バトルにフィーチャーした第4話、劇場ならではの”Dolby Atmos”での体験を『ガールズ&パンツァー 最終章』試写会トークレポート


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10月6日(金)より全国の映画館にて上映が始まった劇場アニメ『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話について、10月3日に実施された試写会にて本作の3DCGI監督・特技演出を手掛けた柳野啓一郎さんと、音響監督・岩浪美和さんが出演。

試写会では新宿バルト9、グランドシネマサンシャイン池袋など、一部劇場で採用されている立体音響「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」を採用したバージョンの上映となり、お二人による『ガルパン最終章』の音響と、CGを活用した映像制作についてのトークが繰り広げられた。<オフィシャルレポート>

ドルビーアトモス版の音響とは?

全6話での展開として2017年より上映されてきた『最終章』のの後半戦として第4話では「冬季無限軌道杯」の準決勝が描かる。大洗女子学園VS継続高校による雪原の戦いに加え、黒森峰女学園VS聖グロリアーナ女学院による渓谷での激しいバトルをフィーチャーした構成となっている。

特徴としてはその上映時間(54分)の大半が戦車戦に割かれ、そのハイスピード・ハイテンションの派手なアクションが本話の大きな魅力だという。戦闘シーンでは敵・味方問わず多彩な戦車が入り乱れるパートも多いが、そこで鑑賞者の助けになっているのが、ドルビーアトモスによる音響であるとしている。ドルビーアトモスでは砲撃の位置や場所に応じて細かく音の“出どころ”が変化するほか、恐怖すら感じられる低音、耳が痛くならない高音など、音の分離と質感にもこだわられた設計となっているそうだ、

上演後に実施されたトークコーナーではまず音響監督を務める岩浪さんが登壇。ここではドルビーアトモスの特徴をわかりやすく伝えるため、2分程度にまとめた5.1ch版、ドルビーアトモス版の本編映像を続けて上映しらその音響の違いを丁寧に解説。

5.1ch版は、すべての音を文字通り5.1chの中に振り分けるシステム。一方でドルビーアトモス版は、タテ×ヨコ×高さの位置(空間)情報が紐付けられた音源を使用する。これを、スクリーン裏をはじめ、サイドや後方の壁、天井に設置された劇場のスピーカー群を個別に制御することにより、位置情報通りに音を再現するという仕組みだ。この位置情報はタテ、ヨコ、高さそれぞれ1000段階で設定できるため、「実質10億個のスピーカーを使っていると考えてもらって良い」と説明する岩浪さん。

例えば、「後方から(鑑賞者の)真上を通過して前方へ移動する音」を、位置情報に沿って制作者の意図通りに正確に再現できいるとのこと。

映像と音の組み合わせは過去最高の完成度

岩浪さんの説明のあとは3DCGI監督を務めた柳野さんも臨席。ここからは、CG制作を中心とした『最終章』第4話の制作についての話題となり、シナリオや絵コンテにも目を通しているという岩浪さんは、まず「(元の)コンテより盛っていますよね?」と、柳野さんに質問すると、「だいぶ変わっていますね。でも、監督の了承は取っています(笑)」と回答。

理由に関して、コンテに描かれた戦車の動きから意図を読み取る中で、「自然と演技ができてくる。勝手に戦車が動きはじめる」と説明し、それに合わせて絵コンテを修正していると語った。また、戦車の3Dモデル自体も、TVシリーズからは細かくバージョンアップが行われているとのこと。

ちなみに、『最終章』第4話の合計カット数は1000カットを超えるが、そのうちの約800カットがCGで制作されたカットたまそうで、この点について岩波さんは「第4話では今までのように出しゃばってはいけない。音でドヤってはいけない」として映像をサポートする役割に徹したそうだ。特に、画面外やフレーミングアウトしていく戦車の動きを音でフォローアップ。柳野さんも、「立体的に包まれるような音響によって、映像がさらに分かりやすく、より楽しめるようになっている。映像と音との組み合わせの完成度はかなり上がったのではないか」と感想を述べた。

『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話 作品情報

要のあんこうチームを序盤で失うという、かつてないピンチに陥った大洗女子学園。
不敵に迫りくる継続高校に対し、残ったメンバーに打つ手はあるのか……?
冬季無限軌道杯準決勝、波乱の幕開けの結末やいかに……!!
一方、黒森峰女学園vs聖グロリアーナ女学院戦も、息もつかせぬ激戦に。
自分なりの戦車道を見つけた黒森峰隊長・逸見エリカを、難敵である聖グロ隊長・ダージリンが迎え撃つ。
どちらのカードも、一瞬たりとも目が離せない! 決勝戦への切符をつかむのは、誰だ――!?

【媒体】劇場上映
【上映時間】54分
【アニメーション制作】アクタス
【配給】ショウゲート

©GIRLS und PANZER Finale Projekt

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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