東宝、アニメ制作会社「サイエンスSARU」を買収 『映像研』『犬王』歴任、新作映画の配給控える
東宝は23日、アニメーション作品の制作を行う株式会社サイエンスSARUを子会社化することを発表した。6月19日をめどにサイエンスSARUの代表取締役・崔 恩映氏より全株式を取得し、議決権100%の完全子会社化を行う。
サイエンスSARUは、2013年に設立されたアニメスタジオとして、同社の持ち寄る制作力を活かして数々のアニメシリーズ、映画作品を制作してきた。2017年公開の「夜明け告げるルーのうた」で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞したほか、アヌシー国際アニメーション映画祭ほか映画賞を多数受賞。直近では2022年公開の「犬王」でも、米国ゴールデングローブ賞最優秀長編アニメーション映画賞にノミネートされるなど、他地域で高い評価を得ていた。
買収に至った理由について、東宝は「質の高いアニメーション制作能力の強化や、グループ内でのアニメ事業の成長を加速させることが期待できる」ことによるものとしている。今回のグループ入りにより「制作環境の向上や、より多くの創作機会の提供などを通して、同社の従業員及び所属クリエイターがこれまで以上に才能を発揮できるように両社協働して取り組み、よりクオリティの高い、日本とグローバルに向けて作品を生み出していくことを目指してまいります」と説明した。
なお、両社の関係としては、サイエンスSARU制作による新作映画「きみの色」が本年内に配給を予定している点が挙げられるほか、財務上での業績への影響は軽微としている。