来年1月公開『ベルサイユのばら』新作劇場版、企画始動は“8年前”監督明かす…原作者も「我が作品ながら泣けてきました」サプライズ登場


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原作誕生から50年を迎える「ベルサイユのばら」の新作劇場版アニメについて、同作が2025年1月31日(金)に公開される。これに先駆けて、昨日8日に先行試写会が開催された。舞台挨拶にはメインキャラクターを演じる沢城みゆき(オスカル役)、平野綾(アントワネット役)、豊永利行(アンドレ役)、加藤和樹(フェルゼン役)、そしてナレーションを務めた黒木瞳、吉村愛監督ら6人が登壇した。

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本作を心待ちにしていたファンと共に待望の初お披露目となった同イベント。会場には「ベルサイユのばら」原作者・池田理代子先生もサプライズ登場した。

企画始動は「8年前から」監督ら感慨深さ口に

ステージに登場したキャスト&監督陣、オスカル役の沢城さんはさっそく「3年前の歌の収録から考えると、なかなかの年月が…。そこからアフレコがあって、ついにお客様を前にすることが出来ました」と感無量のようす。お隣の平野さんは「ようやく見ていただける!」「歴史のある大きな作品なのでプレッシャーが凄くて、アフレコ時からプレッシャーとの戦いでした。でもファンの方々に納得していただける作品に仕上がったと思います」と続けた。

そしてアンドレ役の豊永さんは大役に抜擢された当時!「彼には激情型の性格などの要素がある中で、彼の身上をどのように表現しようかと悩みつつの歌の収録でした」と回想、フェルゼン役の加藤さんは「このような場所に立てているとは思ってもいなかった」と皆プレッシャーも感じていたことを口にした。

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平野さんと沢城さん

さらに、ナレーション担当として関わった黒木さんは『ベルばら』ファンを公言しており、「劇場版アニメが公開されるとのニュースをいち早く知って、『民衆の一人でもいいから参加させてほしい!』と立候補しました」と自ら売り込んだ事を暴露。「ナレーションという大役をいただいて、大変光栄で感謝しております」とのコメントに吉村監督も「私たち側も『え?参加していただけるんですか!?』とビックリしました」と振り返っていた。

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黒木さん

そんな吉村監督は「企画から数えると8、9年くらい。コロナ禍があって動きが鈍い時期もありましたが、こうして本日を迎えることが出来て幸せです」と感慨深いさを露わにし、「原作の表現をそのままアニメにして動かしたかった。そこを大事にしながら作りました」と原作に最大限のリスペクトをはらった。

アフレコでは沢城さんと豊永さんのアンドレ&オスカルのコンビは共演しながら収録が出来たと振り返り、お二人で絆を実感していたほか、平野さんは加藤さんと別々の収録になったことも明かされた。

歌唱は「キャラソンではなく…」心構え語る。そして池田先生がサプライズ登壇

歌唱シーンについては、加藤さんは「素晴らしい楽曲の力に負けないように、役を降ろした状態で歌うことを心がけました」と心構えを述べ、豊永さんも「歌を演出の中に盛り込んでいるからこそ、キャラクターソング的位置づけにはしたくなかった。心で歌いたかった」と報告。楽曲のレコーディングはアフレコの前に行われたそうで、これには沢城さんもは「右を見ても左を見ても喋るように歌える方ばかり。私は…一生懸命に歌いました!」とかなりの重圧があったと振り返った。

その後は黒木さんのエピソードトークも展開されたなか、舞台挨拶終盤には、スペシャルゲストとして原作者の池田先生がステージに登壇。池田先生は劇場アニメ完成に「『ベルサイユのばら』を描いたのは私が24歳の時でした。そして今日劇場版を見せていただき、自分の想いがまず少しも変わっていないこと、自分の信念に忠実に生きる、そのように生きようと思ったことが、少しも変わっていないことに自分なりに感動しています。映画を鑑賞したのは今日で2回目ですが、最後は我が作品ながら泣けてきました」としみじみした様子を見せた。

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沢城さんから花束を受け取った田中さん

そんなコメントに『ベルばら』大ファンという平野さんは初対面に「もう泣きそう」とウルウルし「私がまさかこの時代にマリー・アントワネットを演じることが出来るとは思わず。本当に先生に感謝しています」と感激をあらわにした。

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登場したケーキ

さらに12月18日に迎える池田先生の誕生日を、特製ベルばらケーキとバラの花束で一足早くサプライズ祝福。池田先生は「作品誕生から50年も経ったのかと思います。オスカルではないですが、自分はどういう風に死ぬのか、真剣に考える様な歳になりまして、卑怯者としては死なないように、そして自分の死を受け入れようと改めて今日思いました」と心境を吐露しながらも、誕生日祝福に「誕生日という歳でもないのに、凄く意外で嬉しいです」と笑顔を見せた。

舞台挨拶の最後には沢城さんなら「最初に台本を読んだ時に『フランス万歳』というセリフをちゃんと言えないとこの作品は終わらないと思ってプレッシャーでしたが、先ほど池田先生がおっしゃったように、透徹した意志を持ってアフレコを進めたところ、自分として腑に落ちる『フランス万歳』に辿り着けたように感じました。期待を持って自信を持って、来年の公開を迎えることが出来ます」と力強くアピール。吉村監督も「これから先も愛される作品の歴史の一つになる事がとっても幸せで、この劇場版も皆さんに末永く愛していただけたら嬉しいです」と期待を込めた。

『ベルサイユのばら』作品情報

『ベルサイユのばら』は、1972年から「週刊マーガレット」(集英社)で連載され、その後、宝塚歌劇団による舞台化やTVアニメ化などを経て、少女漫画界に不動の地位を確立した。現在までに2000万部を超える累計発行部数を誇る。

新作アニメでは、将軍家の娘でありながら男性として育てられたオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェやオーストリアから嫁いできた美しく優雅なマリー・アントワネット王妃、オスカルの幼なじみであり従者のアンドレ・グランディエ、そして見目麗しいスウェーデンの伯爵ハンス・アクセル・フォン・フェルゼンなど、18世紀後半のフランス・ベルサイユで出会い、各自の運命を美しく生き抜く人々の物語が描かれる。監督には『アオハライド』や『チア男子!!』の吉村愛、脚本には『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズや『君に届け』の金春智子、キャラクターデザインには『初恋モンスター』や『ぬらりひょんの孫』の岡真里子を迎え、音楽プロデューサーには『進撃の巨人』の澤野弘之、そしてアニメ制作は『呪術廻戦』や『この世界の片隅に』を手掛けるMAPPAが担当する。

原作:池田理代子
監督:吉村 愛
脚本:金春智子
キャラクターデザイン:岡 真里子
音楽プロデューサー:澤野弘之
音楽:澤野弘之、KOHTA YAMAMOTO
アニメーション制作:MAPPA
製作:劇場アニメベルサイユのばら製作委員会
配給:TOHO NEXT、エイベックス・ピクチャーズ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ:沢城みゆき
マリー・アントワネット:平野 綾
アンドレ・グランディエ:豊永利行
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン:加藤和樹

Ⓒ池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。