原作者が選ぶ『リゼロ』アニメ第3期の名シーンは?小林裕介、高橋李依ら史上最多声優陣が作品トーク


原作者が選ぶ『リゼロ』アニメ第3期の名シーンは?小林裕介、高橋李依ら史上最多声優陣が作品トーク

2024年10月~11月にかけて襲撃編、2025年2月~3月にかけて反撃編が放送されたTVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』3rd seasonより、出演声優陣&主題歌アーティストが登壇した一大イベントが、去る5月24日(土)に東京ドームシティプリズムホールで開催されました。

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イベントではトーク、朗読劇、コーナーにライブで盛り上がったなか、昼の部と夜の部を通してエピソードを振り返る「長月達平先生が選ぶ3rd seasonベストシーン!」コーナーが展開。ここでは、原作の長月先生が選んだ3rd seasonの名シーンとそのシーンに関するコメントを発表していき、そんな長月先生が選んだ名場面について声優陣がトークしていきました。

昼の部は「襲撃編」を振り返り…やはりスバルの演説は見もの!

第51話「劇場型悪意」冒頭のスバルとベアトリスの掛け合いや、第52話「氷炎の結末」エミリアとシリウス・ロマネコンティとの戦闘シーンなど、昼の部では襲撃編の名場面がピックアップ。第53話「ゴージャス・タイガー」におけるガーフィールとミミの語らいについて描いた場面では、母親に忘れられてしまったガーフィールの心情に寄り添うミミという岡本さんと藤井さんのお芝居が光り、思わず涙した新井さんだけでなく会場もしんみりとした空気に包まれていました。

他には第57話「最も新しい英雄と最も古い英雄」のスバルの演説前の一幕や、第58話「いつか好きになる人」でレグルスに対して啖呵を切るエミリアの名場面が挙がりました。スバルの演説前の一幕については、岡本さんはスバルを大将と呼んで慕うガーフィールだけに、パッションでスバルの心に刺されば良いなと思いながら演じていたとコメント。ユリウスについてはスバルの黒歴史な姿を知っているというこれまでの流れがあるからこそグッとくる場面であり、江口さんはユリウスがいかにスバルを心から信頼しているのか、それを伝えるトーンや喋り方を意識していたと話してくれました。

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小林さんはスバル自身は自分が上手に事を運んだとは思っておらず、あくまでみんながいるから頑張れるというスタンスだと述べました。自分を何でみんなが応援してくれるのかわかってはいないものの、スバルは周りの人たちに恵まれたから立っていられるし、この後の演説へ行くまでのこの掛け合いが心強かったと収録時の心境を吐露していました。

レグルスに対して啖呵を切るエミリアについては、まだ未熟ながらもスバルへの想いを真摯に吐露していく場面とあって彼女の心情が掘り下げられました。演じる高橋さん自身もスバルがエミリアと呼び捨てする時とエミリアたんと呼ぶ時の違いについて感じるものがあったようで、エミリア自身がそのことを語ってくれたことに喜びがあったのだとか。

スバル自身はそんなエミリアの想いを直接聴けてはいないのですが、小林さんは出来上がった映像を見てあのタイミングでサブタイトルの「いつか好きになる人」が出ることを知って震えたと一言。また、エミリアが語った呼び方の違いについて、スバル本人に言ってあげて欲しいと切実に望んでいました。

夜の部では「反撃編」を振り返り

一方、夜の部では襲撃編とは打って変わって、最初のコーナーで「反撃編」が展開。

第60話「強欲攻略戦」でスバルの耳貸してという言葉に「ちゃんと返してね」と言うエミリア・第61話「リリアナ・マスカレード」で披露された「朝焼けを追い越す空」・第64話「テレシア・ヴァン・アストレア」におけるアストレア家のキャラクターたちの確執が見えるシーン・第65話「醜悪なる晩餐会」でサブタイトルを変えてみせたベアトリス・第66話「プリステラ攻略戦リザルト」で欠員なしで自分たちの勝利だと語ったアナスタシアと忘れられたユリウスとなりました。

アストレア家の確執が描かれたシーンについて、長月先生は限界家族過ぎると評していましたが、コメントではなんと、ここが書きたかったからこのエピソードを執筆したとの気になる情報も。今後もまだまだアストレア家は掘り下げられるかもしれません。サブタイトルを変えてみせたベアトリスについては、窮地に陥ったオットーをベアトリスが救うという場面なので、ある意味オットーはヒーローに助けられるヒロインの立ち位置。

天﨑さんはオットーはここまで他陣営のキャラクターと行動を共にしており、ここでようやく自陣営のベアトリスが助けてくれたので安心感があったと語っていました。最後のユリウスに関しては3rd seasonのラストシーンになっており、喜びや安心だけでなく不穏なものを残していく『リゼロ』らしい場面でもありました。長月先生は絶望感を感じさせる江口さんのお芝居が素晴らしいのは前提としつつ、あのシーンの地獄度を上げているのはその直前の「ウチらの勝ちや!」と語ったアナスタシアの笑顔だと力説。

暴食の餌食になったということは、ユリウスは自分が仕えるアナスタシアに忘れられるというしんどい状況をスバルに見つけてもらうまでに味わっているハズ。江口さんはそういう状況を踏まえて、最後のシーンはアフレコ時に色々なパターンを収録していたと明かしてくれました。また、植田さんもオンエアを見て「なんてことをするんだ!」と驚いたのだとか。

そして、最後に出演者たちからメッセージがありました。高橋さんは今回はキャラクターたちが背中を預け合ってそれぞれの場所で戦っていたことから、それぞれが違う景色を見ていたことに言及。また、いつどんなタイミングで作品を知っても『リゼロ』は面白いと実感したことを明かし、ファンのみなさんひとりひとりの視点でこの先の4th seasonも楽しんで欲しいと話してくれました。小林さんは、キャスト陣だけでなく3rd seasonから監督を務めた篠原正寛さん、そしてキャラクターデザイン・総作画監督を務めた佐川遥さんをはじめスタッフ陣も大きなプレッシャーを背負っていたと話しました。

小林さんがそんなスタッフ陣を代表する篠原さんと佐川さんへの拍手をお願いすると、会場はすぐさま温かい拍手で溢れました。そして、来年で『リゼロ』がアニメ化10周年を迎える事にも触れ、3rd seasonは作品の中での結束をより感じて、この先へさらに歩き続けられることを噛みしめられたとも話してくれました。

(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活製作委員会

著者 編集部 アニメ情報担当