マンガで活躍したキャラを表彰「マガデミー賞」発表…主演男優賞に『薫凛』紬 凛太郎、全6部門一挙発表


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BookLiveが主催する”マンガキャラクター”を讃える表彰イベント「マガデミー賞 2023」が本日3月13日(水)に都内で開催され、各部門の受賞者と作品が発表された。主演男優賞には『薫る花は凛と咲く』の紬 凛太郎さん、主演女優賞には『海が歩くエンドロール』の茅野 うみ子さんが選ばれた。さらに、助演男優賞には『葬送のフリーレン』のヒンメルさん、助演女優賞には『アオアシ』の一条 花さんが受賞した。

「マガデミー賞」とは2021年に創設された、”キャラクターを讃える”表彰企画として、出版社の枠を越えてキャラクターや作品への感謝や敬意、文化の醸成を目指して今回で3回目の開催を迎える。 昨年10月の期間中、マンガファンから特設サイトやXにてキャラクター・作品の一般推薦を実施され、ノミネートに選ばれた作品やキャラクターから特別審査員のハナコ(お笑い芸人)や経験豊富な書店員による厳正なる審査を経て、各賞を選出。

この度、そんなマガデミー賞より、全6部門が発表に。イベントではいずれの受賞者も“全員欠席”となったものの、各出版社の担当者が臨席。特別審査員のハナコさんと審査員からトロフィーが贈られた。

受賞作品一覧

以下、本日発表された受賞キャラクター全6名と作品賞1作品の結果、紹介、評価コメントを紹介する。

「マガデミー賞2023」全6部門結果一覧

【主演男優賞】紬 凛太郎(つむぎ りんたろう)『薫る花は凛と咲く』
【主演⼥優賞】茅野 うみ⼦(ちの うみこ)『海が⾛るエンドロール』
【助演男優賞】ヒンメル 『葬送のフリーレン』
【助演⼥優賞】⼀条 花(いちじょう はな) 『アオアシ』
【審査員特別賞】古賀 みつき(こが みつき)・⼤沢 あや(おおさわ あや)『気になってる⼈が男じゃなかった』
【作品賞】『スキップとローファー』

主演賞2部門:受賞キャラクター

【主演男優賞】紬 凛太郎(つむぎ りんたろう)『薫る花は凛と咲く』
紬 凛太郎さんはおバカが集まる男⼦校に通う⾼校2年⽣です。⾦髪にピアス、⽬つきが悪く、強⾯で⾼⾝⻑という⾒た⽬から、初対⾯の相⼿に怖がられたり、ガラの悪い⼈たちに喧嘩を売られたりしがちです。⾒た⽬のせいで誤解されることの多い凛太郎さんですが、実は⼈⼀倍真っすぐで優しく、相⼿を思いやることができる⼈物。ある⽇、実家のケーキ屋の⼿伝い中、お客さんとして来ていた少⼥・和栗 薫⼦さんと出会います。⼈を⾒た⽬で判断しない薫⼦さんの優しい⼈柄に触れることで、凛太郎さんの⼼境に変化が⽣まれます。周りに否定されてきた過去から、誰にも⼼を開くことができずにいた凛太郎さんが、薫⼦さんとの出会いによって⾃分を変えようとする姿勢や、友⼈や恋⼈のために真っ直ぐに⾏動する純粋さが、⾒ている⼈の⼼に響きます。

【主演男優賞】紬凛太郎『薫る花は凛と咲く』

■受賞コメント
皆さま初めまして。千⿃⾼校 2 年の紬凛太郎といいます。
こんな光栄な賞をいただけるなんて想像もしていませんでしたが、
和栗さんや仲間のみんなに出会えたおかげだと思っています。
本当にありがとうございました。

■評価ポイント
紬 凛太郎さんは、周囲の⼈との関わりから臆病だった⾃⾝の殻を破って変化を続ける姿勢や、友⼈や恋⼈のために真っ直ぐに⾏動する純粋さに、共感や応援の声が集まりました。

【主演⼥優賞】茅野 うみ⼦(ちの うみこ)『海が⾛るエンドロール』
茅野 うみ⼦さんは、美⼤⽣である濱内海(はまうち かい)さんとの映画館での出会いをきっかけに、⾃分が「映画を撮りたい」と思っていたことに気づき、65 歳を過ぎてから美⼤に通うことを決意します。彼⼥は⼊学後の映像実習で、監督として映画を撮影することになるも、同じグループの⽣徒たちとの熱意の差や、⾃分が撮りたいものと完成した映像との乖離にモヤモヤとした気持ちを抱えます。しかし、そんなとき「映画を撮りたい」という気持ちで繋がった海さんと時間をともにすることで、映画を撮ることへの元気を取り戻します。何歳になっても新しいことにチャレンジすること、⾃分⾃⾝と向き合うこと、新たな友達と出会うことへの勇気をくれる、⼼優しい物語の主⼈公です。

【主演女優賞】茅野うみ子『海が走るエンドロール』

■茅野 うみ⼦さん 受賞コメント
茅野うみ⼦です。主演⼥優賞、まさか⾃分が出る側で賞をいただく事になるとは…ありがとうございます。
これからもより良いものを撮って、作っていきたいです。応援の程よろしくお願いします。

■評価ポイント
茅野 うみ⼦さんは、気づかないうちに蓋をしていた創作活動への情熱に触れて、穏やかな⽇常から抜け出し、年齢を⾔い訳にせず新しいことを始めるチャレンジ精神やエネルギーに、背中を押された、勇気をもらったという声が上がりました。

助演賞2部門:受賞キャラクター

【助演男優賞】ヒンメル 『葬送のフリーレン』
かつて勇者として世界を救ったヒンメルさん。魔王を倒し、天寿を全うした彼ですが、過去の活躍は、今も旅を続けるフリーレンさんや、彼に救われた⼈々を通して私たちにも伝わってきます。勇敢でありながらとても親しみやすい⼈柄で、困っている⼈を放っておくことができない性格。まさに「勇者」という⾔葉に相応しい⼈物でした。『葬送のフリーレン』は、ヒンメルさんの死後、⻑寿のエルフであるフリーレンさんが、「⼈間をもっと知ろう」と思い直し再び旅をする物語です。⼆度⽬の旅を通して、フリーレンさんは、ヒンメルさんが⽣前どれだけ⾃分に影響を及ぼしていたのかに気づくことになります。死後もなお、『葬送のフリーレン』という、フリーレンさんの旅の物語を⽀える名助演キャラクターです。

【助演男優賞】ヒンメル「葬送のフリーレン」

■ヒンメルさん 受賞コメント
受賞ありがとう。対価はフリーレンが受けとるさ。千年は保つくらい丈夫な賞を作ってくれ。

■評価ポイント
ヒンメルさんは、フリーレンさんの回想シーンでの登場が中⼼で出演回数が少ないものの、エピソードを重ねる中でその個性が徐々に明らかになり、主⼈公であるフリーレンさんに⼤きな影響を与える⼈物として作品全体を形作る唯⼀無⼆な存在であることから、助演男優賞に相応しいと賞が贈られました。

【助演⼥優賞】⼀条 花(いちじょう はな) 『アオアシ』
主⼈公・⻘井 葦⼈(あおい アシト)さんが所属するサッカーチームの監督の義理の妹である⼀条花さん。サッカーの知識はないものの、葦⼈さんのプレーに惚れ込み、⾃ら葦⼈の「世界最初のファン」を宣⾔し、⽇々の献⽴作りから葦⼈をサポートするようになります。明るく天真爛漫な花さんですが、「頑張れ。⼈間は考える葦である。」と、時に印象的な⾔葉で葦⼈さんを勇気づけ、新しい気づきを与えます。そして葦⼈さんを応援するだけでなく、花さん⾃⾝も世界的なスポーツドクターになるため、⾼校⽣のうちからスペインへの留学を決意。その⾏動⼒に刺激され、葦⼈さんにとっても⼤切な存在になっていきます。ただサポートするのではなく、⾃らも努⼒し成⻑しようとする彼⼥に、葦⼈さんだけでなく我々読者も頑張る⼒をもらえます。

【助演女優賞】一条花「アオアシ」

■⼀条 花さん 受賞コメント
ピッチで戦ってるみんなじゃなくて、応援しかできない私が受賞できたことに驚きです︕
ありがたく頂戴いたします︕

■評価ポイント
⼀条花さんは、サッカークラブのユースチームに所属する主⼈公の⻘井葦⼈さんの「世界で最初のファン」と⾃称する通り、葦⼈さんへの懸命なサポートや背中を押す⾔葉の数々に加え、彼⼥⾃⾝も⽬標を持って努⼒する姿に賞賛が集まり、助演⼥優賞が贈られました。

特別賞1部門キャラクター・作品賞1作品

【審査員特別賞】古賀 みつき(こが みつき)・⼤沢 あや(おおさわ あや)『気になってる⼈が男じゃなかった』
古賀 みつきさん・⼤沢 あやさんは同じクラスの⾼校 2 年⽣です。古賀さんは⼩さいころからロックが好きで、叔⽗が経営するCD ショップでアルバイトをしています。学校では、⾳楽をはじめとする⾃分の趣味が周りと違うことを気にして⽬⽴たない格好をしている彼⼥ですが、アルバイト中は⿊マスクにストリートカジュアルな服装で、まさにイケメン。偶然⼊店したクラスメイトの⼤沢あやさんに男性と勘違いされ、更には好意を持たれることになります。

⼀⽅のあやさんは、キラキラした外⾒とコミュ⼒の⾼さから男⼥ともに好かれる⼈気者ですが、⾳楽の趣味が周囲とあわないことに対する寂しさと諦めを感じている⼀⾯も。陰と陽で、対照的なふたりが⾳楽という共通の趣味をきっかけに惹かれ合う姿や、⾃分の好きなものを好きと貫く姿勢には、ときめきと活⼒をもらいます。

【審査員特別賞】古賀 みつき&大沢 あや『気になってる人が男じゃなかった』

■受賞コメント
古賀 みつきさん︓え?! この特別賞って 2 ⼈⼀緒にもらっていいんですか︖
す、すいません、私なんか…というか⼤沢さんがいなかったら私はこんなモノ……
⼤沢 あやさん︓あーもう!!////
古賀さん、黙ってもらっとけ!!ありがとうございます!!

■評価ポイント
審査員特別賞では、審査員の意⾒も分かれ⽩熱した議論が起こりました。⼥⼦⾼校⽣2名が主演の『気になってる⼈が男じゃなかった』からは、古賀みつきさん・⼤沢あやさんをそれぞれ推薦する声も上がり、最終的には「2⼈の関係性を讃えたい」という審査員⼀同の想いから、異例のペア受賞となりました。

【作品賞】『スキップとローファー』
勉強以外はちょっと抜けているけど、何事も⼀⽣懸命な主⼈公・岩倉 美津未(いわくら みつみ)の素直さやポジティブさに触れることで、周りのクラスメイト達もいつの間にか⼼がほぐれたり、⾃分なりに頑張ってみたりと影響を受けていきます。美津未以外のクラスメイト達も個性豊かで魅⼒的。学⽣時代に誰もが経験した友⼈関係や恋愛のモヤモヤを⼀緒に悩んでくれる“みつみちゃん”やクラスメイト達にきっと元気をもらえるはずです。

■作者・⾼松美咲先⽣ 受賞コメント
このたびは作品賞に選んでいただいてありがとうございます。
1 ⽉に、能登半島で⼤震災が起きました。作中出てくる美津未の故郷として登場した⾵景のほとんどが失われました。
被災された⽅々の穏やかな時間を取り戻すまでには、本当に⻑い時間を要します。
これからも『スキップとローファー』を娯楽として気楽に楽しんでいただきたいことに変わりはありませんが、時々、被災地の事を気にかけていただけると嬉しいです。
そして、⾯倒が理由で連絡を先延ばしにしていた親しい⼈に会いに⾏って、⼀緒においしいご飯を⾷べてください。