのインタビューにより分かった。

インタビューによると、Disney+およびHulu(以降、「Disney+」のみ表記)では本年6月よりパスワード共有を用いた不正利用に対する「初の本格的な取り組み」を「いつくかの国」にて先行して開始するとした上で、本年9月には対象を全世界に拡大する予定であることが述べられていた。取り締まり強化の方針は昨年8月より明かされていたものの、具体的な日程感が分かったのは今回が初めてとなる。

月額会員制の動画配信サービスではかねてより“パスワード共有”による不正利用が事業者から問題視されており、同じアカウントを複数の家庭や個人で使うことから、実質的な収益損失につながる行為とされてきた。そこで、国内外のサービス提供各社はパスワード共有への対策を行う動きが活発化しており、2023年にはNetflixが対策に乗り出したことが注目を集めた。

Netflixでは昨年春、アカウント情報や視聴データなどを分析することで、パスワード共有行為を検知し正規利用を促す取り組みを米国で導入。これにより、同サービスの会員数は四半期ベースで想定以上の伸びを記録するなど、収益性向上につながる効果が現れていた。(7〜9月期決算より)

今回のDisney+の場合はこうした取り締まりが業績向上に大きく奏功した前例を受けて乗り出すものと見られている。特に前出のインタビューでは、アイガーCEOは全社目標である“利益率の2桁成長”を達成するには、ストリーミング事業が「大きな役割を果たす」とも言及しており、各社に追随した形で取り組みに意欲的な姿勢を示していた。