【検証】移動時に本領発揮?近未来のARグラス「XREAL Air」は仕事、ゲーム、アニメ視聴で”使える”か 新発売のXREAL Beamと共に試す


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VRにAR、MRと様々な”近未来”を感じるメガネ型デバイスが次々と登場する近年、特に注目を集めているのがXREAL社が手掛けるARグラス「XREAL Air」だ。

XREAL Airとは、2022年3月に日本上陸を果たしたARグラス。高解像での映像表現と軽量さを兼ね備えつつも価格は4.9万円〜と、これまで非常に高価で手の出しづらかった「AR」という世界をより身近なものに仕立てたデバイスとして話題に。以前は「Nreal Air」と呼ばれていたが、本年に社名の変更に伴いリブランディングを実施していた。

そんな「AR」を体験することができる本製品、興味がある方や購入を検討している方の中で「どの用途にどの程度まで使えるのか」と気になる方も多いだろう。そこで、本稿では「仕事」「ゲーム」「アニメ(等エンタメ視聴)」という3つの利用シーンにおけるARグラスの有用性を中心にお届けする。

【Amazon.co.jp】XREAL Storeで「XREAL Air」「XREAL Beam」を購入

【仕事】「机がない」移動時に本領発揮

仕事シーンでは主にXREAL Air単体でPC等のデバイスの映像をAR空間上に映し出し、仮想ディスプレイとして運用することが挙げられる。本製品はデバイス本体上部に設置された発光パネルを通じて実空間に投影することでARを実現しており、目の前に130インチ程度の大画面で作業が可能になることが特長。

接続は非常に簡単で、映像出力に対応したパソコンのUSB-CポートとXREAL Airとを付属のケーブルで接続するだけ。特段給電なしで利用することが可能だ。そんな本製品だが、仕事シーンにおいてとりわけ「机がない」という環境で非常に便利だと感じた。

筆者はお盆の時期に(諸事情で慣れない)高速バスで東京→名古屋を移動していたのだが、6時間もの間、新幹線のように前の座席からテーブルを開きPCを置いてカタカタカタ…とできない状況が続いた。

そこで、持ち合わせていたXREAL Airと後述の新商品「XREAL Beam」とを利用することで、ちょっとした簡単な作業やメール返信、原稿執筆などを快適に行なえ、大変重宝した。作業風景を写真としてお伝えするのが非常に難しく、合成画像となるが以下のような見え方で作業をすることとなり、実用に耐えうるという印象だった。

とはいえ、高速バスのような揺れる環境では乗り物酔いの有無がかなり影響する上、筆者は酔い耐性が強いことからあくまで個人の主観的な感想として汲んでいただきたい。なお、輝度差の調整もXREAL Airのテンプル(つる)部分で可能なので「周りが明るくて見えない…」といったことも特段無かった。

【ゲーム】新発売「XREAL Beam」でSwitchと連携可能に!

続いてはシーンをエンタメに移し、ゲームプレイで検証する。XREAL Airは昨年より日本国内での展開が行われているARグラスだが、発売直後からの短所として”対応デバイスの少なさ”が挙げられた。

元来、XREAL AirはThunderboltのHDMI Alt Modeをサポートする一部のAndroidスマートフォン、iPhoneシリーズ(別途変換機必須)、USB-C搭載PCのみの対応となっており、ほとんどのAndroidスマホやNintendo Switch等のゲーム機では体験することができなかった。

全3つの接続モードが存在し、環境や端末によって親和性が大きく異なる

しかし、今回新たに販売となったXREAL Airのリモコン型専用中継デバイス「XREAL Beam」を使うことで、これらの非対応デバイスに対応するだけでなく、WiFiによるワイヤレスミラーリングも実現することとなった。価格はおよそ16,000円から、公式サイトやAmazon.co.jp等の各種ECにて取り扱いが始まっている。

本製品は4方向操作ボタンと2つのUSB-Cポートを備えており、バッテリー駆動が可能。本体下部のUSB-C(右)にXREAL Airを、USB-C(左)に映像入力デバイスをそれぞれ接続することで自動的に起動し、10〜20秒ほどで利用可能になる。

今回筆者はNintendo Swich専用タイトル「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」をXREAL Beamを経由してXRAL Airで遊んでみたが、これがかなり体験として良いことが印象的だった。

というのも、通常ゲームを遊ぶにはTVや本体をしっかり見ながらプレイする必要があるが、ARグラスは目の前に投影部分が設置されていることから常に目の前に大画面があることとなり、どんな姿勢でも問題なくプレイすることができる。極論、寝ながらや歩きながらでのプレイも可能という訳だ。

また、本体側面にあるボタンからは「画面を固定するモード」と「画面を視線に追従させるモード」とをスムーズに切り替えることが可能なほか、小さく端に寄せるモードも搭載されているのでストレスなく仕事やエンタメを楽しむことができる。

このように、XREAL Air+XREAL Beamの構成は多くのデバイス対応を実現するため、非常に良い選択肢だとは思うが、外出時や移動時での運用となるとどうしても本機をポケットなどに収納する必要があり、「スマートじゃない」感は否めなかった。(なお、スマートフォンの場合はワイヤレス接続ができるのでこれに非ず)

そして、想像以上に発熱がネックであることも印象的。本体は熱を持ちつつ、そこそこの排熱ファンの音がなるため、これらの点は今後の改善点だと感じた。

【アニメ】周りを気にせず”お色気作品”も堪能できる!

最後にARグラスの用途として最も多くの方が期待しているであろう、動画視聴について検証する。

前述の通り、XREAL Airでは目の前に130インチ程度の画面が投影されることから、大画面テレビに引けを取らない大迫力での映像を楽しめる。しかもそれを飛行機や新幹線の中でも体験できるという、場所を選ばないというARの良さも実際に乗って体感できた。

周りの目を気にせず楽しめるという点も大きい。つまり、少しお色気の強い作品(今期アニメで言うと『てんぷる』や『あやかしトライアングル』など)を隣の人から覗き込まれることなく、大画面で堂々と堪能できるのだ。これはARでしか体験することの出来ない、非常に貴重な動画視聴の楽しみ方だと感じた。

小さな文字もしっかり投影できるので、映像によらずマンガなどエンタメ全般にも◎

また、XREAL Airを通じて見える景色は少しグレーがかっていることから、周りが明るくて映像に集中できない…といった不満も特段なかった。充電についても最大5時間連続駆動が可能で、映画2本分はまるまる見ることができる程度だ。

【左】XREAL Airを通して見た景色(体験を元に画像加工で再現) 【右】裸眼で見た景色

ここで、動画視聴を行う上で非常に重要な「快適か」という点については、ARグラスはメガネ型デバイスであることから、普段メガネを掛けない人にとって、はじめは(ノーズパッド含め)かなり違和感を覚えることが予想される。

加えて「79gの超軽量」と謳ってはいるものの、完全ストレスフル!とまではいかず、重量感があるのは否めない。そのため、メガネに不慣れな方は自由なスタイルで動画視聴ができるという利点を取るか、違和感という欠点を取るかというトレード・オフが迫られるかもしれない。

「アマプラやネトフリ見られない」落とし穴も

最後に「XREAL Air」および「XREAL Beam」の購入を検討する上で大切な注意点を述べて締めたい。様々な用途に使用できる本製品だが、スマートフォンとのワイヤレス接続を行う場合は「著作権保護(DRM保護)のかかったコンテンツは見ることが出来ない」ことに注意しよう。

例を上げると大手配信サービス「Netflix」や「Amazon PrimeVideo」などで、これらのアプリをワイヤレス接続経由で表示しようとすると画面がブラックアウトしてしまう。「YouTube」や「ABEMA」「dアニメストア」といったその他のDRM保護対象外アプリは勿論問題なく見ることが出来る上、直接XREAL Airを接続する場合は問題ないため、必ずどのアプリと端末を使っているかを確かめる必要がある。

Prime Videoの映像は表示されない…(音声は聞ける)

※なお、この現象はアプリとAndroidシステムの仕様あるため、XREAL Beamのせいではないことは悪しからず。

以上、XREAL社のARグラス「XREAL Air」と新発売の専用デバイス「XREAL Beam」を想定される用途でそれぞれ有用かどうかを検証した。ここまで来て申し上げるのは野暮かもしれないが、ARグラスはその特性上非常にお伝えすることが難しいガジェットの一つなので「ぜひご自身で試して欲しい」というのが実際に使った所感だ。

特に「メガネ型デバイスへの慣れ」が人それぞれで未知数であることから、個人差が非常に大きいことが予想される。なので、もし購入を検討している方がいらっしゃれば、向き不向きを確かめる意も含めて、可能であれば店頭展示のデモ機の試用やレンタルサービスなども検討していただきたい。

製品協力:日本XREAL株式会社

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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