『ささ恋』加隈亜衣との芝居に“安心感”持った真理役・小原好美、繊細×天然が織りなす関係にキュン【インタビュー】


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テレビ朝日系全国ネット“NUMAnimation”枠にて放送中のTVアニメ『ささやくように恋を唄う』について、5月11日(土)より最新第5話が放送された。これにあわせて、本作にて筒井真理役を務める小原好美さんのオフィシャルインタビューが公開に。

※以下、第1話以降の内容を含みます。ご注意ください。

昨週放送の第4話で依は、ひまりを振り向かせるためにSSGIRLSに加入、ひまりも料理研究部に入部するなど、大きく物語が動き出した本作。しかしひまりが“先輩”と仲良くしていることに不安を覚えてしまうなか、ひまりは亜季に“依への想い”を告げられ…。そんな本作に登場する真理は、依の友人にしてSSGIRLSのドラムを担当。バンドメンバーの香織と絶妙なコンビネーション(?)を見せながら、依を支えている。

CV.加隈亜衣との掛け合いにも多大な期待よせた”お嬢様”役

――原作をご覧になったときの第一印象はいかがでしたか?

小原好美さん(以下、小原) 表紙をひと目見て、とても綺麗な色だなと思ったのが最初の感想でした。明るく柔らかい色で、とても爽やかに見えたんです。爽やかな感情以外も描かれるので、そういう部分を表現することもできると思うんですが、私はこの色になったのが素敵だなと感じて。アニメではこの色彩がどう表現されるのか、とても楽しみでした。

それから、同性を好きになることが、異性を好きになることとなんら変わらないものとして描かれているのもいいなと思いました。依がひまりを好きになったことを、真理たちは当たり前の恋として受け入れている。恋の話で盛り上がることはあっても、変にいじることはないんです。理想的な世界だなと思いました。

――小原さんが演じられる真理についてはどんな女の子だと思いましたか?

小原 初めてジャンクフードを食べたのが高校生になってからと聞いたときは、「どんなお嬢様!?」って驚きました。人の名前を呼ぶときも、なぜかフルネーム。自分も誰かをフルネームで呼べるか、心の中で試してみたんですが……いや~無理でした! 各キャストさんをフルネームで呼べるか? 小松未可子……呼べない!って(笑)。

――(笑)。そういう意味では、小原さんと真理はあまり似ていない感じですか?

小原 そうですね。私はどの役を演じるにしても共感できるところを探すんですが、どこも私とリンクしそうになかったので、これは相当読み込まないといけないぞと覚悟しました。そう思っていたら、真理って意外と他人に興味津々なんですよね。恋愛に興味がなさそうな雰囲気を漂わせているのに、「はっきりなさいな朝凪依」みたいな感じで実はぐいぐいいくタイプなんです。そういう部分にすごく親しみを覚えました。

――真理はお嬢様ではありますが、確かに親しみやすさが感じられます。

小原 第1話で香織に「まーちゃんはお金持ちだもんねー」と言われて、「まあね」と答えるくらいにはお金持ちなんですが、お高くとまっている感はなく、みんなと分け隔てなく接しているんです。きっと、人が好きなんだと思います。そういう部分は私も似ているなと感じましたし、そう思ってからは真理のことが掴みやすくなりました。

――真理もまた等身大の女子高生だったと。

小原 そうですね。みんなにそれぞれ特徴があるんですが、真理も特徴があるだけで普通の女子高生なんだと思えたら、すっと役に入っていけました。ただ、SSGILSの中ではテンションの幅が狭いんです。びっくりして目を開くということもなく、表情が基本的に一定なので、通常モードと喜んでいるモードをどう表現しようかというのは考えました。

――音響監督さんと何かご相談されたことはありますか?

小原 特に第1、2話は、キャスト陣の中で私が一番ディレクションをいただいたかもしれません。そのままの声だとちょっとかわいらしい印象が強いから、少し低めの声でお願いします、と。そういう意味で最初は、真理になるのは少し苦戦しました。第1、2話で方向性が固まってからは、「小原さんは真理になっているので、自由にやってください」とおっしゃっていただけたので、自分の思う素直な真理を演じられています。

――真理は香織とのコンビも面白いなと思いました。

小原 お約束の関係ですよね。「ひとめぼれなんて、ほんとにあるものかしら?」という真理に、香織が「まーちゃんに毎日ひとめぼれしてるよ~っ」とハグをしてきて、嫌々あしらう(第2話)。このお決まりの流れがすごく好きです。

――ベタベタしてくる香織、邪険に扱う真理の掛け合いは見ていて微笑ましいです。

小原 キャストが決まったときに、アフレコがすごく楽しみになったんです。共演する機会の多い小松さんと加隈(亜衣)さんの名前があり、特に加隈さんとは何度も共演していて、プライベートでも仲良くさせていただいているので。真理にとって一番のパートナーとも言える香織が加隈さんなら、お芝居もやりやすいだろうなという期待感がありました。

――実際に掛け合ってみて、いかがでしたか?

小原 加隈さんのかわいらしい声は、どのキャラクターのお芝居にもハマるので、安心感があります。掛け合いながら改めて魅力的な声だなと思いましたし、そのおかげで真理と同じ感覚になれたような気がします。ただ、私と真理で大きく違うのは、私は加隈さんを邪険に扱ったりしないことですね! むしろ子犬のように「はい、はい、そうなんですね!」って、はしゃいじゃうほうです(笑)。

――香織についてはどんな女の子だと思いますか?

小原 この作品に出てくる子はみんな素直な子ばかりですが、その中でも香織はいつもニコニコしていて、まったく裏がなさそうなんですよね。それが真理とのいいバランスになっていて。原作を読ませていただいたときも、アフレコで掛け合いをしているときも、SSGIRLSが和やかなのは香織の力も大きいんだろうなと感じました。

“クラスメイト”視点で見る二人の関係、そして新展開

――ひまり、依、亜季の気持ちが複雑に絡み合う中で、真理と香織はなんとなく安心して見ていられます。

小原 現状、二人はそれぞれの関係を見守りながら漫才をしているポジションなので(笑)、癒し枠に近いかもしれないです。

――小原さんからご覧になった依とひまりについてはいかですか?

小原 依は、SSGIRLSとは気心の知れた友達という感じなんですが、ひまりを前にした途端、ときめいた状態になって少しトーンが変わるのが微笑ましいです。依が心の繊細な部分を紡いでいくイメージだとしたら、対象的にひまりは天然さんのイメージ。そんなつもりじゃなくても、そう見えてしまう魔性が感じられます。とにかく何をやってもかわいいので、どこか推しをみているような感覚です。

――依のほうがドギマギさせられっぱなしですよね。

小原 一つ一つの言葉に敏感に反応する依はまさに恋する女の子で、見ているこちらもドキドキしてきます。これは瀬戸(麻沙美)さんのお芝居が素晴らしいからでもあります。瀬戸さんが演じることでより人間味が増した感じがして、私もこういう繊細な表現をしてみたいなと思わされました。

――一方、亜季は第4話のラストで「依、あたしがもらっちゃってもいいの?」と、ひまりに依のことが好きだと明かしました。

小原 10代の頃は、恋路を邪魔するじゃないですけど、いい感じの二人に割って入ろうとするキャラクターが少し苦手だったんです。でも、この年代になると物語の面白味がぐんと増すなと思うようになって、今は「いよいよきましたね……!」と勝手に盛り上がっています(笑)。きっと視聴者の方は今頃ドキドキされていると思いますが、キャストの特権として一足先にワクワクさせていただきました。このちょっとした他人事感も、我ながら真理っぽいなと思います。

――(笑)。確かに、近くにいるのに外から楽しんでいるような。

小原 真理は作中だと何も知らないんですが、私は「いい展開になってきたわね!」と思いながら楽しんでいます(笑)。

――第4話までを振り返って、特に印象に残っているシーンを教えていただけますか?

小原 第1話で依の歌声に“ひとめぼれ”したひまりが、昇降口で依と鉢合わせするまでのシーンですね。

――鉢合わせして、ひまりが“ひとめぼれ”したと伝えるシーンではなく?

小原 そこから物語が始まるので、確かに印象には残るんです。でも、私はどちらかというとまだ何も始まっていない、ただ同じ高校に通っている女子高生二人がすれ違い、二人の世界が変わるまでが好きなんです。ものすごく盛り上がる音楽が流れているわけでもなければ、二人が何か話しているわけでもないのに、何か予感めいたものが感じられて、とても素敵な瞬間でした。

高校時代は昔の物に憧れて…

――では、皆さんに伺っているのですが、「高校時代によく聴いていた音楽」やその思い出について教えていただけますか?

小原 音楽についてはかなりミーハーなので、流行っている曲を聴くというパターンが多かったです。その中でも思い出深いのは、父の影響でよく聴いていた杉山清貴&オメガトライブさんですね。ドライブのときによく流れていたというのもありますし、学生の頃から昔のものに憧れる傾向があって、よく聴いていました。

――最近、何か“ひとめぼれ”した人やものはありますか?

小原 好きなハンドメイド作家さんがいるんです。海外で買い付けたお洋服をリメイクして販売されている方なんですが、その方がお洋服を京都で販売されると聞いたので、調べてみたらある商品に“ひとめぼれ”してしまって。しかも、当日はオフの日だったんです。手に入るかどうかもわからないお洋服のために京都まで行くのってどうなんだろうと思ったんですが、前日も早い時間に仕事が終わることがわかったので、前乗りで京都に行きました。

――その服は買えたんですか?

小原 買えました! 1着のために京都まで一人旅するのは自分でもどうかと思いますが(笑)、行きたかった観光地も回れて、いろいろなものを吸収できたので、行ってよかったです。

――すごい行動力ですね!

小原 思い立ったら即行動派なんです。話は変わりますが、声優になると決めたときもすぐ行動しました。私はもともと役者をやっていて、そこから声優の道に進もうと思ったんです。そのときは、声優のオーディションを受けるならラストチャンスだと勝手に思って、当時所属していた事務所をやめ、なんの伝手もないまま声優事務所のオーディションを受けました。その話を家族に伝えたときに、母親から「あんたは本当に思い立ったらすぐ行動しちゃうのね」と言われたのをよく覚えています(笑)。小さい頃からそういうタイプだったみたいです。

――ありがとうございます。では最後に、第5話以降の見どころや小原さんご自身が期待しているポイントを教えていただけますでしょうか。

小原 依がSSGIRLSに加入したことでバンドの練習も増え、その先にはライブも待っています。音楽に打ち込む姿がアニメーションとしてどのように表現されているのか、一視聴者としても楽しみにしています。バンドに加入した依、料理研究部に入部したひまりと、恋愛以外の学生生活の描写も増えていくので、今学生の方も、かつて学生だった方も、どこか刺さる部分があるんじゃないかなと思います。

『ささやくように恋を唄う』作品情報

高校入学初日、新入生歓迎会でのバンド「SSGIRLS」の演奏を見た新入生の木野ひまりは、
ギターボーカルを務めていた朝凪依に憧れ、彼女に‟ひとめぼれ”をする。
その気持ちを伝えられた依は、ひまりに‟ひとめぼれ”という名の恋心を抱くことに。

憧れと恋心。同じ‟好き”でも異なる気持ち。
すれ違うふたりの関係に、バンドメンバーの想いも絡み合い…。

ふたりの‟ひとめぼれ”は、やがて鮮やかな青春を奏で始める——

『ささ恋』キービジュアル

放送:テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠 4月13日(土)より毎週土曜深夜 1:30~
原作:竹嶋えく(コミック百合姫/一迅社刊)
監督:真野玲

Ⓒ竹嶋えく・一迅社/ささやくように恋を唄う製作委員会

著者 編集部 アニメ情報担当