アニメの先行配信の新たな形?ABEMAが異例の“1クール丸ごと先行”を実施 なろう系ファンの集客狙う


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動画配信サービスの「ABEMA」は28日、地上波にて2025年7月より放送開始予定の新作TVアニメ『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます』を約3ヶ月早く「地上波1クール先行配信」することを明らかにした。

配信開始は4月20日(日)夜7時30分から、2話連続放送にて無料放送する。第1話・第2話は放送直後より無料配信、第3話以降は、放送直後より1週間プレミアム先行配信となり「1クール先行」という異例の形式が導入されている。

現在、主要な動画配信サービスでは「独占配信」「先行配信(地上波先行、最速含む)」は特段珍しいものではなく、新規ユーザーの取り込み策として活用されている。アニメにおいては前者の「独占」は有料サービスに契約する必要があることから、新作のプロモーションとしてはマイナスに捉えられることがある。

一方、後者の「先行」は一定期間が経てばほとんどの他社サービスで視聴できるものが多く、比較的制約は緩いものの「コアファン(=最速で見たい層)は契約してくれる」ことから、しばしば「独占と通常の丁度いい」との位置づけで評価されている。ただ、本作の場合は地上波放送に先行する期間が「1クール」と通常の数日〜1週間を大きく上回り、実質的にストリーミングオンリーのような状況に。

この『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます』は「小説家になろう」発「TOブックス」より刊行中のライトノベルが原作の、可愛すぎる弟に兄バカ街道ばく進中の伯爵家の長男・菊乃井鳳蝶と、その腹違いの弟・レグルスがおくる領地経営ファンタジー。原作小説は「第7回ネット小説大賞」を受賞したほか、舞台化も果たした。

アニメ化にあたっては、原作ファンやライトノベルファンなど一定層からの支持があることが想定されるほか、ABEMA側も独占的に配信できることから大きくプロモーションすることが想定されるため、テレビ放送が始まる3ヶ月でどう盛り上げを図るかに注目される。

なお、その他サービスの地上波先行配信の動向としてはdアニメストアが『忍者と殺し屋のふたりぐらし』『勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~』『ある魔女が死ぬまで』『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 Season Ⅱ』『ゴリラの神から加護された令嬢は王立騎士団で可愛がられる』と異世界・ファンタジー系が中心となってラインナップ。

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dアニメストアで3月28日まで募集していた「放送前の人気投票」

DMM TVでは人気原作の『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GO』をはじめMAPPA制作のオリジナルアニメ『LAZARUS ラザロ』が並んでいる。

(C) やしろ・TOブックス/しろひよ製作委員会

著者 編集部 アニメ情報担当