今年1月にアメリカで行われた大型IT見本市「CES 2025」において、現地アクセサリーメーカーが当時未発表だった「Nintendo Switch 2」のレプリカを無断で展示していたことについて、任天堂のアメリカ現地法人がメーカーに対し、カリフォルニア州の地方裁判所を通じて提訴したことがわかった。
今回問題となったのは、CESに出展したアメリカのゲーミング周辺機器ブランドGenki(Human Things社)。同ブランドのブースでは「Switch 2対応」を謳ったアクセサリー群の展示や、Switch 2と主張するモックアップ(レプリカ)が用意されていたといい、インフルエンサーや現地メディアによる動画や記事が拡散されていた。
出展ページにも「Switch 2に関する情報や私たちがSwitch 2向けに作っているものについてもお話します」と記されたイベント予定が存在。また、同社が公開したモックアップにはJoy-Con 2の取り外し機構など、後の公式発表において判明した情報と一致していた要素が確認されていた。
この情報はイベント会期中に日本を含む世界的にも大きな話題となっており、この事態を受け、問題視した任天堂の法務チームがすぐさまGenkiのブースを直接訪問していたことも当時明らかに。後に任天堂は関係者に対し「公式のものではない」と回答していることがわかっていた。
秘密を守れますか?我々は…企業サイトでも多数の「予告」
その後数カ月を経て、任天堂がついに法的措置に踏み切ったことが今回、公開された裁判関連文書にて明らかになっている。
この提訴に対し、メーカー側は声明を公表。「ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、最近、任天堂が当社に対して訴訟を起こしました。当社はこれを真摯に受け止め、弁護士と連携して慎重に対応していく所存です。」と言及。「詳細はコメントできませんが、今週開催されるPAX East(イベント)で注文を処理し、最新製品を展示するための準備を進めています。」と、ここでも宣伝する文章を投稿していた。
https://x.com/GenkiThings/status/1918852177046737231
任天堂は訴状の中で、これらの活動が公式による許諾を得ない状態だったため「商標権の侵害」、「虚偽広告」、「不正競争」に該当すると主張している。また、Switch 2の発売日などを正式発表した4月2日同日に、Genkiがプロモーション動画「Genki Direct」を配信した点も、公式情報に便乗する意図があったと指摘している。

任天堂は直近にもエミュレータやファイル共有サイト、違法配信者、ゲーム海賊版など多数の法務関連で勝訴歴があるだけに、今後の進展に注目が集まっている。(裁判関連文書)