「ネット流行語100」年間大賞は『推しの子』 「究極のゲッター」などネットミームも多数受賞【解説】


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ネット界におけるトレンドワードを表彰する「ネット流行語100」について、年間大賞と各賞を発表する表彰イベントが13日に開催。年間大賞に漫画作品『【推しの子】』を選出したことが明らかとなった。(13日・東京都品川区/取材班)

「ネット流行語100」年間大賞・タイ小10ワード一覧

ネット流行語100とは、株式会社ドワンゴとピクシブ株式会社の共催で実施する表彰企画として、ニコニコ大百科とピクシブ百科事典の単語ページのアクセス数に基づいて、過去1年間で最も注目を集めた言葉をランキング化して発表する。2018年に始まり、今年で6回目を迎える今回は100ワードがノミネート。本表彰式では、全100ワードのランキングや年間大賞の他に、ニコニコ賞とpixiv賞、そして今年から新たに設けられたネット新語賞の各受賞ワードが発表された。

年間大賞に選ばれたのは「【推しの子】」。『週刊ヤングジャンプ』にて連載中の赤坂アカ・横槍メンゴによる漫画作品として累計発行部数が1,500万部を超える同作は、2023年4月にアニメ化を果たすと、第1話放送時にはX(旧:Twitter)にて世界トレンド1位を獲得した。二次創作も盛り上がりを見せ、YOASOBIが担当し大ヒットした主題歌『アイドル』の「歌ってみた」動画や、TikTokアニメ公式アカウントの振付動画から「踊ってみた」動画などが多数投稿された。

第2位に選ばれたのは「君は完璧で究極のゲッター」。「【推しの子】」の主題歌「アイドル」のサビ部分「究極のアイドル」と、2000年に発売したOVA『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』の主題歌『STORM』のサビ部分「飛び出せゲッター」のメロディが似ていることが話題となり、ニコニコ動画では同名タイトルの音楽MAD動画が投稿される。歌詞を組み合わせたワードとしてSNSでトレンド入りするなど、2023年のネット界に「【推しの子】」が大きか影響を与えたことが印象的だった。

次ぐ第3位は、スーパー戦隊シリーズ第47作品目のタイトル「王様戦隊キングオージャー」。本作は「昆虫」と「王様」がモチーフとなった同作は、それぞれが一国の王として君臨する5人が互いに協力して敵の脅威に立ち向かっていくファンタジー色の強い物語。スーパー戦隊シリーズ初の紫色の初期メンバー戦士が登場するほか、CGをふんだんに活用した映像制作など、王道スタイルでありながら随所に新機軸を取り入れており、話題を集めている。

そしてニコニコユーザーによるアンケートで選ばれる「ニコニコ賞」は、総合第2位のランクインに続き「君は完璧で究極のゲッター」が、昨年よりもpixivへの投稿数が増えたタグ(単語)が対象となるpixiv賞は「ブルーロック」がそれぞれ選ばれた。

また、本年より新設された「ネット新語賞」は、ネット上で新しく生み出され、特に大きな話題となったワードをネット流行語100委員会(ドワンゴ・ピクシブ)が選定し、「薩摩ホグワーツ」が選出。「薩摩ホグワーツ」とは、2023年2月に発売されたゲーム「ホグワーツ・レガシー」に注目が集まっていた中で突如発生したネットミーム。

発信源となる松永マグロ氏が「ホグワーツ・レガシー」のプレイスタイルをかつての薩摩藩士のイメージに重ね、「薩摩ホグワーツ」という造語を生み出した。あくまで架空の概念であるこのワードにSNS上で様々な妄想ストーリーが展開され、パワーワードに溢れた投稿の数々は瞬く間に拡散、ネットカルチャーならではのカオスな一大ムーブメントを巻き起こした。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。
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