北九州市とアニメ『ブルバスター』が共同で“リアルロボット開発”目指すプロジェクトを始動 地元企業の協力で人材育成を狙う


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現在放送中のTVアニメ『ブルバスター』から、地域密着型の新プロジェクト「リアルブルバスタープロジェクト」が発表された。

『ブルバスター』は映像監督・中尾浩之(P.I.C.S.)と漫画家・窪之内英策のタッグから生まれたオリジナルプロジェクトとして、コストと経営難とにせめぎあいながら、暮らしを脅かす謎の生命体「巨獣」と戦う中小企業・波止工業の奮闘を描くロボットヒーロー物語。2018年より「カクヨム」にて連載が始まり、本年10月からはアニメシリーズが放送されている。

本プロジェクトでは、『ブルバスター』と北九州市が協力することで、社会課題解決のためのロボット開発と人材育成を目指し、岡野バルブ製造と北九州市が共同で取り組む。本プロジェクトでは第一歩として「未来の沖野をさがせ!リアルブルバスター開発者オーディション!」の開催を予定しており、オーディションで選ばれた方は岡野バルブ製造株式会社バックアップのもと、同社の開発環境でリアルブルバスターとしてロボットの開発に打ち込むことができるという。

発表が行われた11月26日、には小倉駅構内JAM広場にて記者会見が実施され、作品キャラクターの白金みゆき役を演じる高田憂希、原作の中尾浩之、岡野バルブ製造の新事業開発本部長・菊池勇太、北九州市市民文化スポーツ局長・井上保之が登壇。プロジェクトへの強い思いを語る場面も。

「リアルブルバスター開発プロジェクト」募集ビジュアル

会見は九州エリア最大級のアニメ・コスプレなどポップカルチャーの祭典KPF2023(北九州ポップカルチャーフェスティバル)内で行われ、250人以上の観客が集結。本作を手掛けるキッカケについて中尾さんは「徹底してリアルなロボットフィルムを作ろうかなと思って。ロボット自体も、最もブルバスターは建設用の重機を土台にして、それを改造して作ったものでして、いわゆるアニメに出てくるロボットとは違う重機に近いものを目指していました。」と語り、もともとがリアル寄りだった作品と説明。

また、岡野バルブ製造の菊池さんは「​​皆さんが思っている以上に大きいバルブを作ってまして、火力発電所や原子力発電所に使われているような高圧の非常に大型のバルブを製造する会社になります。そうやって皆さんの電気を下支えしているような企業になるんですが、今回こういった形でロボット開発を一緒にやりましょうということでお声がけさせて頂いた次第です。」と話し、協力した経緯を語った。

行政からは井上局長が「北九州市は官営八幡製鉄所が1901年に創業を始めてそれ以降、機械、化学いろいろな重工業が人達が集結してきて、日本の経済産業化を良くするようなものづくりの町でもあります。今も環境産業やエネルギー産業など色々な形で発展しており、そういった歴史を背景に、技術系の高校、高専、あるいは学術研究都市としていろいろな研究をなさっている大学もいらっしゃいます。そういった意味で豊富な人材を輩出する拠点ではないかなと思っています。」と語り、行政との連携についても意欲を示した。

そして、臨席した白金みゆき役の高田さんは「アニメで言うと、沖野君がブルバスターを作ってくれて、それを波止工業に持ってきたところからお話がスタートしているので、なんだかすごい、『ブルバスター』エピソード0みたいですね!」とのコメントを寄せた。

オーディションの公募は2024年以降に開始される予定で、公式サイトや公式Xで最新情報を発信していくとしている。

© P.I.C.S.・KADOKAWA刊/波止工業動画制作部