『鬼滅の刃』盗撮行為に公式警告 一部海外ファンの“早く観たい”正当化に「理由にならない」批判も


『鬼滅の刃』盗撮行為に公式警告 一部海外ファンの“早く観たい”正当化に「理由にならない」批判も
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

7月18日に公開された『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が記録的スタートとなるなか、劇場でのマナーや「盗撮」が問題となっている。これを受けて、製作委員会は25日に盗撮に関する厳正な対処方針を示した。

7月25日には「刑事告訴を含む厳正な対処」を日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)で公表「本編映像を盗撮した映像がインターネット上に見られます。」としたうえで、盗撮行為は10年以下の懲役(拘禁)または1000万円以下の罰金となる犯罪と警告。

「盗撮行為、違法アップロード等の悪質な著作権侵害に対しては、刑事告訴を含む厳正な対処をしていく所存です。匿名での投稿であってもアップロード元は特定可能であり、処罰の対象となります。」と毅然とした方針を示した。

本シリーズにおける盗撮問題は今回が初めてではない。2021年に大ヒットを打ち立てた『無限列車編』では盗撮した53歳の男性が映画盗撮防止法違反などで書類送検されていた。

5月の本予告解禁でも“盗撮”確認、海外からは「早く観たい」擁護も

また、今作の映画公開前、5月9日から始まった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のリバイバル上映でもエンディングで流れる「無限城編」の予告映像が盗撮され、X、YouTube、TikTok、海外SNSで拡散され物議に。当時も公式Xアカウントが注意喚起を行った。

特にティザー映像の盗撮に関しては、公式による放映告知や拡散されていたポストに懸念を示す国内外ファンが多数いた一方、称賛する海外ファンのコメントも存在。日本と海外での公開時期の遅れを正当化する理由として挙げる意見も確認された。

そして今回の『無限城編 第一章』。日本で7月18日に公開されたものの、アジア各国で8月、北米で9月など海外では公開日の遅れが生じている。中国本土では上映自体行われるか不透明だとして話題になる反面、作品の知名度は急上昇しているため、このタイムラグが海外ファンの「早く見たい」という心理を刺激し、一部の正当化する意見を生み出したり、違法行為に走らせる一因となっている可能性がある。

しかし、公式からも説明がある通り盗撮はマナー問題ではなく「映画盗撮防止法違反」というれっきとした違法行為。日本のファンからは「映画館でスマホ撮影を見かけた」との報告や「そもそも違法で正当化する理由にならない」「洋画の日本放映でも同じなのに…」といった声も聞かれている。

著者 経済/社会担当
オタクの“今”を届ける新・総合メディアより、アニメ・ゲーム等関連企業の動向やコンテンツ産業の動きを紹介します。エンタメと経済、双方の視点で迅速に、わかりやすく、独自の切り口でお届けいたします。