オーディションで「フォロワー数を聞かれることも」現役女性声優が言及 声優の数は“20年で4倍”新人の負担も話題
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声優の高橋麻里さんは今月15日、自身のXにて「声優のオーディションでもSNSのフォロワー数を聞かれることがある」との現状を語る投稿を公開し、5000件以上の「いいね」を集めつつ注目されている。(※「高」ははしごだか)
高橋さんは2017年に声優デビュー後、『温泉むすめ』の阿蘇ほむら役などを担当。2024年にはTVアニメ『ひとりぼっちの異世界攻略』で副班長C役を演じるほか、現在はゲーム関係で『声優e‐Sports部』の部員としても活動の幅を広げている。
そんな高橋さんは15日にXで「今では声優のオーディションでもSNSのフォロワー数を聞かれます。」との出だしで投稿。「数字が全てではないですがいただいたチャンスを自分の手で掴めるように知っていただく努力、発信力も磨いていきたい」として、この投稿を拡散してもらうようファンに呼びかけていた。
今では声優のオーディションでも
SNSのフォロワー数を聞かれます。数字が全てではないですがいただいたチャンスを自分の手で掴めるように
知っていただく努力、発信力も磨いていきたいし、応援してくれているファンの方との絆を感じられる場所に☺️
もしこの投稿を見かけたら拡散してくれたら嬉しい
— 髙橋麻里(高橋麻里) (@takahashimari15) February 15, 2025
この投稿は2日で8,000いいねを超える拡散を集め話題になったほか、翌日にあたる16日には同アカウントのフォロワーが400名増えたことを公表し、現在は8,900人にのぼっている。この投稿をめぐって、拡散により多くの反応が寄せられ、声優業の競争激化にまつわる内容も見られた。
女性声優の数は直近発表で1099人
近年の声優業界では、女性声優の人数が著しく増加している。イマジカインフォス刊の声優専門誌『声優グランプリ』が毎年公表している「声優名鑑」によると、登録されている掲載数は2001年から2020年までの20年間で、女性声優は225名から907名と約4倍に増加し、男性と比較しても2010年代以降は女性の増加ペースが顕著となっている。
そして2022年版で大台突破の1003名に到達したことが大きな話題となったが、そこからも史上最多を更新し続け、先日2月10日に発売された「声優名鑑」の最新2025年版では1099名を掲載するに至った。初代声優名鑑の約5倍となったことについて、発行元は「まさに声優百花繚乱といえる」と指摘している。
近年の声優は積極的なメディア露出を行わないほうが珍しい状況も見られ、テレビ番組やライブイベントでの出演で「声優=芸能人」としての認知が進んだとの指摘も。これに加えて、2010年代以降『アイドルマスター』『ラブライブ!』などのゲームが急成長したことを背景に、新人女性声優のキャストやライブへの起用も増加。
新人であっても声優としての技能に加えて「歌唱力×演技力」などの複合スキルが求められるようになっている。さらに、写真集を発売したり、独自のファンクラブを開設したりと、ソーシャルメディアも積極的に活用した、ファンとの近しいような取り組みも見受けられる。
今回の高橋さんの投稿が業界全体での共通認識とは限らないものの、そうした背景もあり、採用側からは「フォロワー数」は発信力を示す一種のステータスとして、作品の宣伝も兼ねた指標として捉えられていることもあるようだ。