『ひきこまり吸血姫の悶々』独特の世界線、キャラトークで盛り上がり…“イキり”エピソードも炸裂〈石見舞菜香×ファイルーズあい×島袋美由利インタビュー〉


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毎週土曜日に放送中のアニメ『ひきこまり吸血姫の悶々』について、いよいよクライマックス「六国大戦編」が始まるを前にこの度本作キャストよりオフィシャルインタビューが到着。

先日放送の第8話で活躍を見せたサクナ・メモワールを演じる石見舞菜香さん、六国大戦編から登場する新キャラクター、ネリア・カニンガムを演じるファイルーズあいさん、アマツ・カルラを演じる島袋美由利さんがそれぞれ作品への思いが語られた。

「エンタメ戦争」という独自の世界線が面白い

――小説、コミカライズからアニメ化へと大きく展開している『ひきこまり吸血姫の悶々』。この作品に、みなさんはどんな面白さを感じていますか。

石見:「戦争がエンタメになっている」という独自の世界観が面白いなって思いました。シリアスな展開もある作品なんですけど、登場人物たちの会話がすごくコミカルでテンポ感がすごく良いんです。収録をしていても感じているんですが、コマリ様(テラコマリ・ガンデスブラッド)がガンガンツッコんでくれるんです。まわりのキャラクターもツッコミたくなるような性格ばかりなので、目が離せなくなるほど楽しい作品だなと思いました。

ファイルーズ:私はこの原作の絵の美しさに目を奪われました。イラストとコミカライズを担当されている、りいちゅ先生は女の子の可愛さや繊細さを丁寧に表現されていて、大胆さと憧れが融合していて、すごく美麗なイラストをお描きになるなって。イベントの現場でお会いすることができたんですが、憧れや尊敬の念を感じています。お話もギャグとシリアスのコントラストがすごく大きくて、それがまた作品の魅力になっているなと感じました。キャラクターたちが大真面目にやっていることが、視聴者にはバカバカしく見えたり、彼女たちの平和な日常が、物悲しいものに見えたり、そういう多面的な見え方がすごく特徴的で、素敵な作品だなと感じています。

島袋:私は原作を読む前に、オーディションの原稿でこの作品に触れたんですね。そうしたら……すごいセリフがいっぱいで。すさまじい戦争が起きているようなセリフも、ギャグっぽいセリフもあって。これは一体どういう作品なのだろうと戸惑いました。種族の名前や世界を彩る用語も独特で、もしかしたらすごく難しい作品なのかもと……。

ファイルーズ:そうそう! 最初は難しかったよね。聞いたことない単語がセリフの中にいっぱい出てきて。

――石見さんが演じるサクナのオーディションのセリフはどんな印象でしたか?

石見:うーん……。
ファイルーズ すごかったよ! ストーカーみたいなセリフ……。
石見:え、ええっと(笑)。まわりから見たらそういう意味に感じるかもしれないんですけど、サクナ自身は大真面目なので。コマリ様が大好きっていう気持ちで、私は至って真面目にやってました(笑)。

――そんな石見さんが演じるサクナ・メモワールの印象をお聞かせください!

石見:最初は「逆さ月」のスパイということがバレてはいけなかったので、とにかくかわいいキャラクターとしてやっていました。スパイだから、たまに見せる、冷徹さや部下に対して冷たく指示を出すところはちょっと出さないといけない。かわいい一面で油断してもらえばと考えていました。サクナに共感できるところは……彼女の自分の悩みを打ち明ける勇気がないところです。サクナは家族を人質にとられているので、自分に道がないんです。

そういうときにコマリ様に質問したら、サクナが考えたことがなかった答えを出してくれて。すごく嬉しいことだったんですけど、サクナにはその道を行く勇気がどうしても持てなかったんです。そういう明らかに最善の答えが目の前にあっても、自分にはできないから、その答え通りに進むことができない。そういうところは私も共感できるなって思っていました。

ファイルーズ:私は第9話以降のサクナしか知らないので、サクナのヤバいところしか見ていないんですよ(笑)。だから、サクナはコマリに興奮しまくっている、ヤバい人っていう印象です(笑)。

島袋:私も収録で石見さんとご一緒したときに、サクナさんのセリフが……「コマリさん」しかなくて(笑)。後にも先にも「コマリさん」なんだなって思いました。石見さんは「コマリ」の三文字にかわいさと大好きな思いを込めていらっしゃったので、サクナさんがどんな女の子なのか、オンエアを見るのが楽しみになりました。

石見:3文字に愛をこめました!

ファイルーズ:私はサクナが戦いに出るところもすごくカッコいいなと思っていて。(石見)舞菜香さんのお芝居はこれまで「守ってあげたくなるお芝居が魅力だな」と思っていたんですけど、今回のサクナは「ひとりで戦って、みんなを導く」といった一面もあるんです。そのシーンを見て、私はすごく可能性を感じて、舞菜香さんのお芝居がより好きになりました。

石見:嬉しいです!
ファイルーズ:張っている声がすごく良かった! あんな声も出せるんだって!!

ネリアは“しっかり者”、カルラは「ポンコツ……。」

――続いて、ファイルーズさんが演じるネリア・カニンガムの印象をお聞かせください。

ファイルーズ:ネリアは自分が思っていることは何でもはっきり言うタイプなんです。でも彼女には彼女なりの美学と矜持があって。人を傷つけることは言わない子なんです。だからこそ、イヤな子には見えないように私も声に圧をしっかりと乗せて、はっきりとセリフを伝えるように心がけていました。彼女は格式高い家庭で育った子なので、ちゃんと品が出るようにするのも意識していました。

石見:ネリアちゃんを見て、ファイちゃん(ファイルーズあい)と共通点があるのかなって思っていました。ネリアちゃんは自分が信じたものに真っ直ぐ向かっていくキャラクターじゃないですか。たとえ、それで自分が不利になっても、自分が周りにいろいろ言われたとしても、貫くものをちゃんと持っている。

そういう芯の強さがファイちゃんと似ているところがあるなって。ファイちゃんがマイク前に立って、ネリアのセリフを発すると空気が一気に変わるんです。ネリアちゃんに引き付けられるような感じが、ファイちゃんの声からも感じていました。

ファイルーズ:ありがとう!

島袋:私がファイルーズさんと収録でごいっしょしたのは大分後だったんですけど、別のシーンの収録のときにタイミングよく、ネリアの手紙のシーンを見ることができたんです。その手紙のお芝居がすごく良かったんです。芯の強さを表現しながらも、最後にギャップを感じるような表現をされていて……。

ファイルーズ:私のキャラクター(ネリア)はしっかり者なので、あまり吹っ切れたお芝居がしにくいなって思っていたんです。でも、なるべくいろいろとやってみようと思って、細かいところにこだわっていたんですね。そういう細かいところに気づいてもらえてすごく嬉しかったです。ありがとう。

――ファイルーズさんが演じるネリアの手紙の朗読も聞き逃せないですね。そして、島袋さんが演じるアマツ・カルラの印象はいかがでしょうか。

島袋:カルラは平和主義な子なので、彼女の人間性のようなものをセリフに乗せられたらと思っていました。ただ今回のアニメで描かれるところでは、どちらかというと……ポンコツ……。

ファイルーズ:あ、言っちゃった(笑)

島袋:ちょっと足りてないところがある……良い意味で! 足りないところのある子なので、わりとオチを担当するようなところが多かったかなと思います。頭空っぽと言われるところも、彼女はふざけていっているわけでなくて、大真面目なんです。だから、ギャグの足し引きがすごく難しいなと思いましたね。あまりやりすぎるとサムい感じになっちゃうし、あまり真面目過ぎるとギャグにならないし。いかに「足りてないか」を自然にやるかを追求していました。

石見:すごくしっかりしているところと、ポンコツ具合がにじむところをしっかりと演じ分けられていて。そのギャップが面白いなと思っていました。私は島袋さんとご一緒することが多いので、香盤表に島袋さんの名前があるだけでドキッとしてました(笑)。
ファイルーズ 私は個人的に、カルラの声が好きで。すごく綺麗な声をしているなって思っていました。その声が紡ぐ言葉には説得力があって。最初は「ちょっと頭が良い人が来たかな」と思っていたら、そこからのポンコツ加減が最高で。

そのギャップが良かったです。ポンコツな一面が出てくるときにだんだん声が高くなったり、落ち着きがなくなったりという細かなグラデーションがすごく素敵なんです。どこの音(セリフの声)をとってもカルラなので、すごいなと思います。

皆さんの“イキった”経験は?

――この作品は本来ひきこもりだったコマリ様が将軍や強敵を相手にイキるところがひとつのポイントだったりします。みなさんのイキってしまった出来事や経験があればお聞かせください。

石見:私……何があってもつい、「大丈夫です!」って言っちゃうんです。
一同:おお~。

石見:たとえば、長時間の収録でワード数がすごく多いときに、収録中にスタッフの方から「休憩を取りますか?」とお声がけをいただくときがあるんです。そういうときに必ず「大丈夫です」と言って、休憩を取らずに収録を進めてもらっちゃうんです。長い収録をしていると頭も疲れちゃうし、口も疲れて、舌が回りにくくなって、言い直しが増えてしまうので絶対に休憩を取りたいんですけど(笑)。言い直しが増えちゃうと、自分にも相手にも良くないんだろうなと思いつつも、反射的につい「大丈夫です」って言っちゃうんです。

ファイルーズ:じゃあ、私が困ったときは、まなぴ(石見舞菜香)に。
島袋:私はあまりイキらないほうだと思うんですけど……両親とか親族の前では、絶対に泣きたくないし、なんなら笑いたくもないってところがあります。

一同:ご両親にイキってる……。
島袋:そうなんです。たぶん、両親の前では思春期のままでいたいんでしょうね。両親から何か聞かれても「問題ないよ」ってつい言っちゃうんです。

ファイルーズ:私は……ちょっと前に「筋トレ」で注目を集めていた時期がありまして。筋トレをしているところをメディアに披露することがあったんです。普段、筋トレをするときはフォームが崩れないように重すぎないダンベルを使っているんです。でも、撮影のときはつい重すぎるダンベルを使って、アームカールをしちゃうんですよね。

一同:ああ~。
ファイルーズ:「筋トレ」イキりをしていました!

――アニメ『ひきこまり吸血姫の悶々』のオンエアもこれからクライマックスへと向かっていきます。みなさんから今後の見どころをお聞かせください。

島袋:これからさらにキャラクターがどんどん増えていきます。みんな一筋縄ではいかない子ばかりです。どのキャラクターも血が通っていて、個性が強いので、コマリ様とヴィルの関係のみならず、キャラクターたちの行方に注目していただきたいです。キャストのみなさん、スタッフのみなさんが心血を注いで作り上げたキャラクターたちをぜひ楽しんでもらえたらと思います。

ファイルーズ:ネリアがなぜコマリにガンガンと突っかかっていくのか。ネリアの過去がどんなものか。いろいろと描かれていきます。これまで見ることができなかったキャラクターのいろいろな表情を見られますので、そこをぜひ楽しみにしつつご覧になっていただけたらと思います。コマリ様がお好きなコマリン親衛隊のみなさんも、ネリアを応援するネリア親衛隊になってもらえれば嬉しいです。

石見:これから登場するキャラクターはとても濃いし、ここから始まるストーリーもとても濃いものになっています。キャラクターたちの成長や変化を楽しみにしてもらえれば嬉しいです。この作品は悪い感じで出てきたキャラクターも、それぞれの事情を知ると憎めないところがあるんです。いろいろなキャラクターに感情移入することができると思いますので、自分が好きなキャラクターを見つけて、最後まで見守っていただけると嬉しいです。

『ひきこまり吸血姫の悶々』作品情報

【原作】小林湖底(GA 文庫/SB クリエイティブ刊)
【アニメーション制作】project No.9
【楽曲】オープニングテーマ:fripSide「Red Liberation」/エンディングテーマ:MIMiNARI 「眠れない feat.楠木ともり」
【放送】TOKYO MX・BS日テレ他にて10 月 7 日より毎週土曜 22:30~
【配信】<独占先行配信>ABEMA 10 月 7 日~毎週土曜 22:30 より配信
©小林湖底・SB クリエイティブ/ひきこまり製作委員会

著者 編集部 アニメ情報担当