聖地が被災、復興支援も行う『スキップとローファー』表彰企画で受賞、ハナコも太鼓判「声が出ちゃうほど面白い」
BookLiveが主催するマンガキャラクターの表彰企画「マガデミー賞 2023」の受賞者表彰イベントが13日に都内にて開催され、昨年活躍した全6部門の受賞キャラクターや作品にトロフィーが贈られた。
また、今回から新たに秀でた作品を表彰する「作品賞」が設けられ、初の受賞作品として『スキップとローファー』が選出された。
『スキップとローファー』は講談社「月刊アフタヌーン」にて連載の、高松美咲によるマンガ作品として、既刊9巻の単行本は累計発行部数230万部を超える。地方の小さな中学校から東京の高偏差値高校に首席入学した主人公・美津未とクラスメイトたちが織り成すスクールライフ・コメディとして、昨年4月からはTVアニメの放送がスタート。
原作とともに今注目の作品の一つとして展開された本作だが、作中にて主人公の地元のモデルとなっていた石川県珠洲市が本年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」により大きな被害を被った。これを受けてTVアニメの製作委員会や出版社が共同で「無料チャリティ配信」を行い配信収益を寄付するなど、社会的活動にも寄与した。
チャリティ配信で注目『スキップとローファー』東京の高校生たちに投げられた一石 無自覚に周りを変えていく“みつみ”の魅力に迫る
そんな本作が初のマガデミー賞「作品賞」受賞ということで、表彰イベントには講談社の担当者が臨席し、原作を手掛ける高松美咲さんからのコメントを代読。
高松さんは「1月に、能登半島で大震災が起きました。作中出てくる美津未の故郷として登場した風景のほとんどが失われました。被災された方々の穏やかな時間を取り戻すまでには、本当に長い時間を要します。」「これからも『スキップとローファー』を娯楽として気楽に楽しんでいただきたいことに変わりはありませんが、時々、被災地の事を気にかけていただけると嬉しいです。」とコメント。そして「面倒が理由で連絡を先延ばしにしていた親しい人に会いに行って、一緒においしいご飯を食べてください。」と続け、作中でも描かれた人との関わりの大切さを語った。
担当者がトロフィーを受け取った後、マガデミー賞にて特別審査員を務めたお笑い芸人・ハナコの皆さんからの講評も語られ、「あまり少女マンガは読まないんですけど、読んだ時に声が出ちゃうくらい」面白かったと第一印象を明かしつつ、「本当に素晴らしい作品で、まだ読んでない方にはこの美津未ちゃんの不思議な魅力にハマっていただければ」などと太鼓判を押した。
また、一般審査員からのコメントも公表され、「人物の解像度が非常に高く、心の機微を繊細に表現していて、1人1人がそこにいるような感覚を覚える。物語の世界観は優しさにあふれているが、高校生の不安定でささくれ立ってしまう気持ちや不器用さが表現されているところに共感。さまざまな人に寄り添ってくれる、今の時代に合った作品。」などと評価されていた。