広告で見かけるIRIAM、猛暑のコミケで“全力冷却”ブース出展、参加者から「助かった」称賛の声…運営元に聞いた


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「涼んでいってくださーい!」「冷房たくさん用意しましたー!」。先日開催されたコミックマーケット104の企業ブース会場で、ひときわ異彩を放つブースがあった。DeNAが運営するVTuber配信アプリ「IRIAM」のブースだ。初のコミケ出展ながらも、その特徴的な展開がSNSや参加者から多くの好評の声を集めている。

毎年お盆シーズンに東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット。アニメやゲームファンやクリエイターがのべ26万人訪れた今回のコミケだが、両日とも最高気温が35度を超える猛暑日を記録。炎天下の中の待機列はもちろん、一部では冷房性能が追いついていなかったり、冷房が設置されていない場所もあったりと、暑さとの戦いも強いられた。

冗談抜きでオアシス…全力冷却で初出展したIRIAM

そのような状況下、IRIAMのブースは「全力冷却」を掲げ、他社とは一線を画す展開を行っていた。内容としてはその名の通り、ブース内を徹底的に冷やすことに注力するというもので、室内にスポットクーラーや扇風機が配置され、まさに砂漠のオアシスのよう。

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内部は一方通行になっており、多くの来場者が涼んでいた。ブースが展開されたのは南展示場であり、ビッグサイトとしては最も新しく空調設備も一番優れていたが、東展示場をはじめかなり“暑さにやられた”状態で入ると、かなりのありがたみを感じられた。

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会場には多くの参加者が列をなしてこのブースを体験。その様子をSNSで共有した参加者の投稿は「1万いいね」を超える注目を集めた。IRIAMと言えば、YouTubeなどの動画サイトにサービス広告が多く表示されることもあり、一部ではあまり良い印象を持たれていない可能性もある。そうした中での今回のブース展開だったため、「見直した」「普通の広告よりも圧倒的に素晴らしい」などと好評の声が寄せられている。

そんな今回のブース出展について、狙いや気になるポイントをIRIAM運営元であるDeNAの広報担当者に伺ってみた。

広報担当「役に立つ場所の提供者になろう」コメント、気になる排熱も聞いてみた

「私たちは『心でつながる魔法をかける』をミッションに配信プラットフォーム『IRIAM』を運営しています」と語る運営担当者。

「今回コミケに初出展するにあたり、サークルや企業ブースのコンテンツに皆様が喜び集う中で、プラットフォーマーとして何ができるだろうと必死で考えていました」

そして、ブース展開の方針については「議論を繰り返し、自分たちのサービス訴求よりも『コミケ来場者の皆様の役に立つ』場所の提供者になろうという方針が生まれました」と、最終的な決定に至った経緯についても言及があった。

「その結果として今回は、夏コミの暑さの中にひとときの涼しさを提供する『全力冷却ブース』の出展をさせていただきました」

一方で、クーラーなどを使用する場合に排熱が気になるとの指摘も一部から寄せられている。この点についてもどう対応したかを質問したところ、「運営に対する許諾も得つつ、排熱方向や高さ、水や氷での対応などの考慮や設計を行いました」と回答。

ただし、具体的な方法については「好評をいただいたこともあり企業秘密とさせてください」とのことで、詳細な説明は控えられたが、準備会との協議を経ての実施であることが明らかになった。

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今回のコミケでこうした「参加者サポート」を行う出展はこれだけでなく、イラストSNSで知られるpixivも「C104休憩所」と題したブースを展開。開放的なブース内では自由に座って休めるスペースが用意されたほか、 立ち寄るとオリジナルの水や飴などが配られ、水分補給・塩分補給をサポートしていた。

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。