ホロライブのメタバースが正式稼働。株式上場前から進める肝入り企画、マネタイズ方法とは

カバー株式会社は24日、同社が開発・運営するメタバースプロジェクト「ホロアース」の正式リリースとなる「Ver.1.0.0」を実装した。今回のアップデートでは、ユーザーによるコンテンツ生成(UGC)やアイテムの販売が可能となる機能が追加されるほか、ホロライブプロダクション関連商品の公式ショップもオープンを行う。
「ホロアース」とはVTuberプロダクション「ホロライブ」が手掛けるメタバースプロジェクト。 2022年11月24日にロビーβ版がリリースされ、とある異世界を舞台に、自作のアバターを使って世界を探索したり他のユーザーと交流することができるメタバース空間としてWindowsからのアクセスに対応している。
正式リリースVer.1.0.0の最大の特徴は、ユーザーがオリジナルのファッションアイテムやスタンプパックを制作・販売できるマーケットプレイスの実装にある。クリエイターはツールを利用してTシャツやフーディなどを制作し、審査を経たアイテムは「マーケットプレイス」や「マイショップ」と呼ばれる専用エリアで販売。これにより、収益化の仕組みが導入され、ユーザーは現金として収益を得ることが可能となる。

また、2025年5月14日には「ホロライブプロダクションオフィシャルショップ in ホロアース」がオープン予定で、2024年に開催されたイベント「hololive EXPO2024」のキービジュアルに登場したタレント着用のアロハシャツなどのアイテムが販売される。
将来的なアップデート計画として、ホロライブタレントのアバター登場、アバター衣装の拡充、トラッキングモードの追加などが挙げられている。また、PC版の一部機能のモバイル対応も検討されている。
ホロアース事業責任者は「Ver1.0.0の正式リリース後もホロアースは随時アップデートをしていき既存の機能の拡充、新しい仕組みを導入していきます」と述べている。
なお、同社のメタバース戦略は直近から進めているものではなく、2023年はじめに同社がグロース市場へ上場したころから大きく紹介していた。当時の会見では同社の中長期的な成長フェーズとして、すでに達成しているSTEP1「強いIPの開発とファンベースの確立」、STEP2「コマース展開と先行投資」に続くSTEP3「メタバース事業〈ホロアース〉」と位置づけていた。(注:現在の事業戦略とは異なる)

また、マネタイズについては当時から上記「アバターストア」を中心とする方針を示し、計画時期は概ね想定通りと見受けられる。「展開次第だが、本格的には2025年以降のマネタイズになる見込み。収益モデルとしては主に2つを想定しており、1つは「ライブ」を通じたマネタイズ。チケット販売というよりかは、ライブに連動したアバター・グッズ販売や投げ銭。もう一つは「アバター衣装の販売」で、「Mobage」さんや「アメーバピグ」さんをイメージしていただくとわかりやすい。」(弊誌記事より)