ゴジラに150億円投資、アニメ本数を7年で倍増――東宝、新中期計画でアニメ・IPビジネスを本格強化


ゴジラに150億円投資、アニメ本数を7年で倍増――東宝、新中期計画でアニメ・IPビジネスを本格強化

東宝株式会社は14日、2026年2月期から2028年2月期までを対象とする「東宝グループ中期経営計画2028」を策定し、取締役会の決議を経て公表した。

この中計は2022年に公表した長期ビジョン「東宝グループ 長期ビジョン2032」を基にその方針を示すもので、「人材」「コンテンツ・IP」「デジタル」「海外」の4領域を重点項目とし、経営資源を積極的に投下。特にアニメ事業においては、同日に「単独セグメント」への昇格を果たしており、詳細を説明した。

M&A等の成長投資は3年間で1,200億円を掲げる

アニメ事業ではTOHO animationの企画・製作・宣伝体制と東宝グループが保有する制作スタジオ機能の強化を通じてアニメ制作本数の目標を「2032年までに30クール」とし、14クールだった2024年度比で倍増させる計画を示した。また、同期間におけるアニメ部門の人員も約60名から120名へと増強するとしている。

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収益面ではアニメ・IP事業全体の営業利益を2025年2月期比で200%以上に引き上げることを目標に策定。『葬送のフリーレン』『呪術廻戦』『怪獣8号』『ハイキュー!!』『僕のヒーローアカデミア』『SPY×FAMILY』『薬屋のひとりごと』『Dr.STONE』などの既存ヒットIPに加え、シリーズ化を視野に入れた新規企画の展開を進める。

また、同社の有力IP「ゴジラ」に対しては3年間で約150億円を投資する計画を明らかにしており、IPビジネス全体の強化策の中核と位置づけられている。さらに、IP領域においては「M&A」「シネコン出店」などの成長投資として3年間で1,200億円程度を設定した。

Yoshioka

著者 Yoshioka
オタク総研媒体統括 兼 株式会社オタクリエイト代表取締役。アニメ、テクノロジー(ガジェット)、コンテンツビジネス、システム開発などを取り扱っています。PRプランニングやIP調達、制作事業の統括も兼任。好きなものは新作アニメ、海外スマホ、東南アジア。