現地レポ:若手からベテランまで集結「声優紅白歌合戦2023」周年アニメ主題歌大集合&国民的アニメ対決も!(写真35枚)


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5月20日(土)にパシフィコ横浜国立大ホー ルにて「声優紅白歌合戦2023」 が開催された。2019年よりスタートしたこの「声優紅白歌合戦」は、″歌唱する出演者は声優のみ″とした、声優ファンや出演声優にとって1年の風物詩となる音楽イベント。

紅白の組に分かれて様々なアニメソングを歌唱し合い、全ての出場者の歌唱終了後に観客の投票によって紅白の勝敗が決まるというもので、3回目となった今年は若手からベテランまで14組の声優が集結した。本記事ではそんな「声優歌合戦2023」を現地から速報レポートする。(オフィシャル内容含む)

※5/21 23:36…一部表現の修正を行いました

「声優紅白歌合戦2023」@パシフィコ横浜 国立大ホール
2023年5月20日(土)12:30開場/13:30開演発起人:中田譲治
出演声優(敬称略)
紅組…/伊藤彩沙/TARAKO/徳井青空/富田美憂/冨永みーな/中島愛/福原香織
白組…Isla・la(保志総一朗)/榊原優希/高橋広樹/土屋神葉/中尾隆聖/永塚拓馬/古谷徹
企画コーナー:太田貴子/吉武千

発起人の中田譲治さんが「これだけ声優さんたちの活躍の範疇が拡がっているご時世だから、「声優紅白歌合戦」でも見てみたくない?というTwitterでのつぶやきからスタートし、今年で3回目の開催となった「声優紅白歌合戦2023」。MCを務める松澤千晶さんは「レジェンド声優の皆様はもちろん、平成生まれの皆様まで声優紅白ならではの出演者がお集まりになりました」と語ると、同じく司会を務めるアメリカザリガニの柳原哲也さんは「必ず出演する誰かに刺さりますからね」とワクワクした様子をみせた。

出演者を代表して古谷鐵さんによる開催宣言の後、白組が榊原優希さん、紅組が富田美憂さんが生えあるトップバッターを飾った。まずは白組の榊原さんが「BLEACH」のオープニングテーマ「少女S」を披露すると、観客は白いペンライトを振りながら、早くも大盛り上がり。歌唱後のMCにて榊原さんはBLEACHが本当に大好きで歌いたかったと話しており、”榊原らしさ”を出すには女性アーティストの楽曲を歌うのが良いだろうという思いのもとこの曲を選んだとコメントしていた。

同じく紅組のトップバッターとなった富田さんは、「デート・ア・ライブⅣ」のオープニングテーマ「OveR」を披露。また、富田さんは自身が主題歌を務めた「デート・ア・ライブ」について学生の頃から見ている親しみのある作品だったことに触れた上で、今回は声優アーティストとして歌うということで作品全体を捉えて歌ってみたと語っていたほか、デュエットをやってみたいとも述べていた。

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続いての二番手、三番手は連続での対決に。まずは白組から土屋神葉さん、紅組から福原香織さんが対決。土屋さんは自身が主人公・双葉翔太郎を演じた映画『バクテン!!』の挿入歌「光の中から伝えたいこと」を披露。MCでは「主演を務めさせていただいた作品ということもあるんですが、テーマが震災復興だったりしたので、歌いたいなと思ったんです。この曲を個人でお客さんの前で歌うのは初めてだったのですが、皆さんペンライト振ってくれて楽しかったです」と語った上で、司会の松澤さんから「様々な感謝が伝わってきた」との感想も。

一方の福原さんは「らき☆すた」より、つかさのキャラクターソング「寝・逃・げでリセット!」を熱唱。福原は楽曲について「らき☆すた」はレコーディングもハードだった分、印象に残っている作品で、コンサートではつかさはいつも黄色いペンライトが多かったのですが、今回は紅白ということもあり赤色ペンライトだったのが新鮮でした」と紅白ならではの会場の様子に満面の笑みをこぼした。

三番手は白組の永塚拓馬さん、そして紅組の伊藤彩沙さん。まず永塚さんが、後ろ姿で登場し、「パシフィコ横浜にかかっている怪病を歌の力で治療しよう!」と観客に立ち上がっての応援を要請、「僕が演じたクロ君だったらどうやって歌うのかなということを想像しながら歌いました」と自身も出演した「怪病医ラムネ」のオープニングテーマ「SHAKE!SHAKE!SHAKE!」を披露し、会場の雰囲気は一転。

そして伊藤さんは「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」より「Star Divine」を披露。この楽曲は普段「スタァライト九九組」という9人組ユニットで歌唱する曲で、今回一人で歌いきったこととなった。MCではスタァライトによってパシフィコ横浜は思い入れのある場所だったためステージに立てて嬉しかった、と心境を語っていた。

続く四番手の対決は、白組の保志総一朗さん率いる新規ユニンっと「Isla・la」、そして紅組の中島愛さんが登場。はIsla・laのメンバーが自己紹介を行い、保志さんはユニットを組んだ経緯について「ミニマムな形で好きに作品がつくれるチームをつくりたくて結成しました。ツインボーカルだから出来る形だったり、この3人だと色々挑戦できる」と語り、オリジナル楽曲である「Silver Star Will」を披露。

続いて登場した中島さんは「この作品は特に家族愛など愛に満ちた作品で、初めて歌ったときは10代だったので、今はもっと気持ちを理解しながら歌うことができる様になりました」と語り、「たまゆら~もあぐれっしぶ~」のエンディングテーマ「ありがとう」を披露した。

15周年から40周年まで、世代を超えた周年企画&ユニット結成!?

さて、これまで紅白8組のパフォーマンスを駆け抜けてきた本イベントだが、ここからは企画コーナーが2本連続で続く。今年の1つ目の特別企画コーナーは「周年アニメ特集」。15周年から40周年まで幅広い世代それぞれを代表するアニメ作品について、周年記念として楽曲を披露することで作品を追体験できるという内容。早速今年で15周年を迎える『マクロスF』から中島愛さん、『らき☆すた』から福原香織さん、20周年を迎える『ひろがるスカイ!プリキュア』シリーズより吉武千颯さんの3名が登場。

中島さんはコロナ禍以降初の「星間飛行」の歌唱だったことから同楽曲でおなじみ「キラッ」のコーレスを誘い、観客一体となって盛り上がった。また、プリキュアのコスチュームで登場した吉武さんは「プリキュアはシリーズ20年になるんですけど、どのシリーズにも想いが込められていて素晴らしいんです。今年は周年ということでいろんなイベントも行われるので、もっともっとプリキュアの世界がどんどん広がってほしい」と熱く語った。

周年アニメ特集、続いてはそれぞれ35周年と40周年を迎えた『機動警察パトレイバー』より冨永みーなさん、『魔法の天使クリィミーマミ』より太田貴子さんが登場。主演した太田さんは「もう40年もたっちゃいましたね。いろんなファンの方にお会いする機会があるのですが、“クリィミーマミのサインをください”と言われると困っちゃうんですよね。私は太田貴子なんでね」とコメントしていた。

それぞれの周年を歌唱とともに祝った後は、2つ目の特別企画「スペシャルユニット」へ。本コーナーでは世代を超えた5名の声優がユニットとして本日限りの特別共演。90年代を代表するアニメソングたちを3曲連続でメドレー形式にて披露された。ここでは特別ゲストとして檜山修之さんnが登場し、永塚拓馬さん、土屋神葉さんによるSPユニットで昨年30周年を迎えた「幽☆遊☆白書」エンディングテーマ「アンバランスなKissをして」を歌いあげた。

続いて、特別ゲストとして國府田マリ子さんも登場し、保志総一朗さんとともに来年30周年を迎える「ママレード・ボーイ」の主題歌「笑顔で会いたい」を披露。「もっと声出していこうぜ!合言葉は“ピー”!」と会場を盛り上げ、「もう30年なんですか?私たちのユニット「キング&プリンセス」という名前どうですか?いろんな人とコラボできて声優紅白楽しいですね!」と大げさなアクションを見せる國府田さんに対し、檜山さんは「なんですか、その崩れ落ちるくだり」など漫才コンビの様な掛け合いが続き、仲の良さを披露した。

そして締めくくりは、國府田、檜山、保志、永塚、土屋’(敬称略)よるユニットにて「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」を披露し、会場を一体感に包み込んだ。MCの柳澤さんも「生で聞けたのが素晴らしいですよね。なんという皆さんたちのパワー」と90年代の人気アニメソンを自らも堪能し満足げな様子で語った。

後半戦は国民的アニメ対決も展開

さて、2つの特別企画で盛り上がったところで”歌合戦”の後半戦に突入、五番手、六番手は連続での出演となり、五番手は白組が高橋広樹、そして紅組の徳井青空が対決。

まず「金色のガッシュベル!!」より「チチをもげ!」をダンサー引き連れアニメさながらのパフォーマンスを披露した高橋さんが「目にラインを入れてます。世界のフォルゴレ大スターです。皆さんのストレス発散になっていれば嬉しいです」と語ると、「ラブライブ!」より「夏色えがおで1,2,Jump!」を披露した徳井さんが「みんなのアイドルにこるんよー。私が演じさせていただいたにこるんがセンターを務めた曲でした。皆さんいかがでしたかー?今日は素晴らしい先輩と歌わせていただいて嬉しかったです」と語り会場は徐々にヒートアップ。

続く六番手では紅組のTARAKOさんと、白組の中尾隆聖さんが登場。まず「ちびまる子ちゃん」より西城秀樹さんが歌われたエンディングテーマ「走れ正直者」をTARACOさんが披露。曲中で破竹の声真似ラッシュにも挑戦したTARAKOさん、後のMCでは「シンガーソングライターとしてデビューしてから40周年なんです。今日は共演の皆さんの若さを持って帰りたいと思ってました」と語った。また、中尾さんは「ドラゴンボール超」オープニングテーマ「限界突破×サバイバー」を披露。このためにカラオケで一人一生懸命練習していたという中尾さん、氷川きよしさんの原曲の雰囲気を残しつつ、ラスサビはフリーザに加え、同じく声優を務める「ばいきんマン」まで登場する強烈コラボで締めた。

※コーラス:榊原・土屋・永塚(敬称略)

白熱した対決もいよいよクライマックス。後にトリを飾るのは『サザエさん』から磯野カツオ役・冨永みーなさん、劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』から安室透役・古谷徹さんの2組。放送開始55周年と、興収100億突破という日本を代表する国民的アニメ同士の対決に歌唱前から湧いていた。

「サザエさん」のカツオを演じている冨永さんは「声優紅白初参戦なので大丈夫かなと思ったのですが、この曲なら大丈夫と思って。この作品はもうすぐ55周年を迎えるんです。皆さんも参加して歌ってください」と語り「サザエさん一家」を披露。途中、紅組の出演者がステージに集結する場面もあり、会場からは手拍子と声援が絶え間なく鳴り響いた。

続いて古谷さんが「私は安室徹というキャラクターを演じさせていただいているのですが、この作品で沢山の女性の心を鷲掴みにさせていただきました。公開時に歌って以来5年ぶりに歌います」と語り、劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』の主題歌で福山雅治さんの「零-ZERO-」を披露し、会場のボルテージは頂点に。

14曲全ての演目を終え、いよいよエンディングへ。今回は”歌合戦”であるため、Googleフォームを用いた投票が出演者コメントと共に同時進行で行われた。現地観客とネット配信による投票の結果、勝利を手にしたのは「白組」。優勝トロフィーを受け取った白組代表の古谷さんは「トロフィー持って帰っちゃいけないの?本当に嬉しいです。やっぱりファンの方は素直ですね(笑)。本当に感動しました。ありがとうございます」と笑いを誘いつつ感謝の意を述べた。

そして残念ながら負けてしまった紅組から代表して冨田さんが「白組のみなさん、素晴らしかったんですけど、紅組の皆さんも素晴らしかった。多分ですけど一票差だったと思うんです。来年は頑張ります」と謝辞を述べていた。さらに周年作品企画を代表して挨拶を求められた太田さんは「皆さんのペンライトのお花畑に感動しちゃいました。パンプルピンプルパムポップン!」と魔法の言葉で会場を沸かす。特別ユニット企画を代表して國府田さんは「皆さんの熱い声援、この身にたっぷり浴びて嬉しかったです。2024年にまた会いましょう」と語った。

MCを務めた柳原さんが「いやー、素晴らしかった。最高の時間をありがとうございました」と語ると、松澤さんも「同じイベントとは信じられないくらい色々な表情がありましたね」と語る。

最後の締めくくりとして優勝した白組の古谷さんは「紅組も白組も頑張りました。声援も沢山いただきました。本日は誠にありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。会場の興奮は最高潮となり、盛大なフィナーレを迎えた。若手からベテランまで集結したこの「声優紅白歌合戦2023」は5/27(土)23:59までアーカイブ配信されるため、ぜひチェックしていただきたい。

「声優紅白歌合戦2023」@パシフィコ横浜 国立大ホール
2023年5月20日(土)12:30開場/13:30開演発起人:中田譲治
出演声優(敬称略)
紅組…/伊藤彩沙/TARAKO/徳井青空/富田美憂/冨永みーな/中島愛/福原香織
白組…Isla・la(保志総一朗)/榊原優希/高橋広樹/土屋神葉/中尾隆聖/永塚拓馬/古谷徹
企画コーナー:太田貴子/吉武千

©「声優紅白歌合戦」実行委員会

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。