「東方」実は“10代人気”が熱烈?若年層を取り込み世代交代、長続きの一因とも指摘
人気コンテンツ「東方Project」より、非公式で行われている人気投票企画の第20回が先日開催され、結果が24日に公表された。この投票結果から、同作品のファン層の年齢構成などが注目を集めている。
東方Project(以下、東方)は、同人サークル「上海アリス幻樂団」が制作する弾幕シューティングゲームを中心としたメディアミックス作品。1996年の初作発表以来、音楽や書籍、そして創作と融合し、長期にわたり人気を博してきた。
そんな30周年も見えつつある東方だが、今回の投票結果では、各回答項目において投票者の地域や世代が話題に。注目すべきは多くの項目で「10~14歳」「15~19歳」「20〜24歳」の年齢層が上位を占めたことであり、特に15~19歳の層では「単独4桁」の数を記録したキャラクターもいるなど、若年層の支持の高さが顕著となった。
そして、過去のデータなどから地域別の動向も見えており、従来首位であった「南関東」に次いで「海外(東アジア)」が並ぶ結果となり、国際的な人気の高さも示された。
比較的長寿なコンテンツにも関わらず、近年の若年層の支持拡大の背景について、ファン内外からは「『ゆっくり実況』が流行したことで魔理沙や霊夢(キャラクター)、コンテンツへの関心が高まった」ことや「本家にとどまらない、公式二次創作によるゲーム展開などを通じた接点の拡大」そして活発な二次創作文化などが影響したのではとも分析されていた。
実際、投票者の「東方を知った時期」に関する質問では、比較的最近の作品である「鬼形獣~虹龍洞(2021年5月)」を挙げる回答も多く見られた。
若年層が多いゆえの苦悩も?
この投票結果がファン層全体を正確に反映しているとは限らない点ものの、若年層のファンが多いという傾向は、他のデータからも明らかに。例えば、2022年にサービスを終了した公認二次創作スマートフォンゲーム「東方ダンマクカグラ」では、20歳未満のユーザーが58%を占め、そのうち14歳以下が33%という、極めて若年層に偏重したユーザー構成だった。
この若年層の支持は注目に値する一方で、購買力の高い20代・30代以上の年齢層の獲得が不十分であったことが、同ゲームの短命の一因となったとの分析もある。
コンテンツの長期的な発展には、若年層の取り込みと同時に、幅広い年齢層からの支持獲得が重要となるが、東方での現況は概ね理想形かもしれない。